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sui_sei
夜と朝の狭間
仕事を終えて電車に乗り、スーパーに寄って買い物をする。家に着いたら洗濯物を取り入れて、流しにほったらかしの洗い物を片付け、晩御飯の支度にかかる。ノンストップ。
25年近く、あたりまえのようにこのサイクルを回してきた。本当は疲れた身体を湯船に浸してまったりとしたいのだけれど、そんなことをしていたら家族の晩御飯が遅くなってしまう。
ご飯を食べ終えると、今度はお風呂に入るのが億劫になる。絨毯に身体を投げ出しゴロゴロして、そのまま眠ってしまうこともしばしば。
夜中に目が覚めた。午前3時。
やってしまった…と思いながら、ちょっと特別なこの時刻にこっそりと、ベランダに降りてみる。
密かに6月の夜が好きだ。
とりわけ夜と朝の狭間。
月もなく、手を伸ばすと掬えそうな甘やかな夜のかたまり。
肌に降り立つ6月の空気は、不思議と心の中まで染み込んでくる。
ああ。
このつかみどころのない気持ちを
歌にしてくれる人が側にいてくれたなら。
そのまま一緒に空が白むのを待って
灰色に染まるお伽の国の、青い紫陽花を見に
飛び出していくのに。
もう一度眠ったら会えるだろうか。
夜をまとい、今度はお布団で丸くなる。
