もりのちいさなたからもの
朝が来たよ、今日もお日さまはにこにこ元気。みんなを明るく照らします。
ここは静かな森の中、小さい湖のほとりにちいさいお家がありました。
中にはだれがいるのかな…。
お家の中には、こひつじのおばあちゃんとこひつじちゃんがいました。
おばあちゃんはキッチンでなにか作っているみたい。
ことこと、とんとん…。
キッチンにいるおばあちゃんが言いました。
「こひつじちゃん、森に行って木の実をとってきてくれるかい?」
こひつじちゃんは言いました。
「うん、木の実をたくさんとってくるね!
行ってきます!」
森が大好きなこひつじちゃんは、
るんるんしながら出かけていきました。
森の中へ入っていくと
まず初めにかわいいお花を見つけました。
お花さんは綺麗にぱっと咲いていてこちらににこにこ笑いかけているよう。嬉しいねこひつじちゃん。あらあら?こひつじちゃんはいろんなものとお話ができるようです。
お花さんが言いました。
「わたしね、はじめはこーんなに小さかったのよ。お空からの雨とあったかいお日さまのおかげでこうやって綺麗に咲くことができたの。」
こひつじちゃんは言いました。
「お花さん、とっても綺麗。今度会ったらもっと素敵になってるんだろうなあ。また来るね!」
さらに森の奥に進んでいくと
大きな木に出会いました。
大きな木さんは言いました。
「風が吹くとこうやって踊れてとっても楽しいのさ。ほら~」
風がさらさら吹いてきて大きな木さんも楽しそうにゆらゆら揺れています。
こひつじちゃんは言いました。
「大きな木さんを見てるとこっちまで楽しくなるよ。また来るね!」
ぐんぐん森の中へ歩いていくこひつじちゃん。
いつの間にかずいぶん遠くの丘まで来たようです。
そこでは小鳥たちがいました。
なんだか、楽しそうなお喋りが聞こえてきましたよ。
「木の実を食べると元気が出るね。」
「またあの美味しい木の実を食べたいなあ。」
「あっ!そうだった。木の実のおつかい頼まれてたんだった!」
こひつじちゃんは森のお散歩が楽しくて、おばあちゃんにおつかいを頼まれていたことをすっかり忘れていました。こひつじちゃんは小鳥さんに聞いてみました。
「小鳥さん小鳥さん、その美味しい木の実のある場所を教えてくれない?」
すると小鳥さんは
「もちろんよ。こっちにたくさん木の実があるわよ。おいで!」
と言って、こひつじちゃんを案内してくれました。
小鳥さんのあとをついていくと真っ赤でおいしそうな木の実や黄色や緑の木の実、茶色い木の実、黒い木の実、青色の木の実、それはそれはたくさんありました。
こひつじちゃんはポケットいっぱいに木の実をつめて、言いました。
「小鳥さんありがとう!また来るね。」
お日さまも沈んでもうすっかり暗くなってきました。もうお家に帰ろうと思った時、ちいさく声が聞こえました。
「おーい…。」
こひつじちゃんは声のする方をきょろきょろ見渡します。それは葉っぱの陰に隠れていた小石の声でした。
こいしくんはなんだが元気がなさそう…。
心配になったこひつじちゃんはこいしくんをお家に連れて帰ることにしました。
お家に帰るとおばあちゃんがスープを作りながら待っていました。
「おかえりなさい。」と、あたたかい声でおばあちゃんが言いました。
「ただいま!たくさん木の実を持ってきたよ。」と、こひつじちゃんも元気な声で言いました。
木の実をきれいに洗っていきます。
おばあちゃんは木の実の中に小石が混ざっていることに気づきました。
おばあちゃんが聞きました。
「おや、この小石はどうしたんだい?」
こひつじちゃんは言いました。
「なんだか元気がなさそうだったから連れて帰ってきたんだよ。大丈夫かなあ?」
そう言ってこひつじちゃんは、こいしくんをあたたかいお湯で洗ってあげました。
すると、こいしくんが「はぁ、ありがとう。ほっとするなあ。はじめてだよ。あったかいお湯なんて…だっていつもは冷たい雨しか被ったことないのだもの。」と言いました。
ことこと とんとん くつくつ ふかふか
ふわふわ ぽんぽん るんるん にこにこ
お鍋をくつくつ煮込んであっという間に美味しいスープの出来上がり。
「さぁさぁ温かいうちに食べましょう。」
こひつじちゃんとおばあちゃん、こいしくんも、みんなで一緒に、「「「いただきます!」」」
食卓には美味しいスープが並んで楽しくご飯を食べました。ほくほくおいしい幸せな時間。
*
おなかいっぱい〜
みんなねむそうなお顔になってきました。
おばあちゃんが言いました。
「さぁそろそろ寝る時間だよ〜、こひつじちゃん電気を消してくれる?」
こひつじちゃんが電気を消します。
いっしゅん、お部屋は真っ暗。
すると…
机にあったこいしくんがやさしくきらきらと光りはじめました。
「「わぁ~~!」」
こひつじちゃんとおばあちゃんはとってもおどろきました。
こいしくんは言いました。
「ぼくはしあわせだなあって思った時の夜、こうしてきらきら光るんだ。ぼくね、森にいた時はぽつんと一人で寂しかったんだ。見つけてくれてありがとう。」
こひつじちゃんは言いました。
「そうだったんだね。おばあちゃんもわたしもこいしくんがいくれて嬉しいよ。こいしくんがここにいたいだけここにいてね。」
そう言っておばあちゃんとこひつじちゃん、こいしくんはぎゅっとやさしくあたたかいはぐをしました。
ここは静かな森の中、小さい湖のほとりにちいさいお家がありました。
ちいさいお家はそれからも、いつまでもきらきらとやさしい光が灯りつづけました。
おしまい
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