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【企画参加】そんなアピールさせるな

先日、僕は相棒の着ぐるみと一緒に名古屋で行われた絵本フェスに、”絵本作家”としてブースを出した。ブースで販売したのが『アーヤと森のモフモフ』という、僕が文章を書き、着ぐるみがイラストを担当した絵本だった。
この絵本は可愛い少女のアーヤと森に住むフワフワのバケモノモフモフとの友情を描いた心温まる物語だ。着ぐるみが描いたイラストが本当に可愛くて、ページをめくるたびに癒やしと笑顔がこぼれる我々の自信作である。この絵本を作ることに僕もそして着ぐるみも、精一杯の情熱を注ぎ込んだ。その分だけ絵本に対する思い入れは非常に深い。僕はこの作品をまるで愛しい我が子のように思っていた。絵本フェスではこの可愛い子を、たくさんの子供たちに見てもらいたいと思っていた。

絵本フェスは、日本最大級の絵本イベントだ。全国から海千山千の絵本作家100組がブースを構え、4000人を超える来場者がひしめく、まさに絵本のワンダーランドだった。会場ではいろんなゲームや手品ショー、絵本の読み聞かせなど、イベントが盛りだくさんで活気に溢れていた。
会場中央にあるステージでは様々なショーの他に、絵本作家のインタビューが行われた。参加した100組の作家が順番に登壇し、自分の絵本をPRできる時間で、僕らの出番はちょうど真ん中あたりだった。

「この絵本の見どころは?」「こだわった点は?」「このキャラクターはどんなイメージで描きましたか?」
壇上では司会者が作家さんたちにいろんなインタビューをしていた。緊張している作家さんもいたが、そこはさすがにプロの司会者さんだ。上手にインタビューをされて、作家さんやその作品の良いところを引き出していた。

僕は作家さんのインタビューを眺めながら、絵本をどうアピールするかを頭の中でシミュレーションしていた。司会者からどんな質問が飛んできても、的確かつ魅力的に答えられるよう、脳内で完璧な台詞を組み立てていた。
モフモフたちの愛らしさ、ストーリーの温かさ、イラストの繊細なタッチ……よし準備はバッチリだ。司会者さん、どうやら今日のコッシーは調子が良いようですぞ。

そして、ついに我々の出番やってきた。相棒の着ぐるみと一緒に壇上に上がる。司会者に促されて二人でセンターマイクの前へ。
「こんにちは! コッシーと着ぐるみ、合わせて”コぐるみ”と言います!僕らが作った絵本はこちらの『アーヤと森のモフモフ』になります!!」
絵本を見せながら、会場中に響くように元気な声で挨拶する。さあ、いよいよ司会者からの質問だ。脳内シミュレーションはバッチリだ。どんな球がきても、全部ホームランを打ってやる!
司会者がこちらを見つめて笑顔で口を開いた。


「絵本、めちゃくちゃ薄いですね!!」



……へ?何て言った?今、薄いって言った?は?絵本が……薄い……?絵本が薄いだと!?!?
頭の中でたくさんシミュレーションした質問リストに「絵本が薄い」なんてワードはどこにも存在しなかった。いやちょっと待て。確かに『アーヤと森のモフモフ』は他のハードカバーの絵本と比べて厚みがないソフトな絵本だ。だからと言って「薄い」はなくない?それはもうPRどころか質問にすらなってないやんけ!!

司会者のニコニコ顔を見ながら、僕の脳内はパニックだった。モフモフの愛らしさやストーリーの深みなど、絵本の魅力をたっぷりと語るつもりが、「薄い」と言われた瞬間に、すべての言葉が木っ端みじんに吹き飛んだ。頭の中はモフモフ以上に真っ白になっていた。

「え、えっと……はい、薄い……ですけど、えっと、コンパクトで読みやすいですし……内容はボリュームがある……みたいな……?」
僕はしどろもどろで答えるのが精一杯だった。会場からは心なしかクスクスと笑いが漏れているような気がした。着ぐるみも隣りで固まっている。

その後も司会者の質問は続いたが、もはや僕の頭の中は「絵本が薄い」のパワーワードで埋め尽くされて、何を答えたかも覚えていない。
”絵本フェス”という何千人が集まる一世一代の晴れ舞台で、他の絵本作家たちが見どころやこだわった点などをアピールしているのに、まさか【絵本の薄さ】をアピールすることになるなんて……こんな不憫なことってあるか?いや、あるまい!!

司会者に強い憤りを覚えた僕だったが、次回の絵本は辞典くらい分厚く作って、司会者から「絵本、めちゃくちゃ分厚いですね!!」と言わせてやると心に固く誓ったのだった。


……とはいえ、『アーヤと森のモフモフ』は、本は薄いけど内容はとてもボリュームのある素敵な絵本です。きっと読んでくれた方の心に響くと思います。
まだまだ在庫が辞典以上に分厚く積みあがるほどたっぷりありますので、僕らを不憫に思ってくれるのなら、是非とも買ってください。情が厚い皆さんなら薄い絵本を買ってくれる、そう信じています。


おしまい


<追記>
こちらの記事は実際にあった出来事ですが、僕も着ぐるみも全然怒っていません。不憫というよりも、むしろ笑い話が提供できて「おいしい」とすら感じておりました。#芸人気質
司会者の方を始め、絵本フェスの運営の方々には1ミリも怒りなんて感じておらず、素晴らしいイベントを開催してくださって感謝しかありません。#本当にありがとうございました
ただ、とても親身になって怒ってくださる方がたくさんいて「あれ?これって結構不憫だったのかな?」と改めて認識した次第です。着ぐるみよ、どうやら僕たちは不憫みたいだぞ。
#不憫を不憫と感じない事が1番の不憫なのかもしれません
#どういうこと

親身になってくださり本当に本当に嬉しかったです!でも僕らは気にしていないので、皆さんも笑ってくださると嬉しいです。
※だからと言ってコメントを削除したりしなくて良いですからね


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アルロンさんのこちらの企画に参加しました。

アルロンさんから”不憫男子”の称号を奪う気満々です!!よろしくお願いいたします!!



#不憫
#不憫男子
#フビワングランプリ
#薄い絵本を誰か買ってください
#アーヤと森のモフモフ

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