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3日で12湯。下呂温泉で湯めぐりしたら入浴の概念が変わった

家を出てから10時間21分。定刻通りの15時16分、岐阜県の下呂駅に到着した。

小雨が降っている。軽くしか天気予報を見てこなかったけど、雨なんて言ってなかった気がする。傘は持ってきていない。まあ大丈夫かな。

駅から徒歩2分のゲストハウスにチェックイン。身軽になって、街へ繰り出す。初めての下呂旅のスタートだ。まずは駅前の下呂市総合観光案内所へ。

下呂市総合観光案内所には温泉街の地図やお店のクーポン券などが置いてあるので、一度立ち寄るのがおすすめ

今回の旅の目的はもちろん温泉だ。下呂温泉は兵庫県の有馬温泉、群馬県の草津温泉とともに、日本三名泉に数えられる。温泉好きとしては行っておかなければならない。まあ有馬も草津も行ったことないのだけど。

まだまだ寒い3月。下呂温泉で湯めぐりをして体を温める。そのために必要な武器、それは「湯めぐり手形」だ。湯めぐり手形があれば、1500円で街中の3つの温泉に入ることができる。この武器を手に入れるために観光案内所へ行ったのだった。

ところがそれはなかった。湯めぐり手形の生産が追いついておらず、街全体で品薄状態。コンビニや旅館などの指定された販売場所のどこに在庫があるのかは現地に行ってみないと分からないのだという。

生産が追いついてないのはしょうがない。でも手形なんてなんでもいいのでは。在庫がないなら、紙っぺらに3箇所のスタンプを押すとかで対応すればいいのに。大事なのは1500円で3箇所の温泉に入れることで、それは手形の生産が間に合わなくてもできることだろう。

下呂温泉は有名観光地で、湯めぐり手形で温泉めぐりをしようと企んでいる人(僕)も多いはず。「湯めぐり手形はありません」と彼らの出鼻をくじく必要はないと思うのだけど。などと不満タラタラだが、ないものはない。街のどこかにある湯めぐり手形を見つけ出すしかない。

小雨からまあまあの雨に変わっていた。ダウンのフードをかぶって捜索開始。デイリーヤマザキ下呂温泉店。店内に入り即絶望。

次の該当店舗をGoogleマップで探す。雨が激しくなってきた。ファミリーマート下呂市役所前店。「湯めぐり手形完売しました」。

もはやここまでか。観光案内所の方は「どこかには売っている」という雰囲気を出していたが、もうこれはどこにもないのでは。あきらめて1つずつ湯めぐりをするしかないのだろうか。強くなる雨。速くなる足どり。

続いては、デイリーヤマザキ下呂森店。

「湯めぐり手形ありますか?」
「あるよ。ちょっと待っててね」

きたーーーーー!!

あきらめなければ夢は叶う。4箇所目にして武器を手に入れた。ありがとうデイリーヤマザキ下呂森店。

武器を手に入れても、雨はやまない。デイリーヤマザキから温泉街の中心部に戻る途中、ちょっと休憩したいなと思っていたところで、足湯を発見。屋根がついてるので雨もしのげる。いっちょ入ってみますか。

3月12日16時25分 1. 田の神の足湯

地元の学生だろうか。田の神の足湯には先客がいた。彼は足を温めながらYouTube動画を見ているようだった。学校帰りにひとりで足湯とか最高だな。僕もおじゃまをさせていただく。

あ、あたたかい。そりゃ足湯だからあったかいのは当然だ。だけどなんて言うんだろう。単純に温度が高いだけじゃないというか。足を包み込んでくれる感じ。ぬくもり。そう、ぬくもりを感じるのだ。

お湯に浸かっているのは足だけだが、全身が温まっていくのがわかる。コートを脱ぐ。雨の中、歩き回っていたのでコートはかなり濡れている。

新客が来た。というか、気づけば先客の学生はいなくなっていた。

足湯で雨宿りする魂胆だったが、雨は一向にやむ気配はない。新客もどこかへいってしまい、僕はひとりになった。

いやー、気持ちいい。

そういえば、と思い出す。今日はいつものあれができていなかった。僕のモーニングルーティーン、瞑想。いつもは朝起きてすぐに瞑想をするのだが、今日は青春18きっぷの旅。4時半起きの4時55分出発だったので、瞑想をする時間がなかったのだ。

ということで、ここでやろう。足は湯に浸かっている。いつも使っているアプリ「Meditopia」を開き、目を閉じる。瞑想in足湯。静寂。ぬくもり。やすらぎ。天国みたいだ。

瞑想を終え、時計を見ると、足湯に入ってから1時間が経っていた。驚き。気持ちよすぎてかなり長居してしまった。

足をミニタオルでゆっくりと拭き、靴下をはく。靴をはいてコートを着る。

さてどうしよう。よし、ご飯を食べよう。今日は静岡駅で下車して朝食を食べたっきりで、ランチを食べていなかった。どおりでお腹が減ってるわけだ。早めの夜ご飯を食べて、その後温泉に行こう。事前にリサーチしていた中華料理店に早足で向かう。

だが、思いどおりにいかないのが旅というものだ。がーん。

Googleマップには開店中と書いてあったのに。ディナータイムは18時からのようだ。作戦変更。温泉のち夜ご飯にしよう。

3月12日17時45分 2. クアガーデン露天風呂

クアガーデンにある温泉タンク。下呂温泉では源泉を一旦タンクに集め、そこから各施設へ温泉を供給する「温泉集中管理システム」を採用している

さあ、気持ちを切り替えて温泉だ。湯めぐり手形1湯目・クアガーデン露天風呂。

その名のとおり、すべてが露天風呂。1、2種類かと思っていたら意外と広く、壺湯や箱蒸しなど6種類ものバリエーションがあった。

露天風呂、最高。雨は小雨でさほど気にならない。足を伸ばして、全身を思いっきりリラックスさせる。10時間以上も移動してきて、かたまった体を癒やす。抜群の気持ちよさ。最高。

目の前には飛騨川。今朝、僕は横浜の自宅で目覚めた。今は下呂温泉。その距離、400キロ以上。遠くに来たもんだ。

客層は大学生(推定)の集団が多い。大学は春休みだもんね。入浴時間は1時間ほど。サウナと水風呂があればもっといられるんだけど、お風呂だけだとこれくらいか。まあとにかくいいお湯でした。

お風呂から上がり、先ほど閉まっていた「中華酒房 桃庵」へ。下呂に来て最初の食事。下呂牛乳ラーメン、驚くほどおいしかった。

宿に帰って眠る。

***

2日目。おはようございます。今日は10時〜17時でがっつりアルバイトをする日。今回、タイミーをしながら旅をするという新たな試みにチャレンジする。

仕事の前に足湯へ。

3月13日8時40分 3. 雅の足湯

下呂の町には旅館などの入浴施設とともに、足湯もたくさんある。足湯の何がいいか。無料であること。タダ。もし下呂に住んだら毎日来れちゃう。それでも1円もかからない。無料だからといってコストがかかっていないわけではなくて、当然足湯を管理してくれている方はいる。もうそれはただただ感謝です。タダだけに。

さて、足湯。いい。良すぎる。

温泉街を眺めながらの足湯、めっちゃいい。そして人、全然いない。足湯はもちろん貸し切り状態だが、街まるごと貸し切りみたいな感覚になる。温泉街の朝は遅い。下呂ではほとんどのお店が10時オープンなので9時前には観光客も歩いてない。みんな旅館で優雅に朝食でも食べてるのだろうか。それはちょっとうらやましいけど、僕には優雅な足湯がある。

もうちょっと浸かっていたいけど、今朝は足湯のはしごを敢行したいので、次のスポットへ向かう。

3月13日9時10分 4. ビーナスの足湯

来ました、ビーナスの足湯。足をつけた瞬間びびる。あっつ。明らかに熱い。Googleマップを見てみると、クチコミに「下呂温泉の数ある足湯の中で一番お湯が熱いです」とあった。やっぱり。

つまさきから徐々に足をお湯に入れていく。ゆっくり、ゆっくり。熱さにだんだん慣れてきてようやく足全体を浸ける。慣れたとはいえ、足は真っ赤だ。

うーん、熱い。これまでの足湯がいかにちょうどいい温度だったのかをここで知る。ちょうどいいって大事だね。

体が一気に温まっていく。待って、むしろ暑いくらい。コートを脱ぐ。というか顔から汗出てる。ここ外なのに。気温3度とかなのに。すごすぎ、足湯パワー。

それにしても熱い。暑い。出るか。でもいいね、急速に体があったまった。

ビーナスの足湯の横には、こんな看板が。

下呂温泉と並ぶ日本三名泉の有馬温泉、草津温泉の方角と距離が示されている。さらに温泉といえばのローマ、そしてなぜかニューヨークも。ニューヨーク。そういうことか。

足湯からのバイトって最高の流れな気がする。いざ、タイミーへ。

***

本日の労働終了。プリン屋にて列整理の仕事を6時間15分(休憩45分)。みっちり働いた。外での仕事だったので寒い。特に日が陰ってきた最後の1時間は寒かった。

早急に温まらなければならない。行こう、足湯へ。

3月13日17時4分 5. 鷺の足湯

足湯→タイミー→足湯。足湯でタイミーをサンドイッチ。あったまるー。もうちょい熱くしてもらってもいいくらい。今こそビーナスの足湯に入ればよかったか。

バイト先を眺めながら足湯に入るって不思議な感覚。よく働いた自分をねぎらう。

さて、夜ご飯食べますか。

じゃじゃーん。

下呂名物のケイちゃん。鶏肉とキャベツ、玉ねぎなどの野菜を焼いて混ぜて食べる料理。自分で混ぜながら炒めなきゃいけないのが、そういうのが好きな人もいるだろうけど、自分的にはめんどくさかった。ま、それも含めて経験ということで。

お腹が満たされたので、温泉行きますか。

3月13日18時51分 6. 大江戸温泉物語Premium下呂本館

湯めぐり手形2湯目は、大江戸温泉物語Premium下呂本館へ。

下呂には大江戸温泉物語が2つある。温泉街の中心部にあるのは別館。どちらに行くか迷ったが、温泉がよりいいのはやはり本館だろうと思い、ここへきた。山の上にあるので、結構な登り坂を上がってこなくてはいけなかった。温泉のためなら、そんなの屁でもない。

入って驚いた。誰もいない。まさかの貸し切り。浴場の床には畳が敷かれている。これはすごい。足が気持ちいい。

お風呂は内湯と露天風呂が1つずつ。体を洗ってから内湯に入る。ここで僕は初めて「下呂温泉」を感じた。お湯がつるつるしている。なめらか。肌がすべすべになりそう。昨日のクアガーデンや足湯では温度以外の感想がわかなかったのだが、ここにきて泉質を感じるようになった。

大江戸温泉物語で嬉しいのが、サウナと水風呂があること。お風呂→サウナ→水風呂→外気浴の王道コースをひとりだけの空間で。生まれて初めての体験だ。

下呂の夜景を見ながらととのっていたところ、突然騒がしくなる。20時10分、高校生(推定)6人組が入ってきた。彼らを皮切りに、他にも学生の集団や外国人グループが続々と入ってくる。静寂に包まれていた空間が、一瞬でにぎやかな空間へと姿を変えた。これを「20時10分の変」と呼ぶ。

しかし下呂温泉にはほんと学生が多いな。春休みの大学生がたくさんいるのはわかるけど、意外に中高生も多い。

大学生以上になると風呂好き、サウナ好きの人口が増えるが、中高生は総じて入浴時間が短い。「20時10分の変」を起こした彼らは水風呂にびびって入れていなかった。そして、あっという間に出ていった。

自分より後に入ってきた人が先に出ていく。これがなぜか心地いい。お風呂なんて自分が好きなだけ入ればいい。他人は関係ない。長く入るのが偉いわけでもない。それはわかっている。わかっているが、誰よりも長く入っていることがなぜか嬉しい。俺がこの風呂のあるじぜよ。

サウナ3セットを終え、風呂の主感を充分に堪能したので、出ることに。浴場を出たところには、なんと湯上りラウンジが!ソフトドリンクやアルコール、アイスキャンディーなどを自由に摂取できる。しかし、これは宿泊者の特権。湯めぐり手形の民は利用できない。

やむをえない。僕は僕の道をゆく。

自販機でマウンテンデューを買う。マウンテンデュー大好き芸人なので、これがあれば必ずこいつを飲む。風呂上がりのマウンテンデュー、これ至高なり。

宿に帰って眠る。

***

3日目、早いもので下呂最終日。本日は18時〜20時でタイミー。日中はたっぷり観光するぞ。

まずは朝の散歩がてら朝市へ。

下呂の特産品やお土産が売られている。お店もお客さんもそれほど多くない。「会社の仲間のお土産に1箱、2箱買っておくといいよ」とおばちゃんにすすめられたが、ごめん、僕お土産買わない主義なんで。それとごめん、会社の仲間もいなかった。

朝市の奥にある下呂温泉合掌村を見学。入場料800円。

白川郷のような合掌造りの家々を見て回る。

ここになぜ来たのか。もちろん足湯である。

3月14日8時49分 7. 合掌の足湯

合掌村の敷地内にある「合掌の足湯」。ここはちょっと特別だ。街中の足湯はどれも無料。ここも足湯自体は無料だが、合掌村の入場料が800円なので0円で入ることはできない。つまり実質有料の足湯なのだ。

景色も格別だ。合掌造りを眺めながらの足湯。気持ちいい。朝の足湯は、ほんと幸せ。ここで時間が止まってしまえばいいのに、と思う。

しかし時間は止まらない。宿に戻りチェックアウトをすませてから再び温泉街へと繰り出す。

昨日、たくさんのお客さんを横目に自分は食べることのできなかった下呂プリン。満を持して買ってきた。

下呂プリンまじうまだった。下呂温泉行くならここは外せない

続いて、下呂プリンの隣にある下呂発温泉博物館へ。

日本には26000以上の源泉があること。温度や浸透圧(人間の体液より濃いか薄いか)、刺激の強さなどによって分類できること。下呂温泉はアルカリ性の単純温泉であることなどを知った。単純温泉には他に箱根湯本温泉(神奈川)、道後温泉(愛媛)、湯布院温泉(大分)などがあるらしい。

色々な温泉の水も置いてあった。下呂温泉は無色透明だけど、けっこうカラフルな温泉もあるんだよね。個人的には透明が好き。

温泉についてひととおり学んだら、さあ足湯だ。

3月14日10時52分 8. 下呂発温泉博物館の足湯

さすが温泉博物館。館内に足湯がついている。しかもここは歩行浴を推奨している。左側は温泉だが、右側は水。ここをぐるぐる2〜3周歩くと血行がよくなるよ、と看板に書かれていた。

さっそく歩行浴にチャレンジ。まずは温泉から。待って、石が痛い。足裏が刺激されるのもいいよとか書いてあったけど、普通に痛い。なんとか奥まで歩き、折り返して水へ。

つっめた。やば、おわた。これは冷たすぎ。早く歩きたいけど、石が痛くて全然進まない。まじかよ。

なんとか進んで温泉に避難。2〜3周歩くことを推奨されていたけど、もう無理や。1周で断念してお湯のところに座る。

やっぱりお湯が一番だ。

3人家族が足湯にやってくる。女子中学生(推定)が水に足を浸けた瞬間、悲鳴が聞こえた。

「無理無理!もう血行とか知らん!」

分かるわー。血行とか知らんよね。

足をミニタオルで拭く。靴下を履いて靴を履く。まくっていたズボンの裾を下ろす。足湯終わりのルーティーンがどんどん手慣れてきた。

下呂の街を歩く。172段の石段をのぼって温泉寺へ。

大学生グループ(推定)が熱心にお参りしている様子を見て、つくづく自分は信仰心がないんだなと感じた。誰かと来たときはノリで祈ったり、お賽銭を投げたりしてみるが、ひとりだとそれをする気にもならない。

なんでだろう。もしかしてバチ当たっちゃうかも。そんなことより温泉寺からの眺望。よいよい。

温泉タンクの存在が下呂の街並み感を強める

のぼってきた石段を降りて、色々と食べ歩いたりする。手持ちの水がなくなったのでローソンへ。腹が減っては戦ができないが、喉が渇いても戦はできない。水分補給、大事。

男は黙って2リットル。

いや、男とか関係なかった。女も黙って2リットル。

いや、別に黙る必要なかった。男も女も、黙っても黙らなくてもいいが、とにもかくにも2リットルだ。水分補給、大事。

そうこうしているうちに、正午になった。あれの時間だ。

3月14日12時0分 9. 小川屋

湯めぐり手形ラストは小川屋。下呂温泉の老舗旅館だ。

ちなみに、小川屋の日帰り入浴は1500円。お気づきだろうか。

湯めぐり手形は1500円で3つの温泉に入れる。つまり、小川屋だけで元を取れてしまうのだ。雨の中、湯めぐり手形を探し回ってよかった。

ただし注意点もある。湯めぐり手形は利用時間が通常とは異なるケースがある。特に小川屋は厳しい。この日は金曜日だが、金曜日の利用可能時間は12時〜14時のみ。だから僕は正午になるのを待っていたのだ。

脱衣所に入った瞬間からすごかった。アメニティがすごい。無料で飲める水もオシャレな雰囲気。

お風呂も文句なかった。大江戸温泉と同じく、床が畳。今回の旅行で僕は気づいてしまった。畳の温泉、めっちゃ好き。広くて露天風呂もサウナも水風呂もあって、素晴らしかった。

お風呂から上がって着替えていると、高校生6人組(推定)のひとりがつぶやいた。

「俺たち、最高の時間の使い方してない?」

そうなんだよ、よくぞ言ってくれた。昼間っから温泉でととのってる俺たち(僕も入れてくれ)、まじで最高の時間の使い方してるんだよ。

湯めぐり手形、完結です。本当にお世話になりました。これで僕も湯名人。

完全に体があったまった。お風呂上がりといえば、、、

3月14日14時10分 10. ゆあみ屋

いや、違うんですよ。風呂から出てすぐ足湯に入るほど僕も狂ってはいない。ただこれが食べたかっただけなの。どどーん。

お風呂上がりはアイスでしょ。ソフトクリームの上に温泉卵をのっけた温玉ソフト。ナイスアイディアですね。

ただ正直よく分からなかった。ソフトクリームはおいしい。温泉卵もおいしい。温玉ソフトは、うーん。おいしいものとおいしいものがあるのはそうだけど、1+1=2以上にはなってなくないか。融合したからこそのケミストリーが生まれてなくないか。個人的感想です。ソフトはほんとおいしかった。ただ温玉をのっけた意味がいまいちわからなかった。

ゆあみ屋ではデザートを食べながら足湯に入れる。温泉で温まったばかりなので足湯に入ろうとは思っていなかったのだけど、入れますと言われたら入っちゃう。それがオレ。てことで、温玉ソフトin足湯を堪能。街中の足湯では飲食禁止だから、足湯に入りながらデザートを食べるのはまたとない機会だった。

再び街へ。温泉街はコンパクトなので、行きたいところはもうほとんど行けてしまった。ひととおり回るだけなら一日あれば充分だ。

そうだ、ひとつ行き忘れていた場所が。

3月14日14時38分 11. 噴泉池

下呂温泉の定番・噴泉池。つい最近までここはガチの温泉だったらしい。野湯的な。しかも混浴で。かなり恥ずかしいなこれは。

今は足湯のみになっている。ここが僕のラスト足湯スポットだ。

ぬるめなので、長く入れる。太陽がまぶしい。卒業旅行だろうか。はしゃいでいる大学生たち(推定)もまぶしい。

再び、街歩き。下呂はマンホールとかがいちいちかわいい。ちゃんとデザインされていて、観光客としては嬉しい。

いい湯 いいまち 下呂のまち。ほんとにそのとおりだ。温泉も街も、とても好きになってしまった。

ちょっと感慨深くなったところで、ラスト温泉へ。

3月14日15時49分 12. 白鷺乃湯

湯めぐり手形はもう使いきった。だがここ、白鷺乃湯には温泉博物館の入場料とセットで600円のチケットがある。午前中の博物館でちゃっかり買っていた。

ここはザ・ローカル銭湯。お風呂が1つとシャワーがあるだけ。シャンプーやボディソープもなにもなかった。まあ小川屋で体も髪も洗っているので問題ない。常連のおじちゃん同士があいさつを交わしている感じがなんかいい。

お風呂から上がり、ロッカーの鍵を開けようとするが、なかなか開かない。これは鍵穴の状態があまりよろしくないな。そういえば、鍵を閉めるときも苦戦して、ロッカーを変えたんだった。ロッカーを変えたら閉まったけど、今度は開かない。どうすんだこれ。

全裸でかちゃかちゃかちゃかちゃやっていたら、地元のおじちゃんがお風呂から上がってきた。

「水平にひねると開くよ」

だから開かないんだって。その後かちゃかちゃを繰り返すも、一向に開く気配がない。おじちゃんが開けてくれることに。なんと一発で開いた。すごい。というか自分が不器用すぎる説もある。おじちゃん、ありがとう。

タイミーの勤務開始までもう少し時間があったので、しばらく休憩スペースで寝転がっていた。

初めての下呂温泉。3日間で12の温泉を巡った。うち足湯が8つ。下呂温泉は無色透明のオーソドックスな単純温泉で、つるつるすべすべな泉質。好きなタイプの温泉だった。

今回の湯めぐりで驚いたのが足湯の気持ちよさ。僕はこれまで足湯を入浴と認めていなかった。入浴といえば全身がお湯に浸かること。当然だろう。足先だけお湯に入れてなんだっていうんだ。いちいちズボンをまくったり、タオルで足を拭いたりするのが面倒だし。温泉地に来たなら、普通にお風呂に全身入浴すればいい。足湯なんて入る必要ない。そう思っていた。

でも下呂温泉に出会って、僕の入浴の概念は変わった。

雨に濡れながら歩き回った僕を癒やしてくれたのは、足湯だった。
バイト前にパワーをくれ、バイト後にねぎらってくれたのは、足湯だった。
初めての土地でひとりだった僕の心と体を温めてくれたのは、足湯だった。

「頭寒足熱」という言葉がある。頭は冷やし、足は温かくするのが健康によいと言われている。足を温めれば、その熱は全身に伝わっていく。足湯は立派な入浴だ。

***

18時〜20時の2時間タイミー勤務を終え、下呂駅へ。

これから電車で高山へ向かう。下呂の旅はこれにて終了。

移動には10時間21分かかった。滞在中に8時間15分はタイミーで働いた。3日間で観光にあてられた時間はそれほど多くない。けれど、充分すぎるほど濃い旅だった。下呂での思い出を背負い、僕は電車に乗り込んだ。

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