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〈研究資料〉中御門逆修の地蔵菩薩像(國華1552号要旨) 

奥健夫

 本誌1544号で山口隆介氏により紹介された奈良圓照寺地蔵菩薩像の関連資料として、圓照寺像と同じく中世に奈良の街中で行われていた恒例仏事「中御門逆修」で造立された康安二年(1362)康成・円賢作の兵庫随願寺地蔵菩薩像を紹介する。同像頭部背面銘には「中御門逆修本尊」の記および大仏師法眼康成、子伊賀□円賢の名と康安二年三月八日の日付が記される。三月八日は逆修の始行日で、おそらく造像も同日に開始され、結願日である同十五日までの八日間で造られたとみられる。作風より康成作とみられる建武元年(1334)の奈良観音寺十一面観音像は、納入品の「一日仏奉加」云々の記より興福寺内で盛んに造られた一日造立仏の一例に数えられ、康俊・康成父子が「如法」の造仏(厳密に作法通りに行う造仏)の南都における中世的展開である中御門逆修仏と一日造立仏をともに手がけた作家であったことをうかがわせる。なお併せて康俊の手になる中御門逆修仏である可能性の高い像として納入品に三月十五日の日付がある永仁七年(1299)の兵庫観音寺地蔵菩薩像に言及する。


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