小説|コーヒーは夜に見えるか
コーヒーショップ。「暗く見える。夜みたい」と少年は不安そうです。カップのコーヒーに映る少年は、幼い頃のあなたでした。黒い水面からあなたに語りかけてきます。「大人ってつまらなそう」
あなたは静かに少年の話を聞きました。大人になると、みんな走れなくなる。もし楽しいことが待っているなら、歩いてなんていられないはずなのにさ。大人になったら、いろいろなことができなくなる。
お洋服が汚れるのを気にして滑り台だって滑れないし、木にも登れない。お仕事ばっかりであんまり遊べないし、鉄棒もできない。え、逆上がりならできる? 本当かな? とにかく、つまらなそう。子どもでいたい。
「もう帰るね。暗いから」と少年はコーヒーに映る電灯の光へ走って消えます。夜みたい。彼の言葉に苦笑します。大人だから飲める夜を味わい、もうひと仕事。少年たちの毎日と、その未来を照らすために。
EATALK MASKさんがマスクケースを制作してくださいました!
記事のヘッダー画像もEATALK MASKさんのすてきな絵をお借りしました。
ショートショート No.92
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牛乳を買って金曜よるに一杯やります。