EUが宇宙での量子暗号通信計画を発表
次世代コンピュータの分野で期待されている「量子暗号」は、すでに地球を超えようとしています。
EUからこんな発表が2022/2/15に行われました。
要は、
EUが、米中ロの宇宙開発激化を背景に、「量子暗号技術」を使ったEU独自衛星通信網の計画を発表した、
という話です。
ちなみに、EUらしいなぁと思ったのが、大体5年間で約8000億円を確保し、うち半分近くを宇宙デブリ(衛星残骸)除去に使い、かつ宇宙活動のためのルール整備も行う、とのことです。
宇宙デブリは過去も取り上げましたが、官民合わせてのバトルロイヤルが起こっています。
すでに宇宙でも、地上同様に持続可能性(サステナビリティ)な国際的駆け引きが始まっているようですね。
そういった国際政治トピックは深入りせず、今回は「量子暗号技術」について取り上げます。
まず、身近な話として、今の世の中、暗号の管理は我々にとってすでに必須ですね。
個人だけでなく、近年はランサムウェアなど大規模組織向け「サイバー攻撃」も報道されるようになりました。
そんな暗号技術ですが、ある程度決まったパターンがあります。
デジタルコンピュータで歴史が長いのはRSA暗号です。(発明者の頭文字)
要は、素因数分解(例 6-> 2×3)を複雑にすると、答え(鍵として当事者間で共有)を知らないと「手あたり次第」試すしかないという仕組みです。
RSA以外にも暗号の歴史は古く(B.C.3000年から!)、そして面白いです。
興味を持った方は下記をお勧めします。
さて、「手あたり次第」と言いましたが、量子コンピュータのように飛躍的に処理性能が上がると、その鍵が解かれるリスクがあがります。
皮肉なことですが、こういった量子技術の脅威を「量子暗号」という技術で守ろうという流れです。
仕組みは「量子力学の原理」を使ったものです。(意味合いを理解するために、相当ばっさりと枝葉を切り捨ててます)
量子力学は超ミクロな世界を記述した動きを測定する物理学です。
その世界では「観測対象を見るという行為が対象の状態を変える」という、日常ではイメージにしにくい不思議なことが起こっています。
それを応用するということはつまり・・・
「盗聴者が量子暗号鍵を覗いて状態が変わると使えないようにする」
という考えです。
既にこの原理を応用したものはいくつか出ています。例えば下記のサイトが分かりやすく解説しています。
量子技術は、既に米中、そして今回のように欧州でも注目されて基礎研究が進められていますが、日本でも以前より注目はされています。
最近でも、こんなニュースが日本で流れていました。
実は、すでにその先の話も最先端では行われていて、例えばこんな研究発表が日本から行われています。
まだ標準的な技術とまではいえませんが、既にその争いは始まっており、量子の観測揺らぎはマクロの人間社会にまで到達しているわけです。
いつの日か、盗聴を気にせず心が揺るがない時代が到来してほしいです。
