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ウルトラセブンの戦闘シーンの変遷と分析~一番長く戦った相手とは?

ウルトラセブンの戦闘シーンは、ウルトラマンに比べると地味

ドラマ性が強く、50年以上経ってもファンからウルトラシリーズの傑作と讃えられるウルトラセブンですが、上記のようなネガティブな評価もあります。

実際、ウルトラセブンはドラマ重視の作風ですが、反面エンターテインメントとしてはやや弱く、その辺りはあまり注目されているとは言えません。

ウルトラセブンはクライマックスで怪獣と派手に戦うウルトラマンとは異なり、時には『巨大化しない』『敵と直接戦わない』『巨大化しても派手に戦わない』といった戦闘シーンが多いので、余計にエンターテインメントの作品としてはウルトラマンより劣ってしまっていることがはっきりしています。

そのウルトラセブンの戦闘シーンの傾向や変化などを、各クールごとに徹底分析してみましょう。


◆第1クール編(1話~12話)


第1クールの戦闘シーンのデータ表

前作のウルトラマンは登場した怪獣と戦い始めるのは、平均して21分という統計が取れています。
エピソードのテンポが良いと、それだけ戦闘シーンの尺が確保できますが、ジャミラのように戦闘シーン自体が短くてもその短い時間の中でしっかりと見せ場を作ることができていました。

ウルトラセブンの番組初期は、宇宙人の暗躍やSF要素を前面に押し出した作風故か、シリーズでも特にセブンの出番は少ないです。
セブンが登場するまでの時間も遅い上、実際に戦っている時間もほとんど1分足らずとなっています。
プロレス戦闘が主軸だったウルトラマンよりも、セブンの初期は特に殺陣を意識していたためか、戦闘内容は

  1. セブンと敵が睨み合う&様子見

  2. お互いに技を一回出し合う

  3. セブンが反撃で敵を倒す or 1に戻る

といった構成になっていることが多く、ゴドラ星人やイカルス星人、ナースなど、演出的にはやや間延びしてアクションが少なかったり、セブンがすぐに敵を倒してしまうので、迫力があったとは言えません。

また、初回のクール星人を始め、ペガッサ星人にチブル星人と巨大化しないで戦う相手もおり、キュラソ星人に至っては戦闘シーンすら無いので、余計に第1クールはセブンの戦闘シーンが地味に感じやすいです。

メトロン星人との戦闘シーンは、時間こそ短く戦闘内容自体は地味なのですが、一騎打ちの決闘みたいな素直な演出によって補われていました。

ちなみに、現在欠番となっている12話のスペル星人ですが、実は内容的には第1クールで屈指の派手なバトルシーンとなるはずでしたが、実相寺監督の余計な演出のせいで、他の回同様に地味な戦闘シーンに劣化してしまいました……。

初のプロレス戦闘は、スペル星人

なお、参考までにウルトラマンにおける宇宙人や侵略者といった敵が登場するエピソードの戦闘シーンのデータ表は以下になります。

ウルトラマンにおける宇宙・侵略者関係のエピソードの戦闘シーン

ウルトラマンもセブンも、一番最初に戦った巨大怪獣はそれぞれベムラーにエレキングと、どちらも水関係の相手になるのですが、エレキングの方はベムラーよりも戦闘シーンはやや地味です。
その分、エレキングの戦いはカプセル怪獣のミクラスとのバトルによって補われていました。


◆第2クール編(13話~25話)

第2クールの戦闘シーンのデータ表

円谷英二監督はウルトラセブンの初期については特に不満が多かった様子で、『見せ場が悪い。派手な場面がなくて物足りない』といったクレームをはっきり残しています。

そのため番組を充実させるためのテコ入れがかかり、第2クールからはセブンの戦闘シーンが見違えるようにエンターテインメントを意識した演出が見られるようになってきました。

初の強敵として登場したアイロス星人を始め、キングジョーなど戦闘時間も長くなり、ベル星人やバド星人などウルトラマンのようなプロレス戦闘も多くなっています。
3話のエレキング以来の怪獣との戦闘シーンも、アンノンやギラドラスなど怪獣らしい派手なものも増えてきました。

中でもキングジョーは、前・後編ともに3分以上も戦っており、これがウルトラセブン全エピソードにおけるもっとも長い戦闘シーンとなります。
エンターテインメントに振り切ったが故に、キングジョーとの戦いは最高の戦闘シーンになったと言えるでしょう。

最強の敵はキングジョー

ただし、それでもセブンの戦闘シーンが地味になる回もそこそこあり、ユートムやアイアンロックス、ブラコ星人についてはかなり地味です。

ガンダーもカプセル怪獣のミクラスとの戦いで補われていますが、肝心のセブンとの決着はすぐに終わってしまいます。
これはガンダーの役者が、まだ学生だった山村哲夫さんを怪我させないようにする配慮だったからだそうですが、実はピンチヒッターの役者がスタンバッているのが制作日誌から判明しており、セブンとの戦いだけその人に交代してもらえれば、セブン対ガンダーの戦いは地味にならなかったかもしれません。

セブンは駄目で、ミクラスとの戦いは良いのか? と疑問は感じますが……。


◆第3クール編(26話~37話)

第3クールの戦闘シーンのデータ表

第3クールは大人向けなドラマ重視のエピソードが多いですが、前半はかなり戦闘シーンが集中的に充実しています。

ボーグ星人やプラチク星人など、戦闘が複数に分けられる変則的なパターンもあり、プロテ星人は派手さは無い代わりにバルタン星人のような一風変わった戦闘シーンなど、それまでとは違ったエンターテインメントを作ろうという意欲が見えてきます。

しかし、この時期から番組の予算が尽きてきたためか、着ぐるみ怪獣や宇宙人がまったく出てこないエピソードも作られるようになりました。

ウルトラセブンは宇宙人や怪獣以外に円盤などの格闘ができない敵と戦う機会もあり、第2クールのアイアンロックスはそれ故に地味な展開や演出になってしまいましたが、ペガ星人の円盤やシャドウマンを操る黒幕のユーリー星人の宇宙船との戦いは、可能な限りのエンターテインメントを作ろうとする工夫が見られます。

ドラマとしては名作のマゼラン星人マヤの回も、敵は巨大ミサイルですがセブンの活躍も作ろうと思えば作れたはずなのですが……。


◆第4クール編(38話~49話)

第4クールの戦闘シーンのデータ表

最終クールはクレージーゴンやガッツ星人、テペトなど全体的にエンターテインメントを意識した回が多いです。
故にセブンの戦闘シーンも派手であることが多く、ノンマルトの回はドラマとエンタメを両立させた好例と言えます。

ただ、第四惑星やペロリンガ星人などやはり地味な戦闘シーンの回もあり、ガッツ星人との決着についてもほぼ無抵抗の相手を一方的に倒してしまうので、中途半端に終わってしまった印象があります。
実際、ガッツ星人の次の回は視聴率が最低であり、当時の視聴者にとっては期待を大きく裏切られたことが読み取れます。
これらもやはり、予算不足が大きく響いていたのでしょう。

最終話の最後の戦いは、ドラマもエンタメも完璧な出来栄えで、それ故にセブンの戦闘シーンもラストに相応しいものとなりました。

『やれることは全てやった』という全力を全て出し切ったからこそ、ウルトラセブンはシリーズ最高傑作として評価されたのだとはっきり感じ取ることができます。


まとめ

ウルトラセブンで戦闘時間が長かった戦闘シーンのトップ5は以下になります。

  1. キングジョー(2回戦) 「215秒」

  2. キングジョー(1回戦) 「206秒」

  3. ペテロ 「189秒」

  4. 恐竜戦車 「178秒」

  5. プロテ星人/改造パンドン 「175秒」

やはり、強敵との戦いはそれだけ苦戦するので戦闘時間も長くなることが証明されています。

ただ、戦闘時間が長ければ面白いという訳でもなく、ダリーやプラチク星人など演出が地味になってしまうパターンもあるため、如何に主役のウルトラセブンの見せ場を作る工夫が大事なのかというのが分かります。
また、上記のペテロも戦闘シーンがスロー演出が用いられているので、実際の戦闘時間はもう少し短いという点も見逃せません。

地味な戦闘シーンの回も、もっと工夫を凝らせばセブンの活躍をウルトラマン並に派手にできたんじゃないかと、惜しく思う次第です……。

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