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雨水|映えまできっと、あと少し

19日木曜日は、二十四節気では、
雨水(うすい)という日だったらしい。
耳慣れなくてちょっと格好良い響きだ。

降る雪が雨に変わって、雪解け水が流れ始める時期。
かの有名な山下達郎のクリスマス・イブの歌詞とは
ちょうど真逆の気候になるのか。

私が住む地域では、今期の雪はもう降り終わったらしい。
日を追うごとに最高気温が更新されていて、
これ以上新しい雪は降らないのだと思わされる。

とは言ってもまだ冬自体は終わっておらず、
日が暮れると一気に空気が冷たくなる。
油断してうっかり薄手のコートで外に出ると、
寒さで歯をがちがち言わせる羽目になる。

最近、犬の散歩に利用している山道では、
普通のアスファルト道と比べて木陰が多い。
そういう場所では長く雪が解けずに残っていて、
一週間くらい前にはまだ湿り気の残った道を歩いていた。
乾いたふかふかの落ち葉を踏めるようになって、
ようやく完全に雪の名残が失せたと感じた。

私は、犬の散歩に出た日には必ず、
携帯で写真を撮るようにしている。
そうすることによってサボり防止の意識が生まれるし、
季節の流れも肌身で感じられると思ったからだ。

しかし今の時期、とにかく映えない。
建物や人工物を除くと、どこもかしこも
枯れ葉、枯草、茶色。茶色。茶色。
毎日写真を撮ろうとしても、どこを撮れば良いのか、
撮影スポットにも困ってしまう有様だ。

背景は代わり映えがないにしても、
せめて犬だけはバラエティを持たせたいと思い
必死にオスワリ、フセ、と懇願してポーズを決めてもらっている。
手元の携帯には日を追うごとに
茶色い背景で座ったり伏せたりしている犬の
似たり寄ったりの写真が溜まっていく。

けれど先日、散歩の途中でふと見たら
木々にふわふわの芽が生えていることに気付いた。
柔らかそうで可愛い。
他の木には小さなピンクのつぼみが。

喜んで写真に撮ろうとしたものの、
小さすぎてピントが合わない。
風で揺れているせいかと考えて、枝を指でつまんで
画面をタップしてみたけれどそれでもダメ。

しぶしぶ濃い目に色づいた枯れ葉と犬のツーショット。
うちの犬は淡い茶色(正式にはクリーム色)なので
保護色みたいに枯れ葉に溶け込んでしまう。

暦の上では春に近づいているはずだが、
画面の上ではまだもう一歩。
いつもの散歩道がカラフルに色づいてくれたなら、
写真を撮るのが楽しくなって、散歩に行く楽しみも増えるはずなのだ。

犬の背景が明るい春色で彩られますように。
そうなるまで、きっと、あと少し。


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小石ゆうべ 犬のおやつと健やかな生活の足しにさせていただきます。