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小説『天使さまと呼ばないで』 第45話


8月上旬、ミーティングの日-

ミカはショウに言われた通り、自分がカウンセリングで培ってきた"経験則"をまとめたノートを持ってきた。

できるだけショウの手を煩わせないため、自分なりに綺麗に取り繕った言葉で、全六回の講座に合わせて六部構成でノートを書いてきた。

内容はこのようなものだった。

1.なぜ、問題が起きているかを洞察する
天使様は、まずはあなたが自分自身あるいはクライアントに向き合えるかどうかを見ます。
ですから、あなたやクライアントが「辛い」「問題だ」と思っている出来事の、どこに「辛い」と感じているか、まずは掘り下げてみましょう。
例「なぜ結婚したい」と思うのか?
 →一人でいるのが嫌だから
  →何故一人が嫌なのか?
   →バカにされそうな気がするから
    →何故バカにされそうな気がするのか?・・・
一見当たり前のように見えても、そこを深掘りすると問題が見えてくることも多いのです。
実際のワークで試してみましょう。二人一組になって行います。


2.幼少期を思い出す
あなたの幼少期はどんな風でしたか?あなたはどんな子供で、親はどんな人でしたか?本当はどんな風に育ててほしかったですか?等、幼少期を振り返ってみましょう。
実は、子供はみんな天使と一緒です。もちろん完全に同一ではないものの、とてもよく似た波動を持っているのです。ですから、絵画では天使が子供のように描かれていることが多いでしょう?
本来は、みんな天使のように、いつも明るく楽しく過ごして、どんな願いも叶える力があるのです。
しかし、今その力がないということは、天使だった時代に何かトラウマを抱えているということです。
これも二人一組のワークで試してみましょう。


3.感情を解放する
あなたの中に秘めた感情を、吐き出してみましょう。
人は無意識のうちに、ネガティブな感情ほど閉じ込めているものです。しかしそうした感情は、あなたが本当に望むものを知る大事な手がかりでもあるのです。
嘘の感情では、天使様を呼ぶことはできません。
「嬉しい」「悲しい」「楽しい」「辛い」「好き」「嫌い」・・・
色々な出来事や物に対して湧く感情が何かを書き出し、声に出すことで解放するワークです。これも二人一組で確認し合います。


4.天使様を呼ぶ
天使様を呼ぶためには、身体がリラックスしていることが大切です。また、最初はハッキリと見たり感じたり聞こえたりするわけではなく、ぼんやりとしたものです。
さらに大事なことは、人により天使様と交信しやすい感覚は違うので、自分のどの感覚が一番天使様に繋がりやすいかを知ることです。
(例えば、人によっては視覚で天使様の姿を見ることもあれば、聴覚で天使様の声が聞こえたり、触覚や嗅覚で感じることもあります)
まずはヒーリングミュージックで身体をリラックスさせ、瞑想で頭をすっきりさせて天使様と交信しやすい状態になりましょう。そして、天使様の存在に語りかけてみましょう。最初はぼんやりとしか感じないでしょうが、回数を重ねるうちにハッキリわかるようになるはずです。
これも二人一組のワークで行います。


5.ミカが教える「天使の法則」
カウンセリングに当たって、本当に大切なことは、ただ天使様に頼ることではなくて『クライアントの本心を引き出す』ことです。そして本心というのは、実は天使様に聞いたからわかるわけではありません。それはクライアント自身が吐き出さないと、神ですらわからない領域なのです。
この講座では私、ミカが500件以上のカウンセリングで得た知識や法則をシェアすることで、クライアントの本心を引き出しやすくします。
例 『理想の結婚』は両親を見ればわかる
『才能』は子供時代にヒントがある
『何故か嫌いな人』はあなた自身を映し出す鏡 等
主に座学で学んでいきます。

6.天使様が教えてくれた、人生で大切なこと
人生をどんどん薔薇色に変えていくために必要なことは感謝と愛です。
ではどうすればそれを欠かさずできるかといえば、練習あるのみです。
感謝を100個書き出すワークや、愛を簡単に伝えるワークを行い、感謝・愛を呼吸レベルで自然にできるようにします。
座学とワークショップで行います。

我ながら、自分の直感といつも適当に用意している言い訳をよくここまで上手く綺麗な言葉でまとめたなと思う。


一番心配なのは4の『天使様を呼ぶ』だが、取り敢えずヒーリングミュージックや瞑想を取り入れて、それっぽい雰囲気を出すことにする。

それで万一何も感じ取れない人がいたとしても、「あなたの感謝が足りない」「愛が足りない」と言えば、きっとその人はそんな自分を恥じて、少しでもミカに認められるために、必死に何か感じ取ろうとすることだろう。そうなれば、普通の人なら思い込みで済ませるようなことに「天使さまを感じられた」と言うに違いない。或いはプレッシャーで幻覚でも見て天使様と思い込むかもしれない。



いつものコワーキングスペースで、ミカはショウにノートを渡した。

「これは素晴らしい。僕の手を加えなくても良いぐらいだ」

ショウはそう言ってミカを賞賛した。

「うふふ。そう言ってもらえて嬉しいです」

「いやあ、ここまで素晴らしいテキストが出来るとは思っていませんでした。

これだけ充実した内容があれば、きっと受講生の方にも喜んでもらえますね」

「だと良いんですけど」

そう言ってミカは茶目っ気たっぷりに舌を出した。

「では、当初の予定通り、スクールは11月からの開講でスケジュールを組んで行きましょう。基本は第二日曜日の13時から17時でいこうと思いますが、確定するのは会場の空きを確認してからです。

あと、告知してすぐには受講料を用意できない人も多いでしょうから、少しでも早くお金の準備を始めてもらえるように、来週には告知を始めましょう」

ここでショウは、スケジュール帳を取り出した。

ボールペンで予定を書き込んでいく。

「そうですね、8月15日にまずは告知とともに申し込みを受け付けましょう。受講料の振込は、トラブルを避けるためにも少し猶予を設けて、9月15日から開始して10月15日までにしましょう。申込者のみに振込口座を連絡する形にします。

ここらへんの詳しい文言はまた僕からミカさんにLIMEで送るんで、それをそのままブログにコピペしてくれたらいいです」

「わかりました」

「いや〜〜楽しみになってきましたね。これが好評であれば、二期や三期も開催できますよ。いや、ミカさんなら絶対にそうなるでしょう」

「そんな・・・あんまりプレッシャーかけないでくださいよぉ〜」

そう言ってミカはショウの肩を押した。


今日はまた、ショウに食事に誘われるだろうか。

ミカはショウにまた抱いてもらえることを期待して、あれから毎週エステで肌やボディラインのケアと、ヘアサロンでヘッドスパやトリートメントをしてもらうようになり、百貨店で一番高価な化粧品も揃えた。

ポーチやエコバッグの販売で得た利益は、そうした美容代に全て消えていった。


最初はショウから切り出してくれることを期待したのどが、埒があかないことに焦ったミカは、思い切ってショウに尋ねてみた。

「ところでショウさん、今晩はご予定があるんですか?」

するとショウは困ったように顔をしかめ、残念そうな口調で答えた。

「ああ〜〜そうなんですよ、今日は別の仕事の打ち合わせがあって。残念です」

一気にしゅんとしたミカの表情を見て、ショウはミカのそばに近づき、肩を抱き寄せながら囁くように言った。

「そのかわり、と言ってはなんですが・・・今度、例のマンションの内覧に一緒に行きませんか?」

ミカは先ほどまで沈んでいたのが嘘のように、一気に薔薇色の気持ちになって、「はい」と即答した。

「ちょっと僕のスケジュールを確認して、不動産会社にも問い合わせてみますね。またご連絡します」

「ええ、わかりました」

こうしてこの日のミーティングが終わった。



こうして、ショウの企画通りミカは8月15日に、『エンジェルカウンセラー認定講師養成スクール開講のお知らせ』という告知をブログに載せた。

この講座が成功すれば2000万円の利益が出るうえに、ショウとたくさん会えるようになる・・・

ミカはこの講座を、絶対に成功させようと誓った。

だから少しでも多くの人に申し込んでもらうため、いかにこの講座を受けることで人生が変わるか、幸せになるか、認定講師が楽に儲けられるかを強調してブログを書いた。



✨🎀エンジェルカウンセラー🎀✨
✨🎀認定講師養成スクール🎀✨
✨🎀開講のお知らせ🎀✨



こんにちは💖あなたに寄り添う天使👼ミカです💕

このお仕事をしていると、よく
「私も天使の力が欲しい」
「私もミカさんのような
天使のカウンセラーになりたい」
そういった声をいただきます💦

私といたしましても、そんな方に少しでも
私の力を伝えたい・・・
そう思いまして、この度
『エンジェルカウンセラー認定講師』
というカウンセラー養成講座を
開講することにいたしました🎀💓✨

半年間、全六回の濃密な❤️講座ですよ〜❣️

講座では、天使様の教えや、
私なりのカウンセリングの極意、
どうすれば天使様に繋がりやすくなるかまで
余すことなくお伝えします💖👼🌈

この講座に参加するだけで、
あなたは天使様に祝福され、
人生は薔薇色に変わります🌹❤️✨

また、あなた自身も、たくさんの人々を救う
天使様になることができるのです☺️✨💕

さらに!講座を修了した方は
『エンジェルカウンセラー認定講師』として
お仕事ができるようになります♬✨🌈💕
私のように豊かになってくださいね🥰❤️✨

もちろん、認定講師の仕事をしたからと言って
私にリベートを支払う必要はありません❤️👼✨

天使様の力で優雅に、美しく、楽々と笑
ガンガン稼いでください💕💕💕

もちろん、そのために私も
全力で受講者様をフォローしますよ💓💓💓


🎀受講料🎀
300万円(交通費別途必要)
※テキスト代、軽食代込み
講座の間はミカに何度でもLIMEで質問可能🎶
(振込についての詳細は、申込者にのみ連絡します)

🎀人数🎀
最大10名
少人数制でじっくり指導いたします💖

🎀開催地🎀
都内某所
(受講者にのみお知らせします)

🎀日程🎀
11月〜4月 第二日曜日
(受講者の都合により、調整する可能性あり)
全六回の講座です🎶


🎀講座内容🎀
①何故問題が起きているのかを洞察する
(ワークショップ)
②幼少期を思い出す
(ワークショップ)
③感情を解放する
(ワークショップ)
④天使様を呼ぶ
(ワークショップ)
⑤ミカが教える『天使の法則』
(座学)
⑥天使様が教えてくれた、人生で大切なこと
(座学&ワークショップ)

🎀申込&問い合わせ方法🎀
angel.mika👼########.co.jp
(👼を@に変えてメールを送信してください♬)

🎀キャンセル料🎀
振込前→無料
振込後〜10月15日まで→50%
10月16日〜10月31日まで→80%
11月1日以降は100%となります。
ご了承ください💖



👼💖✨参加するだけで✨💖👼
👼💖✨あなたの人生が薔薇色に変わります✨💖👼
👼💖✨絶対に後悔はさせません✨💖
👼

共に豊かに、幸福になりましょう❣️
天使👼ミカ💖💖💖





真っ先に申し込んでくれたのは、やはりエリだった。


告知してすぐに満席・・・とはならなかったものの、一週間で5人、次の週には3人から申込や問い合わせがあった。

もちろん問い合わせだけで終わった人もいたが、9月10日時点で、10人満席となったのだ。

あと5日もすれば振込が始まるので、豊かさ・・・否、現金が滝のように流れ込んでくるはずだ。それに来週はショウとのマンションの内覧もある。今のミカは、まさに公私共に絶好調だった。


更なる成功を目前にして、ミカは浮かれた気分で百貨店に向かった。

今まで買い物をするときに、洋服やバッグにばかり気を取られて、ちゃんとした腕時計を購入していなかったことを気にしていたのだ。

ミカが持っていたのは、若いときに購入したケイト・ハートの腕時計だけだった。


(これも気に入ってたけど、そろそろもっと洗練された高級ブランドの時計を買わなくちゃね)


そう思ってミカが向かった先は、バンクリーフ・アベルという宝飾ブランドだった。


「いらっしゃいませ」

「ちょっと、腕時計を見たいのですけれど」

「かしこまりました」

そう言って、女性の店員は右奥のショーケースまでミカを案内した。

照明の光を反射して、たくさんの腕時計が輝いている。

バンクリーフ・アベルの名に相応しい、女性らしくて可憐なデザインの腕時計ばかりだ。

その中に、ブルーの文字盤に天使や月や星がデザインされた白い革製のベルトの腕時計があった。文字盤の周りにはダイヤモンドが埋め込まれ、中にも所々ダイヤモンドやサファイアが嵌め込んである。

「うわぁ、可愛い〜〜〜」

目をハートにさせながら見とれていると、店員はショーケースからその腕時計を取り出した。

「こちら、プティ・エンゼルという商品でございます。お客様の腕に着けてみられますか?」

「ええ」

ミカは左腕に腕時計を巻いてもらい、ショーケースの上に置かれた卓上鏡越しに自分の姿を見てみた。

鏡の中で、バンクリーフ・アベルの腕時計をつけた自分は、今までよりさらに自信を持って美しく輝いている。

(私にぴったり!天使だし!)

「とってもお似合いですよ。お客様のお美しさがさらに引き立てられますね」

「うふふ、ありがとう。つけてみたらますます欲しくなっちゃいました。これ、いくらですか?」

「1500万円でございます」

(高っ!!!!

・・・でも、スクールの受講料が入ってきたら余裕で買えるわね)

「あら、そうなの。今日はあいにく全額は用意できないので、また今度買いに来ます」

「かしこまりました」

これだけだとなんだか格好がつかない。お金を持っていないくせに見栄を張っていると思われていたら嫌だとミカは思った。

だが、今月は使いすぎたから、クレジットカードではこれ以上支払いたくない。


ふと、腕時計の隣のショーケースを見てみる。そこには、バンクリーフ・アベルを象徴する三つ葉のマークのピアスが飾ってあった。値札に『48万円』と書いてある。

そういえば、この間のセミナーで稼いだお金がまだ50万円ほど口座に残っているはずだとミカは思い出した。



ミカはショーケースの中の、白い三つ葉のピアスを指差して言った。

「今日は代わりに、こちらをいただくわ。デビットカードは使えるかしら?」

「はい、お使いいただけます」



ミカは新たに、48万円のピアスを購入した。それも、試着することもなく。

まだカードローンは300万円あるが、認定講座の受講料が入ればすぐに返済できるはずだし、それどころかあの腕時計だって余裕で買える。

(あと少しの辛抱よ・・)

午前中を買い物で終えたミカは、百貨店の中で昼食を取ることにした。

向かった先はパスタが評判の、若者に人気のカフェだ。

席に案内されて『海老のクリームスパゲティ』を注文した後、スマホにメッセージが来ていることに気づいた。ショウからだ。

今度の内覧の待ち合わせについてだろうか、ウキウキしながらメッセージを開くと、そこにはこう書かれていた。

ミカさん、すみません。来週の内覧ですが、急にクライアントとの仕事が入って行けなくなりました。申し訳ありません。この埋め合わせは今度必ずします🙇‍♂️

(クソ!)

想定外のメッセージに、舌打ちしながらこう返信した。

そうですか💦残念です😢でもお仕事だから仕方ないですよね💧

するとすぐショウから返信が来た。

本当にごめんなさい。来年からは、東京での仕事をもうちょっと減らすことにします。
大好きなミカさんのそばに、もっと居られるようにしたい。

ミカは黙って、♡マークのついたウサギのスタンプを送り返す。

甘い言葉に少し気分が持ち直したが、それでもまだモヤモヤは晴れない。なんてったってミカはこの内覧を2ヶ月間ずっと楽しみにしてたのだ。


ふと手元にあったメニューに目をやると、期間限定の『サーモンときのこのスパゲティ』があることに気がついた。

(こっちの方が美味しそう)

今なら注文し直しても間に合うかも、と思ったミカが店員に声をかけようと顔を見上げると、ちょうど若い女性の店員が注文した海老のクリームスパゲティを持ってきたところだった。

「お待たせしました、こちら・・」

と店員が言ったところにメニューを指差しながら口を挟む。

「すいません、やっぱそれキャンセルで。このサーモンときのこのスパゲティにしてくれる?」

「え・・」

店員は明らかに動揺している。大学生のアルバイトだろうか、薄化粧でもハリのある白い肌が眩しい、黒目が大きな可愛らしいボブヘアの女性だった。

「できますよね?それ、まだテーブルに置いてないんだから」

もちろん自分のワガママであることはわかっている。だが、こっちは楽しみにしていた約束を反故にされてむしゃくしゃしてるのだ。少しぐらい多めに見て欲しい。

「あの、もう作ってしまったので・・」

か細い声で言う店員を睨みつけると、困った表情をした。

若く美しく純朴そうな女性がそんな顔になっているのを見ると、自分が物凄い悪者にされているようで余計に腹が立った。

店員は「確認します」と言って厨房の方に向かったが、今度は店長らしき男性が出てきてこう言った。

「申し訳ありません、もうお作りしてしまったので、新たにご注文していただければサーモンときのこのスパゲティはご用意できるのですが、その場合はふた皿分のお代をいただくことになります」

先程の若い女性と比べて威圧感のある男性が出てきたことにミカは少し狼狽し、「そうですか、じゃあ結構です」と小さく答え、素直に海老のクリームスパゲティを食べることにした。

(どいつもこいつも、私のことバカにして!)

イライラが余計に増幅したミカは、スパゲティの写真を撮ってから食べたあと、スマホでFactbookを開いてこんな記事を書いた。

今日は百貨店でお買い物の後、8Fにあるパスタが評判のカフェでランチです👼🍴
注文したのは『海老のクリームスパゲティ』♬
これもまあまあ美味しかったのですが、私が本当に欲しかったのは期間限定のサーモンときのこのスパゲティ😢
作り直しができないかお願いしてみたものの、断られてしまいました💔
期間限定メニューはもっとわかりやすいところに書いて欲しい💧こっちが悪者みたいな扱いを受けてすごく不快でした😣

天使様の教えを知らない一般人の方ですから仕方ないのですけども、『相手の望みを快く受け入れる』というのも、天使様から幸福を分けていただくためにはとても大切なことなんですよ❣️
他者の望みを叶えてくれる方を、天使様は祝福してくださいますから💖
お店の方は私のクライアント様では無いので知らなくて当然のことですが笑、早く私の教えがもっとたくさんの方に広まると良いなと思いました😌
まあ、このお店を使うことはもう無いですね😅
"悪魔側"ってことがわかったので。

最後の文には、ミカの怨念めいた恨みがたっぷりと込められていた。

記事の中に載せたパスタの写真には、位置情報がタグ付けされていて、ミカがどの店の悪口を言ったかがすぐわかる。わざとだった。

(私を怒らせたらどんな目に遭うか、わからせてやる)

Factbookにはすぐに信者からのコメントが入る。

パスタ美味しそう〜!でも、融通が効かないのは嫌ですね〜

そのお店行ったことあります!たしかにメニューわかりづらかった記憶が😂あと値段の割に味はフツーですよね💧私ももぉ行きません!

ミカさんの愛のある教えがもっとたくさんの方に広まりますように・・😌✨🌈

こんな時代だからこそ、より多くの人に天使様の教えを広めることが必要ですよね💖そのためにも、認定講師制度が始まるのは必然✨だったのかもしれませんね💕

心地よいぬるま湯に浸かったような気分に包まれて、ミカはまた機嫌を取り戻した。

ここにいる人は、なんでも自分の味方をしてくれるし、いつでも自分を正しいと言ってくれる。



常に自分の"味方"でいてくれる人たちに取り囲まれていたミカは、自分の言動がどれだけ自己中心的になっているか、気づけなくなってしまっていたのだった。


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第46話につづく


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