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「どこから光を当てたら良いか」分かるようになる、ライティングの話。


まずはこちらを見てほしいです。

同じ立ち絵に、異なる明暗を作画しています。
平たく言うと影の位置が違うだけなのですが…
キャラクターの心情を読み取ろうとすると、
左の立ち絵は「希望に向かっている明るさ」
右の立ち絵は「心を痛めている憂鬱さ」

という風に見えてきませんか?

絵の中に登場する要素次第で、絵の印象は大きく変わります。
そして光も、絵の中に登場する1つの大事な要素です。

光をどう当てるかだけで、絵の印象を大きく変えることができます。



ポジティブな明暗。ネガティブな明暗。


分かりやすいように、
ポジティブなライティングとネガティブなライティングの
2つに分けて考えてみます。

主役が見ている方向や、体の向きに対して、
前から光が当たっているとポジティブな印象に、
後ろから光が当たっているとネガティブな印象に
なりやすいです。

斜め上からの光は自然な印象をもたらしてくれるので、
日常のワンシーンを明るく描きたい場合は、
「光源は斜め上から、そして人物がそちらを見ている」
のように組むと良いかなと思います。


ハーフシャドウとかって言われています。

楽しそうなら上を明るく。辛そうなら下を明るく。
という風に描くのがオススメです。

モチーフの明暗分布が極端な時、
暗いほうから明るいほうへ流れができます。
この場合の「流れ」は、画面を支配するような強い流れではなく、
モチーフ自体の印象を決める要素の一つ…という程度です。



やっぱり上が明るいとポジティブな印象に、
下が明るいとネガティブな印象に。

大抵のシチュエーションにおいて、
太陽が直上に来ることはあまりありません。
そして、光源が下にあることも稀です。
転じて、ほんのりと非日常感、幻想的な印象を作りやすいです。
レアな状況は非日常感を演出しやすいですね。

また、このライティングは多くの場合、
光源が人為的、人工的なものになることが多いので、
太陽光ほどパワフルに照らしてくれない事もしばしば。
明部をグラデーション気味に作画してあげる
光源が強すぎない様子になり、印象が良くなりやすいです。

グラデーションが強く効いた光は、幻想的な印象を強めてくれるので、
ライティング自体の効果とも相性が良いです。



正面から照らすとき、
明るいポジティブ…というよりも
自信がある感じや、風格、余裕そうな印象が近いかもしれません。
真後ろから照らすと、文字通り陰のある印象に。

真正面か、真後ろに光源が来る都合上、
明暗のバランスが左右対称になりやすいです。
なので個人的には、シンメトリー性の高い作品に向いていると思います。



以上!
ライティングとポジティブ、ネガティブの関係でした。
ただ、これはあくまで演出の一部なので、
作品のテーマとライティングは
必ずしも合っていなければいけないものではありません。

リアルな描写をしようとする時など、どうしても合わせられない時だって
ありますし…。
迷ったら合わせてみる!ぐらいでも良いのかなって思います。


使いやすいライティング。

・ななめ上から
とくに理由がなければ斜め上から光を落とすことをお勧めします。
ライティング自体は地味ですが、見慣れている明暗になりやすく、
鑑賞する際に圧倒的にノイズが少ないです。
奇抜なライティングを避けたい時におススメです。

・半分ほど影
明暗の位置関係で印象が変化しますが、
そんなことを無視して使っても良くなりやすいです。
「雑に強い」ってやつですね。迷ったらこれ。

・しぼった光
好きなところに好きに光を落とす。自由度最強。
よくあるのは、目元にライン状の明部を斜めに通すもの。
影の面積が多くなりやすいので、妖しくほの暗い印象に。


どんなライティングが合っているのか分からないときは、
案外総当たりでやっていくのもいいかもしれません。
明暗のラフをザックリ描くだけであれば、慣れれば時間もかからないので
2、3パターンサクッと出してみるのもアリかも。



背景つきのライティング。


自分自身は背景をメインに活動していますが、
ライティングだけを考えたラフをいちいち描くようにしてから
作画が安定したように思えます。
あくまで、個人の体験談ですが。

今でも時折、上図のような明暗のみのラフを描いたりします。

慣れていないと、
作品テーマ、構図、キャラデザ、ポーズ、世界観、ライティング…
こんなのを同時に考えながら描き進めるのは至難の業です。
僕はいまだに混乱することがあります。
そして、ひとつひとつを丁寧に設計しても、
1か所エラーが出ればすべての設計が総崩れ…なんてことも。

ただそれでも、丁寧に設計をし続けることによって、
エラーを減らし、エラーが起きた時の対応も上達します。

情報量が多い作品に挑む際は、
根気強く丁寧に!
を心掛けたいですね。



まとめ。


作品に登場するモチーフには、それぞれ印象があります。
色とりどりな花が登場すれば、華やかで明るい印象に。
ガイコツやドクロマークがいっぱいだと、おっかない印象に…。

仮に「光」というものをモチーフと捉えた場合、
希望や未来を感じさせる、前向きなモチーフです。
(ギラギラネオンとかだと話は変わってきますが…)
そして人物が、その前向きなモチーフに照らされているのか、
はたまた目を背けているのかでは
作品の持つ意味合いが大きく変わっていきます。


また、明るい絵なんだけどライティングはネガティブ…
と、逆の要素を合わせるのも1つの手段です。
例えば…
・日の当たる花畑で少女が笑っている絵(ポジティブ)
・顔に影が落ちるライティング(ネガティブ)
という様子を想像してみてください。

なんとなく含みのあるような、
実は少女が辛い部分を隠して笑っているような、
そんな気がしてきませんか?

逆の要素であっても上手くかけ合わせることで、
複雑な心理を表現することができるため、絵に深みが出ます。

いろんな組み合わせをしていく中で、
自分の作家性に合った素敵なライティングに出会えるかも。
今回は以上です。
ご覧いただき誠にありがとうございます。



池上

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