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【読書感想文】『死曲』を読んで

猿荻レオンさんの『死曲』を拝読しました。

この門をくぐる者は、希望を捨てよ。

山奥の修道院に佇む、完全招待制のレストラン「コンフェッション」。 選ばれた客には“最後の晩餐”が振る舞われるという。 ライターの桜庭雄二は、招待状もないままその場所に迷い込み、人ならざるギャルソンのルイと出会う。 提供される料理、地下に眠る「人の記録」、 そして“罪の味”を巡る不可解な出来事。 懺悔とは何か。 罪は裁かれるべきものなのか。 それとも、人は裁かれないまま生き続けるのか。 生と死、救済と地獄の狭間で揺れる人間を描く、 現代ゴシック・ミステリー。

『死曲』あらすじより

まずはレオンさんに言いたい。『死曲』の完結、本当にお疲れ様でした。これだけのボリュームのある作品を完成させるのには、相当な努力と熱量があったと思います。本当にすごいと思いますし、それだけでとても尊敬しています。
そしてレオンさんが全話を公開してくれたおかげで、この名作をじっくり堪能できました。8万字以上あるとは思えないくらい一気に読みました。めちゃくちゃ面白かったです。本当に感謝しています。ありがとうございます。

以下、僕の拙い感想で申し訳ないが、死曲の感想をお伝えさせていただきます。例によってネタバレ要素がありますので、まだ未読の方はまず作品を先に読んでください。マジで面白いから。


※以下ネタバレ有の感想

🎹📖🎹📖

『死曲』は、これまでのレオンさんのハートフルな作品とは違って、暗く幻想的な世界観が魅力の物語となっています。
ダンテの『神曲しんきょく』のモチーフである【地獄、煉獄、天国】が文中に散りばめられていて、単なるホラーやミステリーではなく、哲学的な深みがあるように思えました。
山奥の修道院レストラン『コンフェッション』で繰り広げられる“最後の晩餐”劇。罪人たちの懺悔の連鎖、人生を記録した本の秘密、そして食材化のグロテスクな描写……。
物語を読み進めるごとに、罪とは何か、懺悔とは何か、という問いが胸に迫ってきて、8万字を超える長編ながら読み進める手が止まりませんでした。
特に、中盤から後半にかけての展開がスリリングで、ルイの過去や主人公・桜庭雄二のトラウマが絡み合う伏線回収が本当に秀逸でした。ホラーの要素が満載にも関わらず、描写がとても丁寧で文学的に感じて、むしろ美しさや深い余韻を残すバランスが絶妙でした。

本作のテーマの「人は裁かれないまま生き続けるのか」という問いが、登場人物たちの選択や告白を通じて多角的に描かれていて、心に刺さりました。誰もが善悪のグレーゾーンを抱えていて、完全な悪人や善人もいない人間らしさが痛いほど伝わってきます。
ルイの美しさと内面的な葛藤、シェフの不気味な魅力、動物たちのファンタジックな存在感など、キャラクターも魅力的で、読み終えた今も胸に残っています。
エピローグの締めくくりも、静かな絶望と微かな希望の狭間が美しく、読後感が重くも心地良さを感じています。

おしゃらんや普段のエッセイのようにこれまでレオンさん書いてきた作品がユーモアやハートフル寄りなのに対して、この『死曲』は徹底的に暗く重いトーンで、その振り幅の広さに驚きました。まだこんな筆力を隠し持っていたのかと、感動すら覚えました。本当にすごい。
猿荻ファンはもちろん、そうじゃない方も絶対この作品は読んだ方がいい。無料で読めるうちに是非!!

レオンさん、本当に素晴らしい作品を共有してくれてありがとうございました。2025年も終盤ですが最後に非常に”心に残る作品”になりました。
最後に、DJコッシーが僭越ながらこの名作『死曲』のイメージソングを勝手に選ばせてもらいました。もし良かったら聴いてください。

本当にお疲れさまでした。そしてありがとうございました。


コッシー


【椎名林檎/罪と罰】


#死曲
#猿荻レオンさん
#読書感想文

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