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少年少女よ、1億円の重みはいかに!?

以前の記事でも少し触れていましたが、独立後に取り組みたい活動のひとつとして「金融教育」や「租税教育」を挙げていました。

そして今月、いくつかのセミナーや教育関連の機会をいただいたなかで、特に印象に残ったのが、小学生への“租税教育”でした。

自分の昔の写真を見返すと、「ぜいきん」と書かれた書道の作品があって。小学校の頃にも、きっと税に関する何かを学ぶ機会があったのだと思います。

今回は、税務署からの依頼を受けて実施した租税教室について、
「税理士だからこそ発信できる現場の話」として、授業の様子とあわせてご紹介してみたいと思います。


1.子どもたちの反応(お金が好き!)


最初に、子どもたちの“お金への関心”がどれくらいあるのかを確かめたくて、挨拶のあと、こんな問いかけから授業を始めました。

「お金、好きな人~?」

「はーーーいっ!!」(ほぼ全員)

こっちが思わず笑ってしまうくらい、元気な反応。
お金って、こんなに素直に「好き!」って言えるんだなと、ちょっと新鮮でした。

授業風景(プライバシーの関係からちょっと効果強め)

今回授業を行ったのは、小学6年生150人以上。
大人も見習いたくなるくらい、好奇心旺盛でまっすぐな子たちでした。

小学6年生ともなると、お小遣いやお年玉のような「自由に使えるお金」も少しずつ増えてくる時期。
考えてみれば、お金への興味があるのも自然なことですね。

そんな子どもたちに、今回はどんな授業を届けたのか──
次のパートでご紹介します。


2.税のしくみの授業内容紹介


今回、授業を行った相手が小学6年生だったのには、それなりの理由があります。
この時期の社会の授業では、ちょうど日本国憲法の「納税の義務」を扱っているんですね。

つまり、タイミングとしても内容としても、まさに“税”に触れるベストな時期。
その土台の上に、税理士としてリアルな視点を添える、という位置づけです。

授業では、日本税理士会連合会(日税連)が提供している教材をベースに進めました。
小・中・高それぞれの学年に応じて難易度が調整されていて、今回使った小学校向け資料では、次のようなポイントを軸にしています。

①税は社会インフラ(道路・消防・学校など)を支えるために不可欠な存在
②税の徴収方法には、ある程度の公平性が求められる
③そのルールを決めるのは国会(国会議員)
④国会議員を選ぶのは、私たち有権者
⑤この一連のプロセスそのものが、民主主義のしくみ

──つまり、「税」を切り口にして伝えたかったキーワードは、“公平”“民主主義”です。

制度の名前を覚えることではなく、「自分が社会に参加している感覚」を持つこと。
それこそが、今回の授業で伝えたかったことでもあります。

なお、今回使用した教材は、日税連のWebサイトにも掲載されています。
もしご興味があれば、のぞいてみてください


3.授業後の盛り上がり(1億円レプリカ)


そして、今回の授業でひときわ盛り上がったのが、
1億円(のレプリカ)を授業に持ち込んだことでした。

税務署のご協力のもと、本物のお札と同じ素材で作られた“模擬紙幣”を1万円札10,000枚分(1,000万円札束×10)用意し、アタッシュケースに詰めて登場。
中身はもちろんニセモノですが、重さは約11kg
持ってみるとずっしりとした存在感があり、「1億円って重いんだな…」と実感できるクオリティです。

1億円レプリカ

ケースを開けた瞬間、
「わぁー!」「ホンモノ?」「すげー!」という声があちこちから飛び交い、教室の熱気は一気に上がりました。

授業の最後、「持ってみたい人〜?」と聞いてみると、即座に手が挙がり、アタッシュケースを持つための長蛇の列が30〜40人分できあがりました。

子どもたちの目はキラキラしていて、まさに“お金の重み”を全身で感じ取ろうとしている様子。
持とうとする子に、それを取り囲んで応援する子たち、その姿がなんとも微笑ましく、印象に残りました。

また、「1億円稼いでも、約半分は税金として納めることになる」ことも、税の公平性の話とあわせて伝えています。
お金を得る=社会の一部を担うことなんだという意識を持つ入り口にもなれば、という想いを込めています。

お金の仕組みや意味を伝えるには、まず興味を持ってもらうことが何より大切。
そういった意味でも、遊び心のある仕掛けは教育の現場で非常に有効だと改めて感じました。


4.なぜ自分がこの活動をしているか


なぜ自分が、租税教室のような場に“自ら手を挙げて”関わっているのか──
その理由は、お金の教育は「増やす」「貯める」という金融教育だけでは完結しないと思っているからです。

お金をどう稼ぎ、どこに使い、どれだけ納め、どう社会に回していくのか。
その全体像を“まるごと”理解して初めて、お金と正しく向き合えるようになる。

金融教育と租税教育は、本来別々のものではなく、
「お金の流れをどう捉えるか」という視点でつながっていると私は考えています。

そして、自分が伝えたことが、いつか子どもたちの中で
「社会を支える側に回る」感覚につながってくれたら、それが一番の教育成果だと思っています。

今回の授業でも、
「税理士ってどんなことをしているんですか?」
「税理士ってどれだけ稼ぐんですか?」
と声をかけてくれた子もいました。

ほんのわずかでも、この授業の記憶や感覚が残ってくれたなら、
今回は十分すぎるほどの成果だったのではないかと思います。


5.次回予告?まとめ


今回は、授業の実施報告というかたちで、授業の様子やその背景についてお届けしました。

実は、すでに7月に入ってからの租税教育の準備も進めており、また別の学校での授業を予定しています。

さらに、今後は租税教育にとどまらず、“お金”に関するもっと幅広いテーマでの授業も構想中です。
学校という現場だからこそできる伝え方を、引き続き模索していけたらと思っています。

また進展があれば、何かの形でご報告できればと思います。


※最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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