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河原で石を積む。ただそれだけの瞑想アプリを、AIと一緒に作った話

無料で公開しているので石積んで遊んでみてください🪨

石積みアプリ

スマホを開くたび、通知が鳴る。SNSのタイムラインが流れる。誰かの声が聞こえる。

静かに、何かに集中したい。

そんな気持ちから、ひとつのアプリが生まれました。

河原に散らばる石を拾い上げて、ただ黙々と積み上げる。それだけのアプリ。

でも、「それだけ」がこんなに心地いいとは思わなかった。



Tsumiishi(積石)— 石を積む、瞑想するアプリ

Tsumiishiは、スマホの中に「静かな河原」を作った石積みアプリです。

画面に現れるのは、毎回ランダムに生成されるリアルな石たち。丸い石、平たい石、ゴツゴツした石——46種類の形状が、地質学の分類法(Zingg分類)をベースにプログラムで自動生成されます。同じ石は二度と現れません。

遊び方はシンプル

  1. 指で石をつかむ — 画面上の石に触れるだけ

  2. 好きな場所に置く — ドラッグして離す。ガイドが表示されるので直感的

  3. どこまで高く積めるか — 物理演算がリアルなので、バランスが崩れたら本当に倒れる

  4. 投げることもできる — 素早くフリックすれば、石を投げ飛ばせる

操作はこれだけ。チュートリアルもいらないくらいシンプルです。

でも、石を一つ一つ慎重に積み上げていく行為には、不思議な没入感があります。気づいたら15分、30分と時間が過ぎている——そんな体験を目指しました。


スマホ画面

7つの世界で石を積む

Tsumiishiには7つの環境プリセットが用意されています。

| 環境 | 雰囲気 |
|------|--------|
| 河原 | 水のせせらぎが聞こえる、穏やかな川辺 |
| 禅庭園 | 静寂と調和の日本庭園 |
| ビーチ | 波の音が響く、開放的な砂浜 |
| | 澄んだ空気の山岳地帯 |
| 月光 | 月明かりに照らされた幻想的な空間 |
| 雪原 | しんしんと雪が降る静かな世界 |
| 寺院 | 荘厳な雰囲気の寺院境内 |

さらに、時間帯も変化します。夜明け・朝・昼・夕暮れ・夜——自動設定にすれば実際の時刻に連動して、空の色や光の角度が変わります。

朝のコーヒータイムに夜明けの河原で石を積む。夜寝る前に月光の禅庭園で石を積む。同じアプリなのに、毎回違う表情を見せてくれます。



季節が移ろう——リアルタイム季節システム

Tsumiishiは実際の日付に連動して、季節が変わります

  • — 桜の花びらがひらひらと舞い落ちる

  • — 蛍が静かに光を灯す

  • — 紅葉の葉が風に乗って流れる

  • — 雪がしんしんと降り積もる

そして、日本の四季の行事に合わせた季節イベントも。

  • 花見(3月20日〜4月10日)— 桜が満開に

  • 七夕(7月〜8月)— 夏の特別な光の演出

  • 月見(9月〜10月)— 月が美しく輝く

  • 正月(1月1日〜15日)— 新年の特別な色彩

開くたびに少しずつ変わっていく世界。季節の移ろいを感じながら石を積む。日本的な美意識を、そっとアプリに込めました。


すべての音はコードから生まれる

Tsumiishiの音楽は、外部の音楽ファイルを一切使っていません

BGMも、環境音も、すべてプログラムがリアルタイムに生成しています。

プロシージャル生成BGM

日本の伝統音楽にも通じる**ペンタトニックスケール(五音音階)**を使い、毎回異なるメロディが自動的に紡がれます。心地よいのにどこか聴いたことがない——そんな音楽が延々と流れ続けます。

6層の環境サウンドスケープ

| レイヤー | 音 |
|---------|-----|
| Wind | 風のそよぎ |
| Rain | 雨音 |
| Birds | 鳥のさえずり |
| Water | 水のせせらぎ |
| Insects | 虫の声 |
| Fire | 焚き火のぱちぱち |

これらが環境プリセットや時間帯に応じて自動的にミックスされます。禅庭園なら風と鳥が主役、ビーチなら波の音が前面に。夜になれば虫の声が加わり、朝には鳥のさえずりが聞こえてくる。

イヤホンをつけて遊ぶと、本当にその場所にいるような感覚になります。


瞑想モード——4-7-8呼吸法ガイド

石積みだけでなく、本格的な瞑想セッションもTsumiishiに内蔵されています。

4-7-8呼吸法

医学的にもリラクゼーション効果が認められている呼吸法を、視覚と音でガイドします。

  • 4秒 — 吸って(金色のリングが広がる)

  • 7秒 — 止めて(リングが静止する)

  • 8秒 — 吐いて(リングがゆっくり縮む)

画面を見ながら呼吸するだけで、自然とリラックス状態に導かれます。

シンギングボウルの音

瞑想セッション中に響くシンギングボウルの音も、プログラムで生成。220Hzの基音と倍音が重なり合い、本物のシンギングボウルのような深い響きを再現しています。5分ごとに鈴の音が鳴り、時間の経過をやさしく教えてくれます。

静寂スコア

瞑想中の手の安定さを計測し、静寂スコアとして可視化。セッション後には、呼吸サイクル完了数や配置した石の数とともに、自分の瞑想の質を振り返ることができます。


「手放す」——すべては移ろう

Tsumiishiで一番好きな機能かもしれません。

コンテンプレーションモード——日本語で「観照」。丁寧に積み上げた石の塔を、あえて崩すモードです。

シンギングボウルの音が鳴り響き、時間がスローモーションに。上の石から一つずつ、ゆっくりと固定が外れていく。石が崩れるたびにチャイムが鳴り、金色の光の軌跡が尾を引く。セピア色に染まっていく画面。

「すべては変わる」

崩壊が終わると、静かにその言葉が浮かび上がります。

また積み直せばいい。でも、同じ塔は二度と作れない。

この「無常」の体験は、ただのゲーム機能を超えた、ちょっとした哲学的な瞬間を届けてくれます。

石の地質学情報

崩した石を一つ一つ見ることもできます。花崗岩、砂岩、粘板岩、玄武岩、安山岩、泥岩——6種類の岩石の地質学的情報(密度、硬度、特徴)を3D回転ビューで確認できます。思いがけず地学の勉強になったりも。


フォトモード & タイムラプス

美しく積み上がった石の塔は、記録に残したくなるもの。

7種類のフォトフィルター

| フィルター | 効果 |
|-----------|------|
| None | そのまま |
| Sepia | ノスタルジックな褐色 |
| Mono | モノクロ |
| Warm | 暖かみのあるオレンジ |
| Cool | 冷たい青 |
| Dramatic | コントラスト強調 |
| Zen | 淡い禅的色合い |

フィルターを適用してスクリーンショットを撮影。そのままカメラロールに保存したり、共有したりできます。

タイムラプス録画

石積みのプロセスを自動で記録し、5倍〜30倍速で再生。自分の石積みを「作品」として振り返ることができます。

実績 & コレクション

13種類の実績、10項目の統計ダッシュボード、6種の岩石コレクション。やり込み要素も充実しています。


開発ストーリー——Claude Codeと、ひとりで作った

ここからは少し、作り手の話を。

きっかけ

僕は個人開発者です。「スマホの中に、静かな場所を作りたい」——そんなシンプルな思いからTsumiishiの開発が始まりました。

河原で石を積むという行為には、昔から人を惹きつける何かがあります。それをデジタルで再現するだけでなく、瞑想や季節の移ろい、音の体験まで含めた「総合的な静寂体験」を作りたかった。

Claude Codeとの共同開発

このアプリの開発では、Claude Code(AnthropicのAIコーディングツール)を全面的に活用しました。

一人で開発しているからこそ、AIの力が活きました。

  • プロシージャル生成の設計 — 46種類の石の形状パラメータ、物理挙動のチューニング、音声波形の生成アルゴリズムをClaude Codeと一緒に設計・実装

  • 6つのサブシステム — 瞑想、季節、音楽、ギャラリー、スクリーンショット、コンテンプレーション。これらを単体で動くモジュールとして設計する際の壁打ち相手として

  • マルチプラットフォーム対応 — iOS、Android、Steam、VR。プラットフォームごとの分岐処理やビルド設定

  • 物理演算のチューニング — 石が自然に積み上がり、リアルに崩れるためのパラメータ調整

結果として、メインコントローラだけで約8,600行。サブシステムを含めると、かなりの規模のコードベースになりました。個人開発でここまで作れたのは、Claude Codeがいなければ不可能だったと思います。

「プロシージャル」へのこだわり

Tsumiishiの特徴の一つが、できる限りすべてをプログラムで生成していること。

  • 石のメッシュ — 46の形状プロファイルから頂点を計算し、凹凸・傷・平面カットを加えてリアルな石を動的に生成

  • BGM — ペンタトニックスケールのメロディをリアルタイムに作曲

  • 環境音 — 風、雨、水、鳥、虫、火の6レイヤーを合成波形で生成

  • シンギングボウル — 220Hzの基音に倍音を重ねて金属的な響きを再現

  • 季節エフェクト — 桜・蛍・紅葉・雪のパーティクルをリアルタイム生成

外部アセットに頼らず、コードで世界を構築する。それは開発者としてのこだわりであると同時に、アプリサイズの軽量化にもつながっています。

Pythonスクリプトで効果音を生成し、Blenderで石のベースメッシュを作り、Unity上でリアルタイムに組み合わせる。ツールチェーン全体をAIと一緒に構築できたのは、現代のインディー開発ならではの体験でした。

AI時代の個人開発

Claude Codeとの開発は、「AIにコードを書いてもらう」というよりも、優秀なペアプログラマーと一緒に作っている感覚に近いです。

設計の相談をして、実装を進めて、バグを一緒に追って、リファクタリングを提案してもらう。一人開発なのに、一人じゃない。その安心感は大きかった。

個人開発者にとって、AIツールは「効率化」以上の意味を持つようになりました。作りたいものの規模感が、一段階上がる。 それが、Tsumiishiの開発を通じて得た一番の実感です。


ダウンロード

Tsumiishi(積石)

静かに、石を積む。

  • 価格: 無料

  • 対応: iOS 15.0以上(iPhone / iPad)

  • 言語: 日本語 / English

買い切りにしたのは、瞑想アプリに広告や課金の通知が出るのは本末転倒だと思ったから。一度買えば、ずっと静かに使えます。

今後の予定

  • Android版

  • Steam版(Windows / Mac)

  • Meta Quest 3 VR対応(手で石を積める!)



最後まで読んでいただきありがとうございます。

もし気になったら、ぜひ一度、静かな河原で石を積んでみてください。

きっと、スマホが「静かな場所」に変わります。


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