「笑い方、四つの音」|ことばの観察記録 No.018
友達の話を聞いていて、自分の笑い方が場面ごとに違う音になっていることに気づきました。
「にこにこ」「くすくす」「げらげら」「にやにや」。
どれも顔がゆるんでいる状態を指すはずなのに、頭の中に浮かぶ表情はまったく別ものです。
四つを、並べてみる
にこにこ
音がありません。声より先に、表情のほうが仕事をしている感じ。誰に見られてもかまわない笑い方です。
くすくす
声は出ているけれど、抑えている気配のほうが強い。隣の人にだけ聞こえればいい、という小さな音です。
げらげら
抑えが外れています。自分でも止め方がわからなくなる、体ごと持っていかれる笑い方です。
にやにや
声も表情の動きも控えめなのに、なぜか一番、何かを隠している感じがします。
分けているのは、音の大きさだけじゃない
四つを並べてみて意外だったのは、音量だけでは順番がつけられないことでした。
「にこにこ」は音量ゼロ、「げらげら」は最大。ここまでは素直です。
ところが「くすくす」と「にやにや」は、どちらも控えめな音なのに、印象がまるで違う。
違いを探すと、誰に向けて笑っているかという軸が隠れていました。
「くすくす」は、笑いを相手と分け合っています。一緒に面白がっている二人がいる音です。
「にやにや」は、笑いを自分の中だけにしまっています。理由を聞かれても、たぶん素直には答えない音です。
音量の軸とは別に、開いているか閉じているかという軸がもうひとつ隠れている。
笑い方のオノマトペは、これを二軸で聞き分けているのだと思うと、自分の笑い方も少し観察したくなります。
あなたが今日いちばん近くで聞いた笑い方は、この四つのどれでしたか。
もしかしたら、この四つのどれでもない音を持っているかもしれません。
今日も棚に、ひとつ増えました。
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