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守る人、守られている人

彼女には、ずっと守りたい人がいた。

迷わないように。
傷つかないように。
間違った場所へ行かないように。
いつも笑顔でいれるように。

そう思って、
遠くから見守った。
言葉をかけた。
時には、自分のことを後回しにしてでも、その人のそばにいた。

けれど、ある日ふと気づいた。

守っているつもりで、
本当は自分がその人の存在に、
守られてたのかもしれない。と。

相手の弱さを見ているつもりで、
本当は、自分自身の中のものを見ていたのかもしれない。

相手を導いているつもりで、
本当は、自分も一緒に導かれていたのかもしれない。

相手を支えていると思っていたその時間に、
彼女の心もまた、何度も支えられていた。

心の奥底にあるものは、
気付きにくい。

人との関わりの中で自分自身で
考え、感じ、気づいていくのも。

辛いことがあった時ほど、それを実感する。

自分の感情ではなく相手のことを思って行動ができるか。
困難な時ほど、責めず、見捨てず、
その人のそばに、静かにあり続けることができるか。

間違いをただ裁くのではなく、
その奥にある幼さを受け止める。

本物のやさしさとは、
相手を自分の思い通りにすることではなく、
その人がその人として立てるように、
そっと灯りを置くことなのかもしれない。

守るとは、上から手を伸ばすことではない。
ともに痛み、ともに迷いながら、
それでも光の方を指し示すこと。

そして、
自分が守っていると思っていたその場所で、
自分もまた、深く守られていたのだと。

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