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🧵シロちゃんとステッチ

登場人物

🦊 シロちゃん

ぬいぐるみペット専門店「繕 -つくろい-」の看板っ子。
得意なこと

  • 🪡 縫製全般

  • 💡 斜め上をいく創作

  • 🧀 なんでも齧ること(職業病?)

今日も元気いっぱいです。


🧔 店長さん

ぬいぐるみペット専門店「繕 -つくろい-」店長。
シロちゃんの育ての親。
穏やかで優しい性格だけれど、
シロちゃんには少し甘すぎるのが玉にキズ(笑)



🧵 シロちゃんとステッチ — 糸は、引っぱらない

🦊「てんちょー、できたでち」

🧔「お。ランニングステッチやな。見せてみ」

🦊「等間隔でち✨」

🧔「うん。針目はきれいや」

🦊「100点でち?」


🧔「……シロちゃん。これ、ちょっと触ってみ」

🦊「?」

🧔「縫ったところと、縫ってないところ。布の硬さ、同じか?」

🦊「…………」

🧔「どう?」

🦊「縫ったところだけ、ちょっと硬いでち」

🧔「せやろ。糸を引きすぎてる。

🦊「でも、ゆるいと縫えてない気がするでち」

🧔「そこが最初にみんな通るとこやな」

🦊「むぅ」


🧔「刺繍糸はな、布を締めるためにあるんやない。
布の上に、糸を置いていくくらいでええ」

🦊「置く……」

🧔「針を抜いたあと、糸が自然に寝るところで止める。引っぱって整えようとせんこと」

🦊「……もう一回やるでち」

🧔「ほどかんでもええよ。横にもう一本縫って比べよ」


──しばらくして。

🦊「てんちょー」

🧔「ん?」

🦊「ほんとでち」

🧔「違うやろ」

🦊「二本目のほうが、布がふわふわのままでち」

🧔「それ覚えとき。目で見た『きれい』だけやなくて、指で触った感じも縫い目のうちや」


🦊「…………」

🧔「どした?」

🦊「てんちょー、たまにすごいでち」

🧔「たまに?」

🦊「シロちゃん、これ知らなかったでち」

🧔「そら嬉しいな」

🦊「もう一本やるでち」


🧔「今度は針目を少し短くしてみ」

🦊「なんで?」

🧔「カーブを縫うときに分かる」

🦊「……!」

🧔「直線は長い針目でもきれいに見える。でも曲線は、針目が長いとカクカクするやろ?」

🦊「線じゃなくて、小さい直線の集まりだから……」

🧔「そうそう」

🦊「✨」

🧔「そこ気づくんは早いなぁ」

🦊「シロちゃん天才だから」

🧔「はいはい」


🦊「てんちょー」

🧔「はい」

🦊「もっと難しいの教えて」

🧔「ほな次、サテンステッチの糸方向やるか」

🦊「やるでち!」

🧔「これはなぁ、上手い人ほど下準備が長い」

🦊「…………」

🧔「嫌そうな顔すな」

🦊「天才、下準備きらいでち」

🧔「知ってる。せやから教えるんや。


🦊「むぅ…。」

🧔「昔な、俺も引っぱりすぎて布ボコボコにしたんよ」

🦊「てんちょーも?」

🧔「そらするよ。何百回も失敗した」

🦊「……じゃあシロちゃんも失敗していい?」

🧔「そのための練習布や。


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