あとがき
今までの人生で、「小説を書きたい」とも「小説を書こう」とも「小説を書ける」とも思ったことはありませんでした。
あれは2024年の1月。本当に苦しかったあの時、今まで積み上げてきたものが音を立てて崩れ去ってしまったあの時、ふと「小説を書こう」と思い立ちました。それは理由なく、私のもとに降ってきました。
この小説は、私にとって、カタルシスでした。
書くことによって、私は私を一度私の外へと追い出し、物語の中で生き生きと———時に停滞した雰囲気の中で———鼓動させ、そして読むことによって、味わうことによって、私は私を改めて私の中へと迎え入れたのだと思います。
私はこの小説に、救われました。
友利花、直樹、洸太の、不器用ながらも何とか自分自身と向き合おうとする姿に、自分自身の世界を必死に変えようとする姿に、救われました。ありがとう。
そして、筆を取る私を支え続けてくれたある大切な人がいます。その人に届けようとする言葉は、どんなに美しい言葉でさえ、———それが言葉である限り———陳腐に響いてしまいます。
あなたがいなかったら今の私はいません。ただただ、ありがとう。
皆様の中に、友利花、直樹、洸太の魂が、少しでも息づいてくれたなら、これほど嬉しいことはありません。
3人は今も、私たちと共に、この世界のどこかで、本当の自分自身を探すために懸命に生きているのだと思います。
生は時に苦しいけど、でも大丈夫。
3人の生き方は、そう教えてくれている気がします。
紺野莉多
【あらすじと初回話】
