江戸の粋を今に伝える豪農の館「渡邉邸」
~映画のロケ地にもなった歴史の宝庫へようこそ~
新潟県関川村で地域おこし協力隊をやっているコテツです。
今回は、私たちの村が誇る素晴らしい文化財
「渡邉邸」をご紹介させていただきます。
地元で暮らしているからこそ感じる
この建物の魅力や見どころを
親しみやすくお伝えできればと思います。

新潟県関川村に堂々と佇む渡邉邸は
まるで時が止まったかのような江戸時代の雰囲気を
今に伝える非常に貴重な建物です。
国の重要文化財に指定されているこの屋敷は
ただ見学するだけでなく
当時の人々の暮らしぶりや知恵
そして粋な遊び心まで感じ取れる
まさに「生きた歴史書」のような存在なんです。
約360年の歴史を持つ渡邉家のストーリー

渡邉邸の物語は、今から約360年前の1667年に始まります。
初代当主の儀右門善高は、もともと村上藩の郡奉行
(今でいう地方の高級公務員のような仕事)をしていましたが
藩主の国替えを機に家督を息子に譲り
関川村の現在の場所に居を構えました。
2代目の時代から酒造業を始め
荒川を使った舟運業や金融業で大成功。
3代目の時代には、なんと米沢藩の財政難を救うため
総額10万両(今の価値で100億円以上!)も融資したという
すごいエピソードも残っています。
あの有名な上杉鷹山からお礼の品をもらったというから驚きですね。
全盛期には75人もの使用人を雇い
1000町歩の山林と700町歩の田んぼを経営していたというから
その規模の大きさが想像できます。
まさに現代でいう大企業の社長さんのような存在だったんですね。
見どころ満載!建物の魅力

日本最大規模の石置木羽葺屋根
渡邉邸の一番の特徴は、なんといってもその独特な屋根です。
「石置木羽葺屋根」と呼ばれるこの屋根は
杉の薄い板「木羽(こば)」を20万枚も重ね
その上に1万5千個もの石を整然と並べたもの。
これは日本最大規模なんです!
風の強い地域ならではの知恵で
石の重みで板が飛ばされるのを防いでいるのですが
見た目にも美しく、まるで鱗のような独特の模様を作り出しています。

職人技が光る母屋の構造
桁行35.1メートル、梁間17.8メートル
建坪500坪という巨大な母屋は
1階と2階合わせて40部屋もあります。
厳選されたケヤキの無節材を惜しみなく使い
天井の梁には龍が飛ぶような松の大木が使われています。
現在の建物は1817年に再建されたもので
なんと200年以上も前の建物なのに
今でもその美しさと頑丈さを保っているから驚きです。
細部に宿る職人の技と遊び心

渡邉邸の魅力は大きな構造だけではありません。
よく見ると、部屋ごとに異なる釘隠しの飾り物や
木造建築の継手技法など
職人さんたちの優れた技術と遊び心を随所で発見できます。
特に注目したいのは、平成の大修理の際に大工さんが遊び心で作った
「床下の鯉」です。
傷んだ床材を修復する際、新しく埋め込んだ木材で鯉の形を作り
まるで板の海を泳いでいるかのように仕上げました。
囲炉裏の脇に5匹の木彫りの鯉が隠れているので
ぜひ探してみてくださいね。
また、通り土間の大空間は圧巻で
当時の建築技術の高さを物語っています。
これだけ大きな空間を支える構造は
現代の技術者が見ても感嘆するほどの設計なんです。
国指定名勝の美しい庭園

江戸時代中期に京都から遠州流の庭師を招いて作られた池泉回遊式庭園は
国の名勝に指定されています。
庭園に使われている石は
なんと小豆島などの西国から北前船で運ばれてきたもの。
当時の物流ネットワークの広さがうかがえますね。
映画『峠 最後のサムライ』のロケ地として
2022年に公開された映画『峠 最後のサムライ』では
役所広司さん演じる河井継之助が訪れる屋敷として渡邉邸が使われました。
江戸時代の雰囲気をそのまま残す渡邉邸は
映画の世界観にぴったりとマッチし
多くの映画ファンが聖地巡礼に訪れています。
以前にも1995年にNHK金曜時代劇『蔵』のロケ地としても使われ
全国的にその名が知られるようになりました。
6つの土蔵も見どころいっぱい

かつては12もあったという土蔵のうち
現在は米蔵、味噌蔵、金蔵、宝蔵、新土蔵、裏土蔵の6棟が残っており
すべて国の重要文化財に指定されています。
それぞれに用途があり
火災や盗難から大切な財産を守る工夫が随所に見られます。
当時の繁栄ぶりを物語るこれらの土蔵群は
豪農の生活の実態を知る貴重な資料でもあります。
関川村にお越しの際はぜひお立ち寄りください

関川村やその近辺を訪れる機会がありましたらぜひ渡邉邸にもお立ち寄りください。
関川村役場の正面という分かりやすい立地にあり
車でのアクセスも良好です。
月岡温泉や村上市の観光
そして日本海の美しい景色を楽しむ旅の中に
この歴史ある邸宅での時間を加えてみてはいかがでしょうか。
現代の便利な生活では味わえない
ゆったりとした時の流れと
先人たちの暮らしの知恵に触れることで
きっと心に残る特別な体験になることでしょう。
この素晴らしい文化財を未来につなげていくためにも
多くの方に実際に足を運んで
その魅力を感じていただければと思います。
アクセス・基本情報
所在地:〒959-3265 新潟県岩船郡関川村下関904
交通アクセス:
◆お車でお越しの場合
関川村役場の正面(目印になります)
日本海東北自動車道 荒川胎内ICから国道113号経由 約15分(約15km)
東京方面から:
関越自動車道 練馬IC → 長岡JCT → 日本海東北自動車道 荒川胎内IC → 国道113号 → 関川村 (約250km・約3時間 + 約15分)
◆電車でお越しの場合
東京 → 上越新幹線(約1時間40分)→ 新潟 → 白新線・羽越本線・米坂線(約1時間)→ 関川村
※現在、一部区間で代行バス運行中のため、事前に最新の運行状況をご確認ください
◆飛行機でお越しの場合
新潟空港 → 直通リムジンバス(約25分)→ 新潟駅 → 白新線・羽越本線・米坂線(約1時間)→ 関川村
駐車場: あり(無料)
入館料金:
大人:800円
小人(小中学生):350円(未就学児は無料)
障がい者:500円
団体大人(20名様以上):700円
団体小人(20名様以上):300円
お得な共通券もあります:
2館共通券(隣接する「歴史とみちの館」も見学可):950円
ゆ〜む共通券(日帰り温泉施設「ゆ〜む」も利用可):1,200円
渡邉邸年間パスポート(ご本人様限定・1年間有効):2,000円(関川村民は1,500円)
有料ガイド:
ガイド1名につき1,000円
10名様以上で事前予約いただければガイド無料
当日申込みはお引き受けできない場合があります
おすすめ: 建物の歴史や隠れた見どころを知るためにも、ガイド付き見学がおすすめです
周辺スポットも一緒に楽しもう
渡邉邸の周辺には、同じく重要文化財の佐藤邸や
渡邉家の分家である東桂苑、せきかわ歴史とみちの館など
歴史を感じられるスポットが徒歩圏内に点在しています。
東桂苑について詳しくはこちら
関川村では「18世紀の街並みエリア」として一帯をPRしており
まち歩きを楽しみながら江戸時代の雰囲気を満喫できます。
渡邉邸は、ただの古い建物ではありません。
約360年にわたって受け継がれてきた歴史、当時の人々の暮らしの知恵
そして粋な遊び心が詰まった、まさに「生きた文化財」です。
映画のロケ地として注目を集めている今こそ
この貴重な遺産を実際に体験し、その魅力を感じ取ってみませんか。
きっと皆さんの心に深く残る、特別な体験になることでしょう。
関川村の魅力発信を続けていきますので、ぜひ他の記事もご覧ください。
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