【居酒屋】私が「不親切だと思ったハンドサイン」を、一生大切にしたいと思った理由|〆|日本|和|気遣い|心配り
居酒屋でふとした瞬間に目にする、指を十字にクロスさせるジェスチャー。
「〆」
店員さんにそれを見せるだけで、
一言も発さずにお会計が成立する不思議なジェスチャー。
私はこの仕草を「不親切なもの」だと思っていたが、
周りに気を配るやさしさのように思うようになった。
1. 居酒屋のアルバイトで出会った「謎のバツ印」
私がまだ居酒屋でアルバイトを始めたばかりの頃のこと。
あるお客様が、私に向かって指を「×」の形にクロスさせています。
初めて見たときは意味が全く分からなかった。
こんなジェスチャー見たこともない、
テーブルマナーで、料理がおいしくない時にするものなのかと思ったけど、
とてもいい笑顔でこっちを見ているので違いそう。
「何かダメなことをしたかな?」と、少し不安になったのを覚えている。
周りの先輩に「あれはお会計だよ」と教えてもらった。
そしてようやく意味を知る。
心の中では「初見でわかるわけがない、不親切なハンドジェスチャーだな」
と思っていた。
2. お金の形でもないのに、なぜ「×」なのか?
「お金」を指すジェスチャーといえば、
親指と人差し指で円を作る形が思い浮かぶ。
しかし、日本の居酒屋でお会計をするときに使われるのは、
それとは正反対のような「×」印。
なぜ、お金の形でもなく、数字でもなく、ただ指を交差させるだけの仕草がお会計を意味するのか。
その疑問を紐解いていくと、〆という文字とつながっていると知った。
3. 「×」ではなく「〆」という文字の由来
諸説あるが、
あのジェスチャーが表しているのは「バツ」ではなく、
漢字の「〆(しめ)」だという説。
「〆」という文字には、以下のような意味が含まれています。
封印・締め切り(中身を閉じ込める)
合計(勘定をまとめる)
終わり(食事の締めくくり)
食事の終わりに「〆(しめ)」を指で作る。
一つの宴をきれいに閉じようとする、
意味のある記号だった。
4. 〆は食事相手への配慮
では、なぜわざわざ声を出さずにジェスチャーで伝えるのか。
その理由は、一緒に食事をしている相手への「配慮」があるように感じます。
複数人で楽しくお酒を飲み、会話に花が咲いている時。
「すいませーん、お会計!」と言うと、
その場の空気を一瞬で現実に引き戻してしまう。
会話の流れを止めることなく、
店員さんにだけ「そろそろ締めますね」と合図を送る。
あの「×」の形は、その場の和を乱さないための、小さな心配りから生まれた知恵だった。
5. 結び:指先に込められた、日本的な優しさ
最初は「不親切だ」と感じていたあのジェスチャー。
しかし、その由来が「〆」であり、
その目的が「配慮」であると気づいたとき、
居酒屋の喧騒の中に流れる優しい日本らしさが見えた気がした。
言葉にしないことによる小さな気遣い。
次に居酒屋で〆のジェスチャーを見たときは、
その仕草に込められた「優しさ」を少しだけ意識してみようと思う。
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