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「2人なら大丈夫」25歳の私たちの、甘すぎる協力プレイの誤算|夫婦の距離感


二人の真ん中には、
いつもコントローラーがあった。


高校時代から続く
「協力プレイ」こそが
夫婦の絆だと、

25歳の私たちは
信じて疑わなかった。


結婚してからも、
夜な夜な同じ画面を見つめては笑い、
競い、並んで眠る。

ご飯を食べるのも、
ゲームをするのも、
いつだって一緒。

それを「窮屈だ」なんて、
一度も思ったことはなかった。


結婚した翌年、
1人目の子どもを授かった。

予定より、
少し早かった。

私たちは、
まだ25歳だった。


夫は、
自分が父親になるという現実に、
どこか怯えているようだった。

「正直、自信がない」

その言葉は、

ゲームでどうしても勝てない時に、
コントローラーを投げ出す
子どもの言い訳によく似ていた。

彼は4人兄弟の末っ子として、
愛されることだけに
特化して育ってきた人だ。

誕生日に贈った新しいゲーム機の箱を、
宝物のように両手で抱きしめていた
あの無邪気な笑顔。

私はそれを
「可愛らしさ」
だと思っていたけれど、

それは単に、
彼がまだ「守られる側」のステージから
一歩も外に出ていない証拠だったのだ。


ゲームで負けると、
ムキになって勝つまで挑んでくる。

その粘り強さが、

育児というリセットのきかない実戦でも
発揮されるのだと、

私は勝手に思い込んでいた。


妊娠中、
夫はどこまでも優しかった。

重いものは全部持ってくれたし、
つわりで起きられない夜には、
コンビニへ走ってくれた。

その優しさに甘えながら、

私たちは
「二人そろって育休を取る」
ことに決めた。

話し合った記憶はない。

「二人で一緒にいれば、なんとかなる」

そう信じて疑わなかったからだ。


これから始まる生活は、

二人で協力して進める
「新しい協力プレイのゲーム」
のようなものだと思っていたのだ。

頼れる両親や親戚が、
1人も近くにいないことなんて、
これっぽっちも気にしていなかった。


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242字
高校時代の同級生と結婚し、ずっと「協力プレイ」で歩んできたはずの私たち。 25歳、二人でとった育休。産後半年での復職。幸せの絶頂で、家庭は音を立てて壊れ始めた。 誰にも言えなかった失敗と修復の全5話に、「察して」は通じない話と、「あなたのためなら死ねる」を解体した2本を加えた記録です。

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