【国道41号】事業化後25年経過も着工に至らない飛騨高山のバイパス
1.岐阜~下呂~飛騨高山の幹線道路は旧態依然のまま
岐阜県北部の飛騨地方は近年高速道(東海北陸自動車道および接続する中部縦貫自動車道)の整備が進み、県内南北の移動や飛騨~北陸間の移動が大きく向上しました。特に世界的に知られる観光地ながら鉄道網から遠く離れていた白川郷は、すぐ近くに東海北陸道のインターチェンジができたこともあり、ますますインバウンドを中心とする観光客が増えています。
しかし、これらは旧来の岐阜~飛騨高山間のメインルートであった国道41号およびJR高山本線とは全く違ったルートを経由しており、特に下呂温泉は上記高速道の恩恵を全く受けていません。
2021/4/27付で中部地方整備局が発表した「防災・減災、国土強靭化に向けた 道路の5か年対策プログラム(中部ブロック版)」を見ると、
岐阜~美濃加茂間・・・
開通済みの坂祝バイパス区間を挟み、両側で調査中段階
美濃加茂~下呂間・・・
高規格道路は構想もなし、上麻生防災区間のみ事業中
下呂~飛騨高山間・・・
高規格道路「高山下呂連絡道路」の構想はあるが、石浦バイパス区間
以外は調査段階
となっています。
2.高山下呂連絡道路・石浦バイパスについて
高山市のサイト内にある「国の事業に対する高山市の取り組み」によれば、
https://www.city.takayama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/016/966/kunijigyou_r7-2.pdf
その石浦バイパス区間については、南北で状況に大きな差が出ています。
南側の宮峠トンネルを中心とする4.5km区間は2003年度に事業化され、2020/12/12に開通しています。一方、北側の宮高山バイパス4.1km区間はそれより早い2000年度に事業化されたにもかかわらず、「令和7年度は用地買収を推進します。」と明記されており、事業化から25年経過しても現地での着工に至っていないわけです・・・
3.石浦バイパスの2025年時点における再評価資料について
その石浦バイパスですが、2025/8/4に開催された令和7年度第1回中部地方整備局事業評価監視委員会において評価対象となっています。
説明資料はこちら
南側区間の方が先に着工・完成したのは、該当区間の国道41号(バイパス開通に伴い旧道化)が峠越えの急勾配・ヘアピンカーブが介在する区間で、積雪時に交通障害が発生しやすかったため優先したというのは明白ですね。北側区間も山間のカーブの連続する区間はありますが、勾配は緩くなっています。
そして、資料でも北側区間については「高山市一之宮町~同市千島町間(延長4.5km)は、早期工事着手に向け、調査設計、用地買収を推進していきます。」と明記されており、現地でも工事着手の目途が立っていません。中間には長さ1km程度のトンネルが計画されているため、2030年までの開通はまず無理ですね。
なお、2019年度時点と2024年度末時点の進捗率を比較すると、
【用地取得率】 約64% ⇒ 約72%
【事業進捗率】 約42% ⇒ 約49%
であり、進捗率の分母に完成済みの南側区間が含まれることを考慮しても、5年間でめぼしい進捗がなかったことは明白です。
4.石浦バイパス北側区間、現道との接点の様子
3章で書いた通り現地での工事着手に至っていないわけですが、ストリートビューで現道との接点付近を見ると、用地買収済みなことが明確にわかりました。
南側の現道接点付近(2023/9時点)はこちら
北側の現道接点付近(2023/10時点)はこちら
なお、南側の現道接点付近で過去に行われた工事は河川改修です。
