会話劇「診察室」
病院の診察室。不調だった私は精密検査を受けた。今日はその結果を聞く。医師は検査結果がプリントアウトされた紙を手に私を待っていた。この紙に沿って話が進む。
医師「こんにちは!元気そうですね」
私「元気ないですよ。忙しいですけど」
医師「忙しいのは良いことですよ。元気が一番!元気があればなんでもできる!アントニオ猪木もそう言ってるじゃないですか」
私「アントニオ猪木は亡くなっているから元気じゃないですよ」
医師「そっか、じゃこれはどう?病気でも大丈夫だあ!なんて」
私「ですから志村けんも亡くなっています。(なんで亡くなった人ばかり出すんだこの先生は…)ところで先生、検査結果を教えてください」
医師「あ、そうそう検査結果だよね、どこやったけなあ…これかな?これウチの婆さんのだ。こんなに腰曲がってるわけないものね。骨もスッカスカでさ、せいぜい生きてあと1年…」
私「先生、私の検査結果を聞きたいのですが」
医師「そう焦らずに。結果は変わらないんだから。あったこれだこれだ。この画像見てくださいね。ここ白くなってるでしょ。これ癌ね。場所から言うと大腸癌。あとリンパってところも白く光ってるでしょ。これ多分癌の転移。と、いうわけで、疑いなく大腸癌です!会心の一撃!ご家族はいらっしゃいますか〜♪」
私「え、先生ちょっと待ってくださいよ!大腸癌ですか。癌ってのはもう少し重い感じで告知されるもんじゃないんですか。それをそんな軽いノリで。大体会心の一撃ってなんですか。あまり実感がわきませんが」
医師「あれ?重い感じの方が良かった?もう一回やりましょうか?ちなみに会心の一撃は私ドラクエが好きでね。それで…」
私「もうどうでも良いや。で、癌はどれくらい進行しているんですか」
医師「結構進んでるね。おそらくステージⅢ、上から2番目に悪いやつ。お医者さん嘘つかない!」
私「先生もうちょっと言い方考えてくださいよ。しかも古いギャグまでつけて。あとどれくらい生きられますか」
医師「5年生存率って知ってる?ステージⅢだと3割の人が5年後に生きてないね」
私「てことは7割は生きてるじゃないですか。もう脅さないでくださいよ」
医師「ほら、俳優のあの人、今井雅之さん、あとあき竹城さん、あの人たちも大腸癌だったよね。」
私「有名人でも癌の人がいるんですね。今でも元気に活躍しているんですか?」
医師「いや2人とも亡くなった。」
私「これから病気に挑もうとする人にする話じゃないでしょ。僕はどうすれば良いですか?」
医師「そうですね、まずは…元気を出して!元気があればなんでもできる!」
私「もう、それはいいです…元気だけじゃ乗り切れない気がします。」
医師「いやいや、元気が大事ですから。で、次は手術をスケジュールしましょう。ドラクエの最新作やってます?終わってからにしますか?」
(こんな先生の元で果たして大丈夫なんだろうか…)
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ピリカさんの企画に参加させていただきました。
誇張はありますが、私の実体験をベースにしています。
お読みいただきありがとうございました。
