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世界は青かった。レンズで変わった私の日常

毎朝、コンタクトをつけることから、一日が始まる。

でも、半年前から、急にパソコンの文字が読みにくくなった。
夜の運転では、対向車のライトがまぶしく感じるようになった。

「なんか、前とは違う」

記憶をたどると、小学校に上がった頃には、すでに眼鏡をかけていました。
コンタクトのおかげで、なんとかここまでごまかしてきましたが、裸眼では、名前を書くことさえままならない状態。
おそらく、弱視の部類です。


そんなとき、ふと出会った方との会話で、白内障手術の話になりました。
思い当たる節が多く、心の奥で「やっぱり、そうだよね」と観念している自分がいました。

調べると、白内障は40代から症状が現れ始め、80代では、ほぼ全員がなるそうです。

もっと、ずっと先のことだと思い込んでいたことが、目の前の現実として、現れてきた。

眼科で告げられたのは、やはり、白内障でした。

かつての私にとって、目の手術なんて恐怖でしかなく、絶対に受けたくない手術の一つでした。

でも、心のどこかで、覚悟をしていたからでしょうか。

先生から手術を告げられても、不思議なくらい落ち着いていて、素直に受け入れている自分がいました。

検査は淡々と進み、手術の日程は、3週間後に決まりました。


実際の手術は、両目で15分ほど。

あっけないほど短くて、直後から視界が変わっていくのが、楽しくもありました。
「これから裸眼で生活できるなんて」と、ウキウキしてきたほどです。


手術後の診察を待つあいだ。
待合室で過ごすその時間は、長年見慣れていた世界が、もうそこにはないことに気づく時間になりました。

病院の待合室から外を眺めた瞬間、思わず、心の中でつぶやいた。

「外の世界は、こんなに青かったんだ。」


にごりが晴れて、景色は、驚くほど鮮明でした。

思わず、待合室をキョロキョロ見回してしまう。

そういえば、宇宙飛行士が宇宙から地球を見て、「地球は青かった」と語った言葉があった。

私も今、同じような驚きを味わっている。


自分の目だけで、こんなにはっきり世界が見えたのは、何十年ぶりだろう。
たぶん、記憶にないくらい、前のこと。

私はずっと、くすんだレンズ越しに、世界を見ていたんだな。
そのことに、初めて気づいた。

かけているあいだは、まったくわからなかった。
だって、それが「ふつうの世界」だと思っていたから。

そして、なんだか可笑しくなった。

最近の私のブログでは、「人間関係をややこしくしているのは、脳のカラーレンズです」と書いているのに。
その私自身が、曇った目のレンズで、日常を生きていたなんて。

でも同時に、やっぱり間違いではなかった、という確信も芽生えました。

曇ったレンズをかければ、白い壁も、曇って見える。
でも、かけている本人は、それが本当の壁なのだと信じている。


白内障で曇ったレンズと、脳が無意識につくる"見え方のクセ"は、もちろん同じものではありません。

けれど、「本人にはそれが当たり前に見えている」という点は、とてもよく似ています。

そして人は、レンズ越しに見た相手こそが、その人そのものだと信じてしまう。

私の目のレンズは、手術で入れ替えることができました。

けれど、脳のカラーレンズは、メスでは外せません。

その色がどこでつくられているのか。
その出発点は、一人ひとり違っていて、意識の、ずっと奥にあります。


怖い人。意地悪な人。だらしない人。

同じ一人の人間でも、見る人のレンズによって、映し出される姿は変わります。

正直に言えば、自分一人の力で、脳のレンズの色にたどり着くのは、むずかしい。
私自身も、長いあいだ、そうでしたから。

でも、だからといって、「外せない」という話ではありません。
外し方が、白内障とは、少し違うだけなのです。

たとえば、なぜ、特定の人にだけ、こんなに疲れてしまうのか。

相手が何か言ってくるわけではない。
意地悪をされるわけでもない。
それなのに、どうして、あの人のことを避けてしまうんだろう。

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世界は、たぶん、あなたが思っているよりも、ずっと青くて、明るいはず。

もし最近、以前と違う目の不調を感じていたら、白内障を疑ってみてもいいかもしれません。

怖さもあるかもしれない。
けれどその先には、今までとは違う世界が、広がっているかもしれませんよ。

《この記事を書いた人》
心のしくみを、科学でひもとく
山伏|実瑚葉(みこは)

人間関係の心理構造を心理学と
脳科学の視点から解説。
元祈祷師として心と祈りを探究。
嫌われ不安や対人ストレス
愛着パターンなど、人の反応が生まれる仕組みをわかりやすく伝えています。
神性覚醒メソッドを提唱し
心の反応パターンを整えるヒントを発信しています。
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