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年齢を重ねることは、好きなものを手放すことじゃない

最近、メイクをするのが少し面倒になっている自分がいる。

20代の頃は、あんなに楽しかったはずなのに。 新しいアイシャドウを見つけては心が躍って、雑誌をめくりながら「次はどんな色を試そうか」と考えていた。

あの頃の私は、コスメやファッションが本当に大好きだった。

でも、今の化粧ポーチの中を見渡すと、いつものアイシャドウパレット、いつものリップ、いつものマスカラ。気づけばもう5年くらい、同じ顔ぶれかもしれない。

もちろん、どれも気に入っている。 自分に似合うことも知っているし、失敗も少ない。 でも、どこか新鮮さがなくなっている気もする。

近くにデパコスを試せるお店があったらなぁ、と思うことがある。 実際に色をのせてみないと、自分の顔でどんな風に見えるかわからない。だからネットではあまり買わないようにしている。そんなこともあって、気づけばいつものメンバーに落ち着いてしまうのだ。

時々、「もし今20代だったら?」という問いを心の中でしてみる。

なぜか思い浮かぶのは、27歳くらいの自分だ。 コスメやファッションに夢中で、新しいものに触れるだけでわくわくしていた頃。振り返ると、その頃はそれしか興味がないと言ってもいいくらい、ただ純粋に好きだった。

もちろん、あの頃に戻りたいわけじゃない。 今の自分には今の良さがあるし、年齢を重ねたからこそ見える景色もある。

でも、ふと思う。 今の私だって、もっと心が躍ってもいいんじゃないかなって。

いつからだろう。 似合うものを選ぶようになったのは。 失敗しないものを選ぶようになったのは。 安心できるものばかり、手に取るようになったのは。

それは「大人になったから」なのかもしれない。

でも本当は、少しくらい冒険したっていい。 似合うかどうかわからない色を選んでもいい。

誰かに褒められるためじゃなくて、自分の心が少し弾むために。

最近よく考える。 私が欲しいのは、新しいコスメそのものじゃないのかもしれない。

「これ好きかも」 そんな気持ち。

「試してみたいな」 そんなときめき。

年齢を重ねることは、好きなものを手放していくことじゃない。 むしろ、本当に好きなものを「選び直していくこと」なのかもしれない。

だから今度、新しい色のコスメを買ってみようと思う。

似合うかどうかは、そのあと考えればいい。 今の私の心が少しでも動いたなら、その気持ちを置いていきたくないから。

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