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元エンジニア税理士の開業日記#3 子どもに伝える“お金の話”と、学び直す大人の話

3月の間、バタバタしておりましたので、久々の更新になります。

ようやく4月になり、手元の余裕ができてきた一方で、新しい取り組みも始めることにしましたので、そのご報告を兼ねての記事となります。


1.うちでのとある出来事


「”ぜいきん”って知ってるで」

最近小学3年生の子供から突然こんな事言われ、
!?ってなりました。
税金の事、知ってるのか。

聞いてみると学校の授業でやっていたという事でした。
日常会話の中で、パパの仕事って何?→税理士っていう仕事をやってる、
というくだりがあったのは、
ひょっとしてこういう伏線があったからなのかも。

実はその直前に税理士会から租税教育担当者募集の
案内が来ていたので、手を挙げたところでした。

小中高(主に小学校)でやっている、あの税金の授業ですね。


開業日記1回目でも触れていましたが、これからやっていきたい事の一つとして、金融・租税教育を挙げていました。


本来であれば、授業は所属している税理士会の
支部の範囲内だけで担当するものなんですが、
正直、回ってくるチャンスがいつあるか分からないです。

なので、私は大阪全域と、兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山の、いわゆる近畿圏で「行ける範囲ならどこでもOKです」という形で申請を出しました。
4月からその登録がされる予定です。


2.租税教室の流れ


ところで、こういう“学校での税の授業”って、
どうやって実現しているかご存じでしょうか。

自分も今回関わるまでは詳しく知らなかったのですが、
実はこんな流れになっていました。

①税務署へ申し込み
まず、学校やPTAなどの教育団体が、「租税教室を実施したい」と所轄の税務署に申し込みを出します。
それを受けて、税務署内で「自分たち(職員)が授業を担当するか、それとも外部にお願いするか」を判断します。

②外部に依頼する場合
この時に税理士会に照会がいきます。
そして、税理士会の中でも各支部単位で、派遣できる講師の調整が行われる、という仕組みです。

③授業までに
事前に学校に訪問して打ち合わせを実施。内容のすり合わせ、設備の確認、など。

こうして授業当日を迎えるまでには、思ったより多くの段取りが組まれていきます。


3.“税金の授業”と“お金の授業”は何が違うのか?


実際に小学校などで行われている租税教室では、
税というテーマはやや難しい面があります。

税を紐解くと、抽象的な概念や歴史の話(ex.シャウプ勧告)が多く、
それだけでは興味を引くことができないため、

授業では「税金はどこに使われているのか」という話や、
身近な公共施設・サービス(公園、消防、学校など)と税金とのつながりを中心に伝えるケースが多いようです。

また、税の基本的な考え方として「公平」と「公正」の違いに触れます。
“みんなが同じ額を払う”のが「公平」、
“支払能力に応じて負担する”のが「公正」ですね。

このあたりの話は、子どもたちにとっても考えるきっかけになりやすく、
印象に残りやすい部分でもあります。

ただ、それでも限られた時間の中では、「なんとなく聞いた」「なんとなくわかった」で終わってしまう可能性もあるのが現実です。
だからこそ、講師側の“伝え方の工夫”や“問いの立て方”がとても大事になってくると感じています。(ここは場数の問題なのでややプレッシャーです)


こうした背景もあって、
租税教室は“税金の仕組みを知る場”にはなっていても、
“お金そのものを知る場”にはなりづらいところがあります。

逆に、金融教育の分野では「投資」や「資産形成」など、
どうしてもキャッチーなトピックに寄りやすくなる傾向があります。

もちろんそれ自体は必要なことですが、それだけで終わってしまうと、
「そもそも働いて稼ぐとは何か」「なぜお金を納めるのか」
といった根っこの部分も置き去りになっています。

自分が本当に伝えたいと思っているのは、
“生きていくためのお金の話”です。

・お金はどうやって得られるのか(=働くということ)
・その得る力をどのように上げていくか(=生産性の向上)
・社会の一員として、どんなお金を支払う必要があるのか(=税・保険・年金)
・そのお金をどのように活かすべきか(=運用等)
・お金の話を知ることで得る気付きや注意力など

こういった話を、
(できるか分かりませんが)できるだけシンプルな言葉で、
総合的に伝えていきたいという思いがあります。

子どもたちにとっても、大人になったときに
「あの授業、意外と大事なこと言ってたな」と思い出せるような、
そんな“お金と社会の入口”になる話ができればと思っています。


4.「伝える力」を磨くために、さらに学び直している話


こうして“お金の話”をどう伝えていくかを考えているうちに、
自分でもさらに知識を積み重ねていく必要があると感じるようになりました。

税理士として日々の業務に携わる中で、
お金に関する知識や制度には当然触れていますが、
それを相手の立場に合わせて、分かりやすく、伝わる形で届けるには、
より広い視点が必要だと感じる場面も少なくありません。

そんな背景もあり、独立直後にはAFP(ファイナンシャル・プランナーの中位資格、という表現をしちゃっていいのでしょうか)を取得し、
現在はその上位資格であるCFPの取得に向けて講義を受講しています。

CFPのカリキュラムでは、税だけでなく、
保険・年金・投資・相続・不動産など、
お金にまつわるあらゆるテーマを総合的に切り口やや深めに学びます。
(税理士試験で相続税法と所得税法をパスしているので、そのへんはバッチこいです)
租税教室の内容と直接結びつく部分ばかりではないものの、
お金を“生活の中のしくみ”としてとらえる感覚が、より磨かれていく実感があります。

またもう一つ、個人的な理由として、
これまでの経験や背景を活かして、自分にしかできない形で発信や実践をしていきたい、という思いもあります。

以前はメーカーで設計職をしていたこともあり、
そこから税理士となり、今はさらにファイナンシャルプランニングの知識を広げているという流れの中で、
少しずつ、自分なりの立ち位置が見えてきたようにも感じています。

いろいろな経験や視点を掛け合わせながら、
“伝える内容に、ちょっとした味わいがある”存在でありたい。
そのためにも、学び続ける姿勢は大切にしていきたいと思っています。


これから実際にどんな授業になるのか、まだ実践の場に出ていない不安はありながらも自分自身では楽しみにしています。
子どもたちにとって「お金の話って、ちょっと面白いかも」と思えるきっかけになれば、それだけで十分すぎる成果だと思っています。

また授業を終えたら、どんな反応があったのかも、差し支えない範囲でここで書けたらと思います。

それではまた次回。

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