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momoro66
保育者になって30年、母乳育ちを見抜けたことは一度もない
子どもが生まれると、
世の中は急にミッションだらけになる。
母乳がいい。
手作り離乳食がいい。
テレビは見せない方がいい。
絵本は毎日。
早寝早起き。
褒めましょう。
抱きしめましょう。
私もやった。
母乳も出た。
離乳食も作った。
絵本も読んだ。
褒めた。
抱きしめた。
なのに娘は、
幼稚園に行きたくないと毎朝泣いた。
息子は、
スーパーでひっくり返った。
なぜだ。
育児本によると、
そういう未来ではなかったはずである。
そして、
保育者になって30年以上が過ぎた。
何百人もの子どもを見てきた。
でも今でも、
分からない。
本当に分からない。
長年見てるけど、
「あの子は母乳育ちだな」
と思ったことは一度もない。
「なるほど、手作り離乳食の成果ですね」
と思ったこともない。
母乳の子も鼻水を垂らす。
ミルクの子も元気に走り回る。
手作り離乳食の子も好き嫌いをする。
もう何が何だか分からない。
保育者になって30年。
今のところ分かったことは一つだけだ。
頑張った分だけ結果が出るなら、
育児はもっと簡単だった。
ということである。
もちろん、
母乳もいい。
手作りもいい。
絵本もいい。
でも、
それで親の価値まで決まるわけではない。
私が本当にすごいと思うのは、
夜中3時に起きた人だ。
吐き戻しを浴びた人だ。
初めてトイレでおしっこができただけで
感動した人だ。
そして、
「もう無理」
と言った翌日に、
なぜかまた普通に育児を始めた人。
育児の正解は、
たぶん思っているほど多くない。
子どもが生きている。
親も生きている。
今日は少し笑えた。
その時点で十分だと思う。
たぶん育児界は、
もっと早くそのことを教えてくれてもいい。
母乳の前に。
離乳食の前に。
知育玩具の前に。
早期教育の前に。
まずは親を寝かせよう。
話はそれからだ。
