ひとり旅なのに、ひとりじゃなかった釜山旅行
2026年1月 釜山ひとり旅。
釜山に強いこだわりがあったわけではないけれど、ソウルより少し気温も高いし、空港から街中に出るのも早い。今回は釜山にしようかな……くらいで決めた旅だった。
最近はもっぱらジンエアにお世話になっている。
成田発11:35、金海着14:00予定。
機内食は出ないけれど、着いたらテジクッパを食べようと思って成田ではコーヒーだけ飲んで乗り込んだ。
今日はやたら揺れるなーとは思ってたけど
それがいつもの揺れじゃないとわかるのは後になってから。
そろそろ着くはずなのにな、と思っていた矢先に流れたアナウンス。
強風のせいで釜山・金海空港に着陸できず
行き先は仁川に変更されたらしい。
不思議と慌てはしなかった。
ソウルには慣れているし
仁川に着いたならそれはそれで考えよう…くらいの余裕はあった。
KTXで釜山に向かう?
ソウルに1泊だけする?
いっそソウル旅に切り替える?
頭の中で勝手にプランB、プランCを並べていた。
だけど着陸後のアナウンスを聞いていると
どうやら全員バスで釜山へ向かうらしい。
聞き取れたけれど、念のため。
隣に座っていた若い韓国の女の子に聞いてみた。
「みんな一緒に、バスで釜山に行くの?」
「うん。そう。」
たぶん学生さん。
柔らかく笑って、あっさり教えてくれた。
日本語の案内はなく周りの人たちは当たり前のように入国審査へ流れていく。
私もついていったものの、
途中でトイレに寄っているうちにその流れを完全に見失った。
さて???と思って見渡すと
いつもの「韓国人レーン」「外国人レーン」の他に「プライオリティーレーン」なるものが見える。
本来とは違う空港に着陸したんだし、ここだろうと突き進んだ。
……けど、ほとんど人がいない。
キョロキョロしていると 同じようにキョロキョロしている日本人の女の子が目に入って 思わず声をかけた。
同じ便に乗っていたことがわかり なんとなく一緒に行動することに。
入国審査と税関を抜けると、ジンエアの制服を着たスタッフさんが「早く早く!」と手招きしている。
だけど無理。
「5分だけー!」と叫びながら ふたりで勝手にコンビニに寄って ジュースとパンを買ってからバスに走り込んだ。
そのバスに飛行機で隣だったあの韓国人の女の子も ほぼ同時に乗ってきた。
さっきひと言交わしただけなのに急に安心感。「また会ったね」なんて挨拶までしてしまう。
そこから釜山までの長旅が始まった。
私もポジティブだけど
一緒に乗り込んだ日本人の女の子もとにかくポジティブで
「日本に逆戻りじゃなくてよかったね」
「初日は何の予約も入れてなくて正解」
「深夜便じゃなくてよかったね」
と、ふたりしてポジティブワードがどんどん出てくる。
そのうちウトウトして
出発してから3時間くらい経ったころ
外はすっかり暗くなってサービスエリアでトイレ休憩。
運転手さんが
「今から30分のトイレ休憩です。7時5分に出発します。」と案内してくれた。
飛行機の中と同じだなと思いながら、あの韓国人女子学生に
「7時5分ね?」と指で確認すると、
にっこり笑って「合ってるよ」と答えてくれた。ありがたい。
初めての韓国のサービスエリア。

「こんなことでもないと寄れないよね」
「いい経験だよね」
またしてもポジティブな私たち。
トイレを済ませて、イートインコーナーでホットスナックをひとつずつ買った。

負け惜しみでもなんでもなく本当にいい経験。
結局、釜山に着いたのは21時半。
「日付が変わる前に着いてよかったね」
「まだ空いてるお店、いっぱいあるね」
最後までポジティブ。
一緒に移動できて心強かったよ。
名前も知らないまま別れて それぞれのホテルへ。
3泊4日の釜山を目一杯楽しみ、日本に帰る日。
帰りの便に乗り込み 自分の席に座った数秒後
「嘘でしょ!?」
という声がして顔を上げると
なんと!
初日のバスの彼女が隣の席だった。
そんな偶然ある?
もうこんなの運命じゃん。
「どこ行った?」
「このカフェよかったよ。」
写真を見せ合いながら、あっという間に成田に到着。
ひとり旅だったはずなのにひとりじゃなかった。
最後まで名前も聞かずに別れたけれど
自然と「またねー!」って言い合ってた。
なんだか、またどこかで会える気がする。
