理容師・美容師が使うハサミの音についてのお話し
こんにちはこんにちは
ボクたち理容師や美容師はハサミを使ってお仕事をさせて頂く訳だけれど
今日はそのハサミについてのお話し
何だか前フリがいつもより短いけれどボクはいつもと変わらずなんだかんだで元気です(笑)
さて、独立したとはいえ万年修行中のボクにも、その昔には師匠というそれはそれは偉大な存在のもとで修行をさせて頂いていた時期はあった訳で
で、その最後の師匠が良くこのタイトルにも書いたハサミの音について
『ハサミからエエ音(良い音)を出せるようにならなアカン!
チョキン・チョキンとエエ音を出せるようにならなアカン!』
と、それはもう本当に口癖の様に仰っていて
更に時々だけど、機嫌の良いときは
『同じ音でもシャキン・シャキンと音がした時は要注意や!』
と、ニヤッと意味ありげに笑いながら付け加えてくださる
そんな風に教えられると、要領も覚えも悪い最後の弟子は
『音でハサミの調子がわかるようになるもんなんだ』
と、その言葉の真意を探ろうとせず
ただただ必死にその時の切れ味と音を聴き分けようと試行錯誤していたあの頃……
なんともまぁ…
その思慮の浅さには、いま振り返ってみても
まさに青息吐息とはこの事である
もちろんそういった意味もなくはないんだろうけど、師匠の真意は当然ながら全く別のところにあった
と、いうのも
その最後の師匠から卒業というか中退というかの際に
師匠はこんな風に仰った
『あのな、もちろんハサミの音でハサミの調子はわかる。
それもあるけどな、チョキン・チョキンとハサミから音がし始めたら、チョキン・チョキンという音の様に貯金が貯まり始める。
せやけど逆に、シャキン・シャキンと音がし始めたら、シャキン・シャキンと音の様に借金が貯まり始める。
つまるところ、いつなんどきも何事も
余裕を持って面白おかしく色々な方向から物事っちゅ〜もんはとらえられんとアカンぞってこっちゃな(笑)
ほな、まぁ気張れよ!何ぞあったらいつでも帰ってこい(笑)』
と見送ってくださったのだから
何とも偉大な昭和12年生まれの大師匠である
その大師匠の不肖極まりない最後の弟子がなぜ今のこのタイミングになって、この教えをココに記したかというと、最近お客さまから
『アンタのハサミはチョキン・チョキンとエエ音がするねぇ〜♪』
と、褒められる事が増えたというか、ボクのハサミの音を気に入って、しかもその音をチョキン・チョキンと表現してくださるお客さまが何だか急に増えてきたというね
で、そうなると
貯金はいったいいくら程貯まったんだろうグヘヘへ…
と、大師匠からの教えとは真逆の解釈にというか自分にとってしか都合の良くない見当違いの妄想に勤しんでみた所で
当たり前ながら残高が増えている訳でもなく
とは言え、この師匠からの教えの如く
まだまだ色々な視点で物事を眺めてみたり受け捉えられる様にはなっちゃあいないが
多方面からそんなモンはただの妄想と揶揄されながらも
日々何かにつけて、こうしてnoteという場で面白おかしくネタにできている訳だから大師匠だって
『ホンマにコイツは…(笑)』
と溜め息混じりにニャっとしてくれている事でしょう
いやはや
いくつになっても、いつになっても
偉大な師匠の背中はデカく遠い存在なのである
ハサミの音を耳にしながら
そんな風に再確認した、ある日の午後なのであった
おしまい
