『牛店雑談 安愚楽鍋』現代語訳出版しました
今回、古文書現代語訳の第5弾として、『牛鍋屋で酔っ払いの盗み聞き『牛店雑談 安愚楽鍋』現代語訳』をAmazonにて電子書籍および紙書籍(ペーパーバック)出版しました。

原作は明治初期の作家仮名垣魯文。この『安愚楽鍋』と同様に人気の高い作品『西洋道中膝栗毛』がありますが、両方とも江戸弁と言われる「べらんめぇ口調による人物のしゃべりが大きな特徴になっています。
というのも、仮名垣魯文は江戸京橋の生まれ。ホームグラウンドを舞台に、
『安愚楽鍋』は牛鍋屋で繰り広げられる酔っ払いの会話を盗み聞きし、それらをおもしろおかしくつづった群像劇なのです。
明治4年当時の「車夫」「茶屋女」「太鼓持ち」「花魁」「落語家」「役者」など、さまざまな職業に就く登場人物が、牛鍋をつつきながら愚痴をぶちまける姿は、なにやら可笑しく可愛く感じられます。
そして時代は文明開化の真っ只中。それまで日本人が食べることのなかった「牛肉」を牛鍋(すき焼き)にして、洋食を堪能できることへのありがたさを実感し、いち早く美味い洋食に目覚めた自分を褒め称え、いまだ洋食を毛嫌いする人を「遅れた者」と言って卑下するこれらの人物。
日本の歴史の大きな変換点にあった時代背景をもとに、庶民がどう生きていたのかがとてもよく描かれた原作は、不安を一切感じさせることなく、ひたすら希望に満ちたものとなっています。
明治維新の解釈の仕方は、学校では教えない正しい歴史がネットや本で語られるようになり、最近はネガティブなものが正とする説のほうが強くなった感があります。開国したはいいけれど、あっという間に国際金融資本に牛耳られた(日本の政治家の上層部が傀儡化した=今とまったく同じ構造!!)というのが真実なのだ、ということです。
そうした実情を覆い隠すように、ただ純粋に西洋風に酔いしれ、牛肉を堪能する・・・。そんな庶民の姿を、優しい目で見つめてみませんか?
古文書というものを感じさせないこの作品。現代語訳もリズム感を重視しましたので、注釈なしでも読み進められるよう、かなり大胆な意訳を敢行しました。ぜひご興味を持たれた方は、お手に取っていただけますと幸いです。
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