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後輩

このたび、10年以上前から慕ってくれている後輩が、結婚・出産を経て訪問歯科の現場に戻ってきてくれました。

再び私と一緒に働いてくれることになり、本当に嬉しく思っています。

歯科衛生士として長く仕事をしていると、「人を育てる」ということの難しさと喜びを何度も感じます。

昔の私は、歯周病治療を専門とする認定歯科衛生士として勤務していました。

当時、彼女に何度も伝えていたのは、ただ知識を説明するのではなく、

「どうしたら患者様に伝わるのか」
「どうしたら患者様が治療の必要性を理解し、一緒に頑張ろうと思ってくださるのか」

ということでした。

歯周病は、原因があり、進行し、その先に起こる未来があります。

だからこそ、患者様にストーリーとして理解していただき、インフォームドコンセントを丁寧に行い、患者様の心を動かし、一緒に治療を進めていくことを大切にしていました。

あれから年月が経ち、私の仕事の舞台は訪問歯科へと変わりました。

訪問歯科では、意思疎通が難しい患者様も多くいらっしゃいます。

だからこそ求められるものも変わります。

限られた時間の中で、その方にとって今、本当に必要なことは何か。

口腔内だけを見るのではなく、全身状態や生活環境、ご家族や介護スタッフとの連携まで含めて考え、その方に合わせた口腔管理を行っていく。

歯周病治療で学んだ「ストーリーを組み立てて治療する力」は、今では「その方の人生に合わせて管理する歯科」へと形を変えています。

そして彼女は、その変化を一生懸命吸収しようと努力しています。

わからないことは素直に質問し、毎回の診療を振り返り、少しでも患者様のためになるよう考えながら取り組む姿を見ていると、「育てる」ということは技術を教えることではなく、考え方を伝えることなのだと改めて感じます。

若手を育てることは、決して自分と同じ人をつくることではありません。

その人らしさを大切にしながら、患者様を第一に考えられる歯科衛生士へ成長してもらうこと。

そしていつか、その学びをまた次の世代へつないでくれること。

それが教育の本当の意味なのかもしれません。

10年という時間を経て、また一緒に仕事ができることに感謝しています。

これから彼女がどんな歯科衛生士へ成長していくのか、とても楽しみです。

私自身もまだまだ学び続けながら、一人でも多くの若手が「この仕事を選んで良かった」と思える環境をつくっていきたいと思います。

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