ラスボスが、まさかのデレw 【わさび家のラスボス】
*私の義母は、私より一歳年上。
年齢差は一歳なのに、毎日振り回されています。
これは、そんな義母との実話です。
今日は大掃除最終日。
長かった💦
辛かった(笑)。
でも、やっと今日で終わる。
そう思いながら、勢いよくラストに残していたお風呂場へ向かった。
お風呂場は、義母のシャンプーやらシャンプーやら、シャンプーでいっぱいなのである。
……まぁ、それは冗談なのだが(笑)。
でも、物が多いのは本当だ。
それらを一本一本どかすところから、掃除が始まる。
ところが、今日の義母はやる気がないらしい。
茶の間で静かに潜んでいる。
どうしたものか……。
まぁいい。
今日は一人でやれる。
気が楽だった(笑)。
掃除ははかどる。
嫌味もないし、文句も言われない。
最高だ(笑)。
私はお風呂掃除をするとき、脱衣所の引き戸を閉めることにしている。
なぜかというと、猫たちが外から一直線に私のところへやって来て、
せっかく掃除した場所を歩き回るからだ。
もちろん、猫に悪気はない。
でも、掃除したばかりの場所を汚されるのは、ちょっと不本意である。
だから引き戸を閉める。
それに、義母の顔をいちいち見なくて済む。
一石二鳥とは、まさにこのこと(笑)。
悠々自適に掃除をしていると、その引き戸が……
ガラガラ……
ガーン😨
「きたっ!!」
私は思わず身構えた。
スポンジを武器のように前へ突き出し、完全に戦闘態勢である。
「え? どうしたの?」
驚く義母。
「あ! ごめん、ごめん💦」
あまりの恐ろしさと突然の出来事に、
反射的にスポンジを構えてしまったのだ(笑)。
参った。
やってしまった。
冷や汗ものである。
ばれたか……。
いつも心の中で戦闘していることが、ばれたか……?
すると義母が言った。
「ありがとね。大変でしょ、私のものをどかすの。」
……ん?
一瞬、天地がひっくり返ったかと思った(笑)。
聞き間違いか?
「…………」
さらに義母が続ける。
「何か飲む?」
心の中は、
「えーーーーーーーーーー!!」
私は一瞬、本当に気を失いかけた。
(え……今の誰?)
目の前にいるのは、間違いなく義母である。
でも、今しゃべっている人は、私が知っている義母ではない。
頭の中が完全にフリーズした。
「えっ……あ、ありがとうございます💦」
気づけば、敬語になっていた(笑)。
すると義母は、家の裏にある自動販売機まで行き、
ジュースを買ってきてくれた。
「暑いから、ちゃんと休みながらやりなね。」
そう言って、私にジュースを差し出した。
……どうした?
熱でもあるのか?
いや、私が熱中症で幻覚を見ているのか?
あまりにも現実離れした光景に、思わず義母の額を見てしまった。
熱は……なさそうだ。
私はそっと視線を戻した。
下手に刺激してはいけない。
今は、この奇跡の時間を壊してはいけないのだ。
そう自分に言い聞かせながら、ジュースを一口飲む。
……うまい。
いつものジュースなのに、
今日は高級ホテルのウェルカムドリンクくらい美味しく感じる。
人って、心が穏やかだと、味覚まで変わるんだなぁ……。
そう思いながら、私は再び掃除を始めた。
……しかし。
私は知っている。
21年一緒に暮らしてきた勘が告げている。
ラスボスが、こんなにあっさりデレるはずがない。
これは何かある。
絶対に、何かある。
私はスポンジを握りしめながら、静かに警戒レベルを上げたのだった。
つづく……
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