清水・次郎長屋の出汁取り教室で初めて知る出汁の美味しさ
静岡市の清水駅前銀座商店街にある次郎長屋は創業80周年を迎える食料品店。商店街で開かれていたクラフトマーケットに行った時に立ち寄り、金山寺味噌やわかめスープを購入したらとても美味しかった。出汁取り教室を定期的に開いていると知り、参加してみた。
店主の西ヶ谷さんが昆布の話から始める。「青森より北でしか昆布が獲れないのは何ででしょう?」「昆布に穴が開いている理由は?」とクイズを交えながらで楽しい。母がおでんや煮物に昆布を使っているが、私はあまり使ったことがない。こんなに間近で見たり、話を聞いたりするのは初めてだ。

北海道の地域によって獲れる昆布の特徴に違いがあるそう。出汁取り教室のレジュメによると、真昆布は色が出ない、上品な甘味、透明。羅臼昆布は黄色みがかる、濃い。現在は天然昆布が激減し、同じ海で漁師が昆布を育てる養殖、促成が多い。
印象的だったのが、昆布の仕入れも漁師との人対人の関係が大事ということ。西ヶ谷さんも函館の信頼できる漁師の元へ足を運び、検品やサラダ昆布を板状に漉く作業に加わっていた。昆布漁の動画を見せてもらうと、昆布を獲ってすぐに茹でて乾かすという手間がかかっている。
続いて、かつお節削り機の近くに移動。3種類(荒節、雄節、雌節)の削りたてのかつお節を食べ比べる贅沢な時間。フワッとしているが、味は濃厚。ごはんにかけて食べたら美味しいだろうなと想像する。

最後に西ヶ谷さんが煮出した出汁を飲ませていただく。まずは昆布だけの出汁。昆布を水に漬けた鍋を火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す。シンプルながら美味しく、心が満たされる味わいで驚く。かつお節を入れ沸騰してから漉した出汁は、味が力強い感じに変わった。


「顆粒出汁だとのどがつかえる感じがあるけど、それがないでしょう?」と西ヶ谷さん。自然な塩味や甘味があり、味付けはいらないと思えるほどだった。
顆粒出汁は手軽で美味しく、現代人には欠かせないが、昆布やかつお節で出汁を取る文化が途絶えてしまったら寂しい。でも、日常生活に取り入れるには少しハードルが高い。出汁取り教室で昆布やかつお節のこと、出汁の美味しさを知るのも出汁に近付く第一歩だと感じた。
