結論から言うが理由も言う
「話が長い、結論から言え」などというセリフを聞いたことがある方も多いと思う。ひょっとして言われた方もいるのではないだろうか?
ちなみに私はよく言われていた
「まずは結論から言いましょう」
なんてビジネスマンセミナーで聞いたりするが、それを無条件で信じている諸兄姉も多いかもしれない。果たしてすべてそうなのだろうか?
この現象について少しだけ考察してみる
先に断っておくが、非常に特殊な例だ
裁判において「判決文」というものが存在するのをご存じのはずだ
そして判決文には
①「結論」 ⇒ 「理由」
②「理由」 ⇒ 「結論」
の2パターンが実は存在する
判決文というのは裁判の結論が書いてあるものであり、一般的にいわれているとおり「結論 (裁判では主文) 」こそが重要なのであることは、火を見るよりも明らかだ。すなわち極論をいってしまうと、「結論 (主文) だけあればよい」ということにもなりかねない
だが待ってほしい
裁判でのセリフが
「それでは、被告人に対する判決を言い渡します」
のあと
「主文。被告人を懲役2年に処する」
「主文。被告人は無罪」
だけだったら、なんと味気ないことか。いや、ドラマ性を求めているわけではないが、どうしてそうなったか理由も聞きたいと私は思っている
物事の決定には理由があるし、裁判官の感想を聞いている場合ではないので、いわゆる「客観的にみて合理的な理由」がどうしてもほしい。自分の気持ちであるなら、「本能で・・・」「好きになるのに理由はいらない・・・」などはあるが、こと、人の人生を決めるのに理由は断固として必要だ
「被告人を懲役2年に処する」「理由。なんとなく」
「被告人は無罪」「理由。うまく言えないけど・・・」
これはありえない。女子高生じゃないんだから
ここでさきほどの判決文を再度引用してみる
>>「被告人を懲役2年に処する」
>>「被告人は無罪」
お気づきだろうか?
すなわち、
①「被告人『を』」「主文」。そのあと「理由」⇒「有罪」
②「被告人『は』」「理由」。そのあと「主文」⇒「無罪」
なのである
蛇足ながら「被告人『を』」の衝撃のあと、最後に「この裁判が確定した日から」が続いたら大どんでん返しで執行猶予つきだ。裁判は、結論に至るまでものすごく複雑で時間がかかるのに、判決文は存外に簡単なテンプレートに収まるのだ
といったこの話をしたとき
「おお! 確かにそうかも知れないな! 」と、私に「話が長い、結論から言え」と言ってきたKくんは頷いた
私は続ける
「じゃあ、これからなんでも結論から言うね! 良いことでも悪いことでも」
「いまの私のセリフをKくんが覆さずに確定した日から・・・」
と執行猶予もつけておく
「いやいやいやいや、ちょっとまって・・・」
「なんで? 理由は? Kくんが結論から言えって言ったんだよね? 」
「・・・・・・・・・」
・・・詰んだ。Kくん、チェックメイト
法律を少し知っている男性を圧倒して、余計な口を黙らすカジュアルにできる裁判ごっこは効果てきめんなので、法学部女子はイニシアチブをとるためにぜひやってみてほしい
参考までに、法学部女子は突出して未婚率が高いと聞く
理由。必要以上に口達者だから
ま、そりゃそうだ・・・
と私はがっくりと肩を落とした
