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女一人で人生初の二郎系ラーメンに挑んだ日。

少し前から、「二郎系ラーメン」というものが気になっていた。
私の好きな女優さんがYouTubeの動画で二郎系ラーメンを食べていたからだ。

私の中でラーメンとは「美味しいけどなんとなく食べる習慣なくて(インスタント含め)たま~~~~~~~にしか食べない」くらいの位置づけだ。さらに、ラーメンの知識はつい最近まで「家系」と「二郎系」の違いもわからなかったくらいに乏しい。
ただ、今日はなんだか身体がジャンキーを欲していたのだ。

二郎系ラーメンは量が多いということはうっすら聞いていた。しかし、動画ではスリムな女優さんでも「全マシ」を完食したうえでまだ少し余裕があると言っていたのでまぁ私もいけるでしょうくらいに考えていた。

とりあえずネットで近所の二郎系のラーメン屋を調べ、一番上に出てきたお店へ。
初めてにつき食べ終わるまでにどれくらいかかるかわからないし、もし時間がかかると迷惑になりそうなのでできるだけ空いてそうな時間帯を狙った。

二郎系では必須とされる「コール」なるもの(「ニンニク入れますか?」の一言でニンニクの量、ヤサイの量、アブラの量を一挙に指定しなきゃいけないやつ。)に怯えていたが、私の行ったお店はコールを全て食券で完了できるタイプでとても助かった。

私が頼んだのは「ニンニク普通、ヤサイマシ、アブラ少なめ」。
ニンニクの量は、初めての二郎系ラーメンということで一旦オーソドックスに。
そして私の消化器官は大量の脂(特に豚)に対応していないこともあり、アブラは少なめにしつつ、それでももたれそうなアブラの量をヤサイに救ってもらう作戦だった。

テーブルにはセルフサービスの水とエプロンを用意し、待つこと数分。
ついに着丼!!!!、、、、、!?!?!?!?
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

動画で見た「ヤサイマシ」より遥かに多い。

うーーーーーーーわやべーーーーーーーーーー。
私は頭を抱えた。とんでもないところに来てしまった。

「ヤサイマシ」とはいえ、せいぜいこの半分くらいだろうと思っていた。こんなの、麺とスープを抜かしても丼が埋まるじゃないか。
私の胃を救ってくれるはずだったヤサイが、やがて大きな試練として立ちはだかることが確定した。

しかし、動揺している暇はない。
オロオロしている間にも、麺は着々とスープを吸って体積を増していくのだ。

私はとりあえず、麺がこれ以上スープを吸収するのを可能な限り阻止しなければならなかった。ここから先はもはや発掘作業だった。

取り急ぎ麺をヤサイの上に避難させようとするが、ヤサイが多すぎてどれだけ掘り進めても麺に到達しない。やっと見つけた麺さえ、ヤサイの重みでビクともしない。

私は観念した。
そして私は、ヤサイを減らしつつ順次麺をヤサイの上に引き上げながら優先的に食べ進めること、お腹に溜まりそうな水は食べ終わりまで禁止すること、自分で頼んだからには絶対に完食することを強く決意した。

食べ進めるうちにわかったことは、とにかく熱い、暑い。
麺とスープが熱々で否応なしに猫舌が発動することと、とにかく汗が出ることだった。

しかし、どんなに熱くても躊躇している暇はない。
私は、脳がこの異常な食事量を自覚する前にラーメンを食べきらなければならない。(もはや部活か相撲部屋だ。)

ここで怖いのは、大量のヤサイに覆いつくされ、麺があとどれくらい残っているのかわからないことだ。
実際、食べても食べても麺は続々と発掘された。先のわからない恐怖に飲まれながらも、都度振り払って黙々と食べ進めていく。もう汗でメイクも髪もぐちゃぐちゃだが、そんなことに構ってはいられない(誰かと一緒に来なくて本当に良かった)。

ひたすら食べ進めること多分10分くらい。やっと麺に終わりが見えてきた。でも、次に待ち受けているのは麺と同じくらいある(もしかすると麺より多い)ヤサイだった。

「ヤサイ」はもやしとキャベツなので麺ほどスープを吸わなそうとはいえ、脳が満腹感を感じ始めるまでには確実にタイムリミットがある。シャキシャキのもやしを悠長に咀嚼していては終わるということをひしひしと感じる。

ここからはもう無心で食べ進めたいところだが、やっぱり熱い。暑い。
ここで初めて時間を確認しようとズボンのポケットからスマホを取り出すと、画面が結露みたいな水滴で覆われている。どんだけ汗をかいているんだ私は。

ヤサイを食べ進めること多分10分くらい、私はついにヤサイを食べ切り、胃もたれ対策で最後に取っておいていたチャーシューを食べた。
ついに完食!!!!!!!

さすがに生活が終わるのでスープは飲まない。

食べ始めから約20分。やりきった。
(自分で頼んだんだから当たり前かもしれないけど)えらい、えらいぞ私。

私はここでようやく我慢していた勝利の水をごくごくと飲み干した。
爽快感。
猫舌のくせに熱々の麺やスープにひたすら耐えたことがここでようやく報われた。

我ながらよく全部食べた。ほんとに。
私の胃のキャパシティーが世の女性の平均より少しだけ大きくて助かった。

えげつない満腹感は、完食から10分ほど経った頃、家に向かって歩いているときにズドンと来た。
食べ切ることに必死過ぎて正直味を感じている余裕はなかったが、とにかくお口がガーリックなのでニンニクの味がしたことだけは覚えている。(明日は知り合い主催のBBQ会に参加する予定があるので、肉の焼ける匂いでニンニク臭がかき消されることを祈る。)

なんだか胃が痛いような気がすることと、今回一食で摂取したカロリーのことは考えないでおこう。そう心に決めた休日だった。

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