広島~松山の高速船、新船投入を前に2025/11/1から所要時間10分増&減便 <追記あり>
1.広島~松山航路は高速船「スーパージェット」とフェリーの二本立て
中国地方の中心都市である広島市と、四国地方の中心の座を高松市と競う松山市の間は、本四架橋が3本揃う現時点でも航路が主役です。しまなみ海道全通直後の一時期高速バスが運行していましたが、遠回りなこともあり太刀打ちできずすぐに撤退しています。
広島~松山航路は長年瀬戸内海汽船<広島側>と石崎汽船<松山側>の共同運航となっており、2025/10時点では高速船9往復・フェリー10往復体制です。このうち高速船4往復・フェリー9.5往復は途中呉港に寄港します。高速船ではその昔水中翼船が大活躍していましたが、1990年代半ばにウォータージェット船(愛称スーパージェット)に置き換えられ、広島~松山間の所要時間は直航便で1時間10分、呉寄港便で1時間20分です。
2.高速船はスーパージェットからリニアジェットへ
そのスーパージェットも就航以来30年が経過し、置き換えが必要となりました。まず石崎汽船が2025年秋にリニアジェット(高速性能と燃費を両立させる革新の推進装置だそうです)を採用した新造船を就航させることを発表し、
https://www.iyotetsu.co.jp/sp/topics/press/2024/0201_gizs.pdf
次いで瀬戸内海汽船もリニアジェットを2026年春に就航させることを発表しています。船名は公募で「アイヴィント」に決まりました。
https://setonaikaikisen.co.jp/wp-content/uploads/2024/08/20240801_newhighspeedship.pdf
石崎汽船が導入する船は、定員が現在の156名より4割減の93名となり、速力も現在の航海速力32ノットから「試運転速力29ノット予定」となります。
3.2025/11/1のダイヤ改正の内容について
広島~松山航路ですが、2025/11/1から高速船・フェリーともダイヤ改正が行われます。
http://www.ishizakikisen.co.jp/pdf/2025/20250905.pdf
https://setonaikaikisen.co.jp/archives/important_news/4463
高速船については、リニアジェットの導入を前提として「安全性と快適性の向上および運航効率の最適化」を行うもので、所要時間が現在より10分長くなり(直航便は1時間20分・呉寄港便は1時間30分)、最終便の出発時刻が30分繰り上がっています。そして、両社とも1隻ずつで全運用を賄っている関係で、トータルの便数が1往復減の9往復に、呉寄港便も1往復減って3往復となります。
フェリーも全面改正となり、所要時間が2分長くなるほか松山行にも呉に寄港しない便が設定されます。広島~松山間の便数は10往復で変わりません。
さて、石崎汽船のリニアジェットはいつ就航するでしょうか? 11月1日以降であることは確定ですが、正式発表が待ち遠しいですね。
4.2025/8/1実施の値上げについて
リニアジェット導入と直接の関係はないものと思われますが、広島~松山航路では2025/8/1付で運賃改定が実施されています。
https://setonaikaikisen.co.jp/wp-content/uploads/2025/07/202508_unchinkaitei.pdf
広島~松山間の運賃・・・
高速船は8000円→8800円 フェリーは5000円→5800円
呉~松山間の運賃・・・
高速船は6300円→6900円 フェリーは4000円→4700円
フェリーは15%以上の値上げで、所要時間を考えると周辺航路に比べ結構割高となりました(特に瀬戸内海汽船便はサービスレベルが高いですが)。
ちなみに、石崎汽船は公式サイトで値上げの件をついぞアナウンスすることはなく、単に料金表のページを差し替えただけです・・・
5.<追記>2025/11/12時点でも新船就航日は未発表
秋深まり11月も中旬に入りましたが、石崎汽船からは未だにリニアジェットの就航日は発表されていません。船自体は10月上旬時点で松山観光港近くに係留されていたのを連絡バスの車中から確認しましたが、果たして試験運航は行っているのでしょうか?(それらしき情報はネット上に見当たりません)
6.<追記>新船就航日は2025/12/19に決定
結局、リニアジェットの就航は2025年冬にずれこみました(12月19日)。
http://www.ishizakikisen.co.jp/pdf/2025/20251125.pdf
船名は、かつて松山観光港~門司港間で活躍した高速船の名を受け継ぎ、 「SeaMAX(シーマックス)」となりました。
ちなみに先代のシーマックスは1998年3月に就航しましたが、利用減と燃料費高騰から10年持たずに航路自体が廃止になってしまい、9年間の係船の後、2017年以降は遠く沖縄県八重山の石垣島と波照間島を結ぶ高速船「ぱいじま2」として運航中です。
https://aneikankou.co.jp/info/detail/308
