ペルソナデザインとは〜『ブランディングの教科書』での学びを踏まえて〜
こんばんは。コウイチです。
いきなりですが、「相手目線でビジネスを考えられていますか?」。
こういう風に聞かれるとドキっとしませんか。そんな方は是非「ペルソナデザイン」についてお読みください。
これまでにビジネスにおけるターゲット選定に関してSTP分析における「ターゲティング」まで書いてきました。
ターゲット選定においては企業都合で決めないことが重要です。
なぜなら生活者は企業によるプロ目線で物事を判断しているわけではないからです。
プロ目線からいったん離れてターゲット目線になるためにはペルソナを設計することが有効です。
書籍『ブランディングの教科書(羽田康祐他著)』では、ターゲティングとポジショニングの間に本日ご紹介する「ペルソナデザイン」、次回以降でご紹介する「インサイト」のプロセスを入れることが推奨されています。
この考え方は企業におけるマーケティングのみならず、例えばこのnoteでの記事づくりにおいても大事な考え方だといえます。
そこで今回は「ペルソナデザインとは〜『ブランディングの教科書』での学びを踏まえて〜」を書いていきたいと思います。
1,ペルソナデザインとは
ペルソナとは『商品・サービスを実際に使っている人物像』のことを指します。そして『実際に使っている人物を設定する』ことをペルソナデザインと言います。
ではこれまで書いてきたターゲティングにおける「ターゲット」はペルソナとなにが違うのでしょうか。
「ターゲット」とは、例えば40代男性、というように、そのままでは「ひと塊の消費者群」に過ぎません。
ペルソナではより詳しい生活態度や行動、その行動をとる理由、過去に遡って人間性を作り上げてきた背景や現状、希望や目標、人生の目的、それを叶えるためにどのような努力をしているか、生活のなかでの喜怒哀楽など詳細に表現したターゲット「像」なのです。
2,ペルソナデザインのメリット
メリット①顧客の視点で商品やサービスを開発できる
ターゲットが本当に喜ぶこととターゲットが喜ぶだろうと企業側が思い込んでいることは必ずしも一致しません。
あなたやあなたの同僚がその業界で経験を積めば積むほど、素人であるターゲットの気持ちから離れてしまいやすいのです。
その結果、企業都合による、戦略に陥りがちになります。
本書ではサプリメント開発を例に説明されています。
「成分の量を上げる」「新しい成分を入れる」というような商品起点の改善策ばかりを考えてしまい、ターゲットの目線が抜けてしまいがちであることが述べられています。
ペルソナデザインを上手く活用することにより、「このペルソナのどんな感情に働きかければ良いか」といったように、企業側のプロの目線から離れ、ターゲットからの目線に立つことができます。
先ほどのサプリメント開発の例では、仕事で帰りの遅い夫を持つ女性の「いつもイライラして夫にキツく当たってしまう」という夫への罪悪感に着眼したアプローチが挙げられています。
この例のように、まずは商品のことを徹底的に忘れて、ターゲットの感情から考えることで、従来とは異なるアプローチを発想できるようになることが書かれています。
メリット② 共感の得られるストーリーを作れる
顧客は必ずしも論理だけで、企業の商品やサービスを買うとは限りません。一般的に人が物事を判断する上での基準は、次の4つといわれます。
価値観 信じる・信じない
感情 好き・嫌い
感性 自分の感性に合う
合理 良い・良くない / 便利・不便 / 高い・安い
そのため、ペルソナデザインからストーリーを作り上げることで、顧客の合理性以外の判断基準に働きかけることができます。
また数字よりもストーリーの方が共感を得られやすいため、企業側のメンバーもターゲットへの共感を持ちやすくなります。
ターゲットへの共感度合いが高ければ高いほど、論理を超えた洞察的な視点が持てるようになります。
メリット③マーケティング施策がブレにくくなる
各部門がバラバラの個別最適に陥ってしまう要因はそれぞれの担当者が、別々のターゲット像をイメージしていることが考えられます。
関係者が同一のペルソナを共有して「立脚点」として活用していけば、マーケティング施策が一貫したものになるでしょう。
3,ペルソナデザインのやり方
では実際のペルソナデザインの手順について解説します。
データ収集
まずは、ペルソナのもととなるデータを集めます。
データ収集には、既存顧客の情報を活用したり、アンケートやインタビューなどを実施します。
そこでは家族構成や年収といった詳細な情報もできるだけ集めることが大切です。
共通項を見つける
データ収集が完了したら、次はそれぞれに共通する特徴を見つけます。
ライフスタイルや抱えている悩みなどをピックアップし、同一人物にしても違和感のないようにグルーピングしていきます。
ストーリーに落とし込む
共通項を見つけ出したら、得られている情報をもとにストーリーを作ります。
チーム全員が納得し、ターゲットの感情や価値観に共感できるストーリーにまとめ上げましょう。
効果検証
ペルソナが完成したら、実際のマーケティングに活用しましょう。
その後どのくらい効果があったのか、結果を分析します。
またペルソナは常にブラッシュアップしていくことが大切です。
定期的に見直すことで、良い成果が期待できます。
ペルソナ作成時の注意点
ペルソナは、入念なリサーチをもとに作成します。
想像や思い込みで作成してはいけません。
4、ペルソナデザインの活用事例
最後にペルソナデザインを活用したマーケティングの事例についてご紹介します。
カルビーのスナック菓子「ジャガビー」
スナック菓子は「ターゲットを明確にしない」で開発することが少なくありません。最大公約数的に「みんなが好きな」お菓子を作り、幅広い層に販売する戦略で大ヒットしたお菓子は数多くあります。しかしカルビーはあえて、「20~30代の独身女性」という層にターゲットを絞り込んだ商品を開発したのです。
実は、同社には「独身女性は10代から20~30代になると3割がスナック菓子から遠ざかる」というデータがありました。そこで、「みんなが好きなお菓子」を受け入れないこの層のペルソナを作り、今までとは違う商品開発に取り組みました。
設定したペルソナは「27歳」、「独身女性」、「文京区に暮らしている」、「ヨガとスポーツに凝っている」というものです。スナック菓子から遠ざかるとされる20代の女性、しかもスポーツに凝っているという、これまでの発想の商品ではスナック菓子を売ることが非常に難しいペルソナです。
カルビーはまず、この「文京区に暮す27歳の女性」の部屋に置いてあっても違和感のないパッケージをデザインしました。商品サイトは彼女の部屋をイメージしたデザインにし(現在は終了)、テレビCMには彼女が好む女性ファッション誌「Oggi」で活躍するモデルを起用するなど、従来とは大きく異なるマーケティングを展開したのです。
その結果、「ジャガビー」は生産が追い付かず一時販売停止となるほどのヒット商品になりました。
まとめ
今回は「ペルソナデザインとは〜『ブランディングの教科書』での学びを踏まえて〜」を書いてきました。
(ポイント)
・ペルソナとは生活のなかでの喜怒哀楽など詳細に表現したターゲット「像」
・3つのメリット
①顧客の視点で商品やサービスを開発できる
②共感の得られるストーリーを作れる
③マーケティング施策がブレにくくなる
・収集したデータをもとにして一人のストーリーにまとめ上げる
お読みいただき、ありがとうございました。
