山本鼎『ブルトンヌ』
こんにちは。古希画廊です。
このページをご覧いただき、ありがとうございます。
古希画廊では、パブリックドメインとなった名画を一枚一枚丁寧に修復し、「今、飾りたくなる一枚」として楽しんでいただけるよう、デジタル作品として制作しています。
これまでは自社サイトを中心に作品をご紹介してきましたが、「もっと気軽に名画と出会える場所があってもいいのでは?」と思い、この度noteでも作品を販売することにしました。
こちらでは、修復による変化が分かりやすい版画を中心に、A4サイズ限定で、気軽に楽しんでいただける作品をお届けしていきます。
一枚の絵にも、それぞれの物語があります。
「こんな作品があったんだ」
「この画家のことをもっと知りたくなった」
そんな小さな出会いのきっかけになれば、とても嬉しく思います。

■『ブルトンヌ』の見どころ
なぜ、最初の1作に山本鼎の『ブルトンヌ』を選んだのか?
今回、古希画廊がnoteでお届けする第1弾として選んだのは、山本鼎(やまもと かなえ)の木版画『ブルトンヌ』です。
今から100年以上前の明治末から大正期、日本の版画は大きな変化の時代を迎えていました。
それまでの木版画は、絵師・彫師・摺師がそれぞれの専門を担う分業によって作られるのが一般的でした。
そんな中で山本鼎は、画家自身が描くだけでなく、彫り、摺るところまで自ら手掛ける「創作版画」を提唱しました。
版画を単なる複製や印刷のための技術ではなく、画家自身の表現を直接刻み込む芸術として捉え直していったのです。
山本鼎は、石井柏亭や森田恒友らと文芸・美術雑誌『方寸』を創刊し、創作版画の発展に関わりました。
その後、ヨーロッパへ渡った鼎は、1913年の夏にフランスのブルターニュ地方を訪れます。
そこで目にしたのが、民族衣装をまとったブルターニュの女性でした。
「ブルトンヌ」とは、フランスのブルターニュ地方の女性を意味します。
帰国後、スケッチをもとに何度も下絵や版を改めながら制作されたのが、この『ブルトンヌ』です。
完成したのは1920年(大正9年)。
背景には、スケッチ段階では描かれていた人物や岬などがありましたが、それらを大胆に省略し、水平線だけを残して画面をシンプルに構成しています。
余分なものを削ぎ落とすことで、ブルターニュの女性そのものが画面の中で大きく存在感を持つ作品になっています。
山本鼎にとって、この作品は創作版画という表現を深めていく過程で生まれた重要な一枚です。
そして、この作品を最後に、鼎は版画制作から次第に離れ、児童自由画教育や農民美術など、より広い美術教育・美術運動へと活動の軸を移していきます。
そう考えると、『ブルトンヌ』は単に美しい一枚の木版画というだけではありません。
日本の版画が「複製するもの」から「自分自身の表現を刻むもの」へと変わっていった、その大きな流れの中にある一枚なのです。
■なぜ古希画廊が『ブルトンヌ』を選んだのか
今回この作品を選んだのには、もう一つ理由があります。
長い年月を経た版画には、汚れや色あせ、細かな傷などが残っていることがあります。
古希画廊では、そうした部分を一つひとつ確認しながら、作品の雰囲気を損なわないように修復しています。
「古いから仕方がない」とそのままにするのではなく、
「この作品が生まれたときは、どんな姿だったのだろう?」
そんなことを考えながら、できるだけ元の魅力に近づけていきます。
今回の『ブルトンヌ』も、修復前と修復後を見比べていただくと、その違いを感じていただけると思います。

■修正作業
●色調を少し鮮やかにしました
●不要なゴミやシミ等を修正しました
●バックを白にした後に和紙の質感が有る画像を載せました
■これからの古希画廊
今後、noteでは山本鼎をはじめ、『方寸』や『月映』などに関わった創作版画の作家たち、そして竹久夢二など、この時代に活躍した芸術家の作品を少しずつご紹介していく予定です。
調べてみると、明治末から大正、そして昭和初期にかけての日本の版画界は、本当に面白い時代でした。
画家だけではなく、詩人や文学者、デザイナーなど、さまざまな分野の人たちが交流しながら、新しい表現を生み出していきました。
一枚の版画を入口にして、
「この人は誰だったんだろう?」
「この作品は、どんな時代に生まれたんだろう?」
そんなところまで楽しんでいただけたらと思っています。
(お部屋でのディスプレイ・完成イメージ画像)
■A4印刷用データについて
以下の有料エリアをご購入いただくと、**A4印刷用の透かしのない高画質データ(JPG)**をダウンロードできます。
ご自宅でのプリントはもちろん、コンビニのマルチコピー機を利用して、気軽にお楽しみいただくこともできます。
お気に入りの額縁やVカットマットと組み合わせて、ぜひお部屋に飾ってみてください。
■プリント方法(コンビニプリント)
パソコンをご利用の方
ダウンロードした画像をUSBメモリーなどに保存し、コンビニエンスストアのマルチコピー機でプリントしてください。
スマートフォンをご利用の方
ダウンロードした画像は、iPhoneの場合は「ファイル」などに保存されます。
その後、利用するコンビニが提供している専用アプリを使って、画像を登録し、マルチコピー機でプリントしてください。
例えばセブン-イレブンの場合は、「マルチコピー」アプリから画像を登録してプリントすることができます。
A4サイズで印刷する場合は、「写真プリント」ではなく「普通紙プリント」を選択してください。
※コンビニによって操作方法やアプリが異なります。詳しい操作方法は、各コンビニの案内をご確認ください。
※ご家庭でプリントされる場合は、お使いのプリンターのマニュアルに従って印刷してください。
■参考動画(セブン-イレブンの場合)
セブン-イレブンのマルチコピー機を利用したプリント方法については、以下の動画も参考にしてください。
ここから先は
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
