【書評】ちゃんと観てる?読めてる?書けてる?『観る技術、読む技術、書く技術。/北村匡平』
※表紙画像出典:Amazonより(本記事にはアフィリエイトリンクを含みます)
「読んでもうまく言葉にならない」
「書きたいのに、なかなか書けない」
こう感じているとしたら、
もしかしたら情報の波に呑まれているのかもしれません。
私たちは、「読む」「書く」「観る」という“知的な活動”をしていながらも、膨大な情報を、きちんと整理し、読み、観て、考えて、書くことができているでしょうか。
この本は、どうすれば“知的な活動”をもっと深めて、創造性を育てられるのかを考えていく一冊です。
少し難しそうに聞こえるかもしれませんが、内容は決して難しくありません。
スマホやパソコン、アプリ、今では便利ツールが山のようにあります。
これらの便利ツールを使う技術や環境、そして、私たちの身体の使い方を、現代に合わせてアップデートし、ツールをうまく使い分けたり、別のアプローチを組み合わせてみたりして、“知的創造”へとつなげていこうというお話です。
読んだり書いたりする「技術」と言われると、そんな技術は身につけていない、どんな技術なのだろう、基本知識として知っておいた方がいいのかもしれない、そう思って、手に取った1冊です。
✨ この記事でわかること
『観る技術、読む技術、書く技術。』がどんな本なのか
身の回りの環境を整えると「読む」「観る」「書く」が深まる
この本をおすすめしたい人
心に残ったポイントと読後の変化
📖『観る技術、読む技術、書く技術。』ってどんな本?
本書は、
第1章 情報と向き合う
第2章 読む技術
第3章 観る技術
第4章 書く技術
第5章 知的創造の生活
という流れで展開されています。
本書は、いわゆる“効率よくこなすためのハウツー本”とは少し違います。
著者は、コスパやタイパを一面的に否定するのではなく、それだけでは届かない深さや創造性に目を向けています。
目の前の情報をただ消費するのではなく、どう出会い、どう整理し、どう咀嚼し、どう自分の表現につなげていくのか。
その一連の流れを、「観る・読む・書く」を別々の行為ではなく、ひとつながりの知的活動として、考え直していく構成になっています。
さらに、書くことを才能だけの問題にせず、環境や習慣、ツールの使い方まで含めて土台から見直しながら、効率や速さだけでは届かない“知的創造”のあり方を考えさせてくれる本です。
💪環境を整えて、身体を動かそう
💻まずは環境を整えよう
「書ける人って才能がある人でしょ」と思いがちですが、
この本ではわりと一貫して、
執筆環境
ツールの使い方
情報の管理
習慣化
自分に合った方法
などの、書くための土台づくりが大事だと見えてきます。
どんなふうに本と出会うか、どんな場所で読むか、どんなツールを使うか、どんなモードで観るか。
そうした細かな工夫の積み重ねが、結果として思考の深さや表現の質を変えていきます。
つまり、「うまく書けない」のは能力不足というより、
まだ自分に合う書き方や環境が整っていないだけかもしれません。
🖊️身体を動かさないと始まらない
書き始めるとき、ちょっと気分も身体も重く感じることってありませんか?
何を書いたらよいかわからないし、集中力も必要だし、なかなか進められないことがよくありますよね。
本書では、「まず何でもいいから言葉を置いてみる」と書かれています。
頭で整理された文章ではなく、メモでもなんでも、とりあえず手を動かして書くことによって、次のアイデアが浮かんできます。
よく、試験勉強のような何かを継続するコツとして、やる気がなくてもまずは机に座ってみようとか、1ページだけでいいから毎日読んでみようとか、些細なことを始めてみると、意外と続けてできてしまうというようなことがあります。これと同じなのかもしれません。
それにしても、「言葉を置く」って素敵な言葉ですね。
身体を動かすのは、手を動かして言葉を書くことだけではありません。
「体を動かす」ことも大事です。
散歩をしたり、ドライブをしたり、喫茶店や宿などの環境そのものを変えたりすると、アイデアが出てきやすくなります。
私の場合、シャワーに入るといろいろな解決策が浮かびます。
頭を一度クリアにすると良いのでしょうね。
📌こんな人におすすめ
◎文章を書きたくてもなんだか書けずにいる人
書きたい気持ちはあるのに、うまく言葉が出てこない。
何から始めればいいのかわからず、手が止まってしまう。
そんな人にこそおすすめです。
書くことを才能だけの問題にせず、読むことや観ること、日々の情報との向き合い方まで含めて捉え直してくれるので、「書けない」の背景にあるものが少しずつ見えてきます。
一度気持ちをまっさらにして、「書く」とは何なのかを見つめ直すことができるかもしれません。
◎技術やツールを知って作業環境を整えたい人
なんとなく頑張るのではなく、自分に合った方法や道具を見つけて、無理なく続けられる環境を整えたい人にもおすすめです。
本書では、読む・観る・書くための環境づくりやツールの活用にも目が向けられていて、知的活動を支える基本の大切さに気づかされます。
今では、スマホやタブレットなどたくさんのデバイスがあり、さまざまな便利グッズ、便利ツール、便利アプリがあります。
それらを否定するのではなく、自分の環境や状況によって使いこなすことが、作業をはかどらせるコツです。
気合いや根性だけに頼らず、仕組みから見直したい人にぴったりな本です。
◎固定観念にとらわれている人
「読むとはこういうもの」「書くならこうあるべき」といった思い込みに縛られている人にも、この本は新しい視点をくれるはずです。
特に印象的なのは、「観る技術」の章で、映画を観ながら眠ってしまうことを、「素晴らしい映画体験だ」「映画は常に真剣勝負で観なければならない、なんて誰が決めたのでしょう」と書かれているところです。
あ、寝落ちしてしまってもいいんだ、と思ってしまいました。
どうしても映画は最後までしっかり観てこそ「映画を観た」と思いがちですが、途中で寝ても、ぼんやり眺めてても、「観た」でいいんだと言われると、なんだか凝り固まった考えを少し柔らかくほぐしてくれるような感覚があります。
💡心に残ったポイントと読後の変化
◎環境を整えてみた
まずは机周りを整理整頓しました。
いらないものは置かない。必要なものはきちんとジャンルごとに整理して置く。
ストレスになるものはできるだけ減らし、作業に集中できる環境を作ることが大切です。
次に大事なこととして、書く上で、資料を開いておけることもポイントです。
本書でも、読書を支えるツールとして、多種多様なブックストッパーを紹介していました。
そこで思い出したのが、以前資格試験を勉強していたときに使っていた、分厚いテキストを開いたままにできる、ちょっと重めの文鎮を購入していたこと。
久々に取り出して使ったところ、やっぱりいい。やっぱり大事。
書く作業がはかどりました。

◎肯定してくれるから「これでいいんだ」と思えた
本書は、「こうでなければならない」と決めつけず、さまざまなやり方を肯定してくれるので、読んでいて安心感があります。
それだけ自分の考えが凝り固まっていたのだとわかります。
先述の映画の件もそうですが、他にも例えば、
メモを取ることについては、手帳でもスマホでもいい、整った文章を意識しなくていい、乱雑でいい。
日記をつけることについては、生真面目に毎日つけるのではなく、ゆるくつけていい。
観るデバイスについては、作品にあわせてスマホでもタブレットでもテレビでもなんでもいい。デスクで観ても寝転んで観てもいい。
生成AIに協力してもらっていい。
などなど。
なんでも肯定してくれていたので、
これでいいんだ、間違ってないんだ、いけないことじゃないんだと
うれしくなりました。
◎やる気が出た
本の探し方や深く読む方法、文章の書き方、映像作品の見方など、知識として改めて確認できたことや、新しく知ったことで、やる気が出ました。
迷っていたことやわからなかったことがクリアになって、この先どんなふうに読み、観て、書いていけばいいのか、その進め方が少しずつ見えてきた気がします。
なんとなく立ち止まっていた気持ちでしたが、すぐに何かが大きく変わるわけではなくても、まずはできるところから試してみようと思えたことが大きな収穫でした。
☀️まとめ
私自身、本を読むことと文章を書くことをつなげたいと思っていたので、「書評を書く」のパートはとても参考になりました。
「こうしなければいけない」という決まりはないのでしょうけど、今まで手探りでやってきたので、本書はひとつの指針となってくれる心強い一冊となりました。
なんとなく読んでいた本も、
なんとなく観ていた映像も、
なんとなく書いていた文章も、
環境や取り組み方で、もっと深い知的活動にできるんですね。
📚『観る技術、読む技術、書く技術。/北村匡平』はこちらからチェック👇

最後までお読みいただきありがとうございました。
✨苔つむぎ
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