クリスマスの朝、息子が泣き叫んだ理由
信じていたサンタさんから、届いたものは…
クリスマスの朝、息子は泣き叫んだ。
それは、サンタさんに裏切られた朝だった。
息子は、クリスマスと誕生日が近い。
誕生日に欲しかったおもちゃをもらっていたから、
クリスマスに「これが欲しい」という気持ちが、なかなか定まらなかった。
それでも、ずっと考えて、
クリスマスイブの夜になって、ようやく決まった。
「これ、サンタさんにお願いする」
ワクワクしながら布団に入り、
何度も目を閉じては開いて、
ようやく眠りについた夜。
——でも、朝。
枕元にあったプレゼントは、
息子が思い描いていたものとは違っていた。
泣き叫び、
悔しさと悲しさが一気に溢れ出す。
その姿を見たとき、
胸の奥が、ぎゅっとなった。
ああ、私も同じ気持ちを知っている
その瞬間、ふと思い出した。
私にも、同じような記憶があることを。
小さい頃、
ずっと欲しかったマウンテンバイク。
何日も前からお願いしていたのに、
クリスマスにもらったのは——
「大切な人にプレゼントを包んでね」とメッセージがついた、ラッピングセットだった。
欲しかったものと、
まったく違うもの。
あのときの、
言葉にならないショックと、
胸の奥が静かに冷えていく感じ。
「なんで…?」
声に出せなかった、あの気持ちを、
今も覚えている。
サンタさんだけは、希望の存在であってほしい
サンタさんは、
親とは違う存在だ。
わがままを言っても、
現実的な理由を返してこない。
ただ、
「信じて待つ人」のもとに、
希望を届けてくれる存在。
だからこそ、
サンタさんだけは、
“裏切らない人”であってほしい。
息子が信じていたのは、
おもちゃ以上に、
「ちゃんと願いを見てくれている」という安心だったのかもしれない。
迷ったけれど、選んだこと
普段なら、
泣いても、駄々をこねても、
すぐに買い与えることはしない。
でも、この日は違った。
前借りのお年玉という形で、
一緒におもちゃを買いに行くことにした。
それが正解だったかどうかは、
正直、わからない。
でも、
息子の心に残ってほしかったのは、
「世界は残酷だ」じゃなくて、
「大人は、気持ちをちゃんと見てくれる」という記憶だった。
今日の、やさしい余韻
信じていたものに、
がっかりする瞬間は、
誰にでも訪れる。
でもそのとき、
そばにいる大人が
どんな選択をするかで、
世界の見え方は、少し変わるのかもしれない。
サンタさんを信じた、あの夜も。
泣いてしまった、あの朝も。
きっと、
息子の中で、
大切な一日として残っていく。
そう信じたいと思った、
今年のクリスマスでした。
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