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恋の始め方なんて、誰も教えてくれなかった

「このままでいいや」

そう思った瞬間、だいたいその恋は動かなくなる。

好きかどうか、はっきりしない。

でも、LINEは続いてる。

会えば楽しいし、嫌いじゃない。

——だから、今のままでいいや。

壊れるくらいなら、進まなくていい。

そうやって、自分を守ってるつもりで、

本当は、何も始めてないだけだった。

恋って、いつからなんだろう。

毎日連絡を取るようになったとき?

ふたりでご飯に行ったとき?

それとも、名前を見ただけで少し嬉しくなったとき?

どれも違う気がして、

結局、“始め方”がわからないまま時間だけが過ぎていく。

気づいたら、相手の中での自分は

「なんとなく話す人」で止まってた。

一番近いようで、一番遠い位置。

踏み込まなかった分だけ、

ちゃんと他人のまま終わっていく。

本当は、わかってる。

恋の始め方なんて、たったひとつしかない。

「失うかもしれない」ってわかってても、

それでも一歩踏み出すこと。

それだけ。

でも、それができないから、

みんな“いい人”で終わる。

トーク画面を開いて、閉じて、また開く。

——今度、ご飯行こうよ

その一言が送れなかった夜の数だけ、

恋になり損ねた気持ちが積もっていく。

「このままでいいや」って思った恋は、

だいたい静かに終わる。

何も起きなかったみたいに、

でも、ちゃんと心のどこかに残ったまま。

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