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やましい商売こそ、正直であれ

「社長さんはご在席でしょうか」
そんな言葉で始まる営業電話が、仕事中にたまにかかってくる。
この営業スタイル、いつまで残り続けるのだろう。


実は僕も20代前半の頃に、電話口の巧みな言葉に乗せられて社長に電話を繋いでしまったことがある。

「大事なご用件がございまして、社長様とお話させていただきたいのですが」
聞いたことのない会社名。でも社長が普段どの会社のどんな人と接してるかなんて僕は知らない。
「大事なご用件」と言われて、これは繋がないといけないと思って繋いでしまったのだ。
僕は「やることやりました感」に浸っていた。5分後に社長から電話がかかってきた。怒られた。

後から聞くと、頼んでもない融資の相談だったらしい。社長直々にしっかりと怒られた僕は、そういう電話もあるのだと、これも一つの社会勉強になった。


この営業電話をかけてくる会社は、『投資・融資』『求人広告』『通信サービス』『経営コンサルティング』の分野が多い。

大抵は要件を隠して電話をかけてくる。事前に要件を話したら社長に繋ぐ前に断られてしまうから。
そして大事な話のように装ってくる。その方が繋いでもらいやすいから。
そして社長とは以前から繋がりがあったかのようにも装ってくる。その方が電話に出た人を騙せるから。

「ご用件お聞きしてもよろしいでしょうか?」
と聞くと、必ず答えない。
「いえ、ご挨拶したかっただけですので」
と言って誤魔化してくる。

つまりは、電話をかけてくる側もやましいのだ。
後ろめたさ100%。断られるのが前提。
100社の企業に電話をかけて、1件の契約が取れたら成功。その他99社にかけた迷惑は知ったこっちゃない。そんな営業スタイル。くそくらえ。

断られる前提から相手を説得して覆すことも、“営業スキル”の一つかもしれない。
けれど、やましい前提を隠して話をするのを僕は営業スキルだとは思わない。
それは“詐欺スキル”だ。そんなもの仕事におけるスキルじゃない。


僕は商品の値段が高い営業や競合が多い営業ほど「正直であれ」と思っている。

やましさ隠してかけてくる営業電話は、“競合が多い”ことが理由らしい。だから隙間を縫って直接ターゲットである社長のもとに飛び込もうとしてくる。ミッション・イン・ポッシブルかお前らは。

世の中に情報が溢れて、僕たちは疲れるくらいにそれに踊らされてきた。だからこそ見極めることもできる。立ち止まるきっかけがたくさんある。
そんな今だからこそ、人の正直さや誠実さがこれからはもっと捨てがたい。

AIを使うのが当たり前くらいの現代に、昭和か平成初期くらいのレトロ営業をいつまでやってるのかと、さっさと消え去ればいいのにと僕は思っている。
ごめんなさいね、口が悪くて。


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コリ|メガネ屋エッセイスト 路上にチップもらう用のシルクハットを置いてパントマイムするの、実はやってみたかったんです

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