なぜ、いいお店なのにAIにおすすめされないのか?|AEO・LLMO・GEO・AIOの違いと3つの理由
「近くにある、おすすめのお店を教えて」
「この悩みを相談できる会社は?」
「初心者でも利用しやすいサービスを比較して」
今は、検索窓に短いキーワードを入力するだけでなく、ChatGPTなどのAIに相談しながら、お店やサービスを探せる時代です。
では、本当に良い商品やサービスを提供していれば、自然とAIがおすすめしてくれるのでしょうか。
結論からお伝えすると、そうとは限りません。
どれだけ良いサービスでも、インターネット上に判断材料がなければ、検索エンジンや検索機能を持つAIは、その良さを十分に把握できません。
AIにおすすめされるために必要なのは、AIだけを意識した特別な文章や、裏技のようなテクニックではありません。
必要なのは、
「何を提供しているのか」
「誰に向いているのか」
「なぜおすすめできるのか」
を、第三者が確認できる具体的な情報として整理することです。
この記事では、AI検索に関係するAEO・LLMO・GEO・AIOの違いと、良いお店や会社がAIの回答に挙がりにくい3つの理由を、やましろLABO編集長の視点から分かりやすくお伝えします。
AEO・LLMO・GEO・AIOは何が違うのか
AI検索について調べると、AEO、LLMO、GEO、AIOなど、似た言葉がいくつも出てきます。
「結局、どれが正しいの?」
と迷う方も多いと思います。
先に結論をお伝えすると、これらの言葉には、業界全体で統一された一つの定義があるわけではありません。
会社や専門家によって意味が少し異なり、同じような取り組みを別の名称で呼んでいる場合もあります。
マーケティングの分野では、一般的に次のような意味で使われています。
AEO:質問への「回答」に選ばれるための対策
AEOは「Answer Engine Optimization」の略で、日本語では「回答エンジン最適化」などと訳されます。
検索結果の上位にページを表示させるだけでなく、ユーザーの質問に対する直接的な回答として、情報を見つけてもらうことを目指す考え方です。
例えば、
「料金はいくらですか?」
「どのような人に向いていますか?」
「初めてでも利用できますか?」
「予約は必要ですか?」
といった質問に対して、結論が明確に書かれた文章や、FAQ形式で整理された情報を用意します。
AEOでは、質問に対して、分かりやすく直接答えられているかが特に重視されます。
LLMO:大規模言語モデルに正しく理解してもらうための対策
LLMOは「Large Language Model Optimization」の略です。
マーケティングの分野では、ChatGPTやGeminiなど、大規模言語モデルを利用したサービスに、企業名、店舗名、サービス内容、特徴、実績などを正しく理解してもらうための取り組みとして使われています。
例えば、
店舗名や会社名の表記を統一する
公式情報を文章で公開する
サービスの対象者を具体的に説明する
実績や資格を事実に基づいて掲載する
複数の信頼できる場所で情報を確認できるようにする
といった取り組みです。
ここでいうLLMOは、自社の情報を大規模言語モデルへ直接学習させるという意味ではありません。
検索機能を持つ生成AIなどが公開情報を探したときに、企業やサービスについて誤解なく読み取れる状態を整えるという考え方です。
LLMOでは、AIの回答に名前が出ることだけでなく、「何をしている企業なのか」「どのような人に向いているのか」を正しく理解してもらうことに重点が置かれます。
GEO:生成された回答の中で参照されるための対策
GEOは「Generative Engine Optimization」の略で、「生成エンジン最適化」などと訳されます。
ChatGPT、Gemini、Perplexity、GoogleのAI機能などが回答を生成するときに、自社の情報が参考情報や引用元の一つとして使われることを目指す考え方です。
GEOという名称は、プリンストン大学などの研究者による2024年の研究でも使用されています。
AEOが「質問への直接的な回答」を意識するのに対して、GEOは、AIが複数の情報を組み合わせて回答を作るときに、その材料として発見・参照されることを意識した言葉です。
ただし、実際の取り組みには大きな共通点があり、AEOとGEOがほぼ同じ意味で使われる場合もあります。
AIO:AIに伝わるための取り組み全体
AIOは、一般的に「AI Optimization」の略として使われます。
AI検索や生成AIに、自社の商品やサービスを正しく理解してもらい、条件に合う質問をされたときに、選択肢の一つとして挙げてもらうための取り組み全体を指します。
なお、AIOは文脈によって、Googleの「AI Overviews」の略として使われる場合もあります。
この記事とやましろLABOでは、「AI Optimization」という意味でAIOを使用します。
やましろLABOでは、AEO、LLMO、GEOを含む広い考え方として「AIO対策」という言葉を使っています。
簡単に整理すると、次のようになります。
SEO:検索結果でページを見つけてもらう
AEO:質問への直接的な回答として使ってもらう
LLMO:企業やサービスの情報をAIに正しく理解してもらう
GEO:生成された回答の中で参照・引用してもらう
AIO:これらを含め、AIに伝わる情報環境を整える
名称は異なりますが、実際に必要なことは大きく変わりません。
4つの名称を、まったく別の対策として考える必要はありません。
正しい情報を公開する。
質問に対して分かりやすく答える。
選ばれる理由を具体的な事実で示す。
情報を最新の状態に保つ。
人にもAIにも理解しやすく、根拠を確認できる情報を積み重ねることが共通の土台です。
「AIに好かれる文章」を書けばよいわけではない
「AIにおすすめされる」と聞くと、特別なキーワードや文章の型があるように感じるかもしれません。
しかし、「この書き方をすれば必ずAIに表示される」という方法はありません。
Googleは、AIによる概要やAIモードへ表示されるために、特別な最適化や専用の構造化データは必要ないと説明しています。
従来から重視されているSEOの基本や、ユーザーにとって有用で信頼できる情報を整えることが、引き続き重要とされています。
また、OpenAIも、ChatGPT Searchで上位に表示されることを保証する方法はないと明記しています。
つまり、AIO対策は「AIを攻略する作業」ではありません。
AIと人の両方が、そのサービスについて正しく判断できる情報環境を整えることです。
では、なぜ良いお店なのにAIにおすすめされないのでしょうか。
理由1 基本情報が見つからない、または一致していない
一つ目の理由は、営業時間、料金、対応地域、予約方法などの基本情報が、インターネット上で見つからないことです。
公式サイトには古い営業時間が掲載され、Googleビジネスプロフィールには別の時間が書かれている。
SNSには最新情報があるものの、投稿を何十件もさかのぼらないと料金が分からない。
サービス内容が画像の中にしか書かれておらず、文章として掲載されていない。
このような状態では、お客様だけでなく、検索エンジンやAIにとっても、「どの情報が正しいのか」を判断しにくくなります。
特に店舗の場合、少なくとも次の情報は整理しておきたいところです。
正式な店舗名・会社名
所在地と対応地域
営業時間と定休日
商品・サービスの内容
料金と利用条件
予約・問い合わせ方法
公式サイトと公式SNS
情報の更新日
Googleも、重要な情報はテキストで掲載することや、ビジネスプロフィールの情報を最新に保つことを推奨しています。
Googleから「情報は最新ですか?」と通知が届きますよね?
ほったらかしにしていませんか・・・?
ChatGPT Searchについても、公開されたウェブページが検索対象になる可能性がありますが、サイト側で検索用クローラーを拒否している場合などは、内容を発見してもらいにくくなります。
まず必要なのは、たくさんの記事を書くことではありません。
「今の正しい情報が、誰でも確認できる場所にあるか」を整えることです。
理由2 「誰に向いているサービスなのか」が分からない
二つ目の理由は、対象となるお客様が具体的に書かれていないことです。
企業や店舗の紹介文では、次のような表現をよく見かけます。
「お客様一人ひとりに寄り添います」
「高品質なサービスを提供しています」
「地域密着で丁寧に対応します」
もちろん、どれも大切な姿勢です。
しかし、これだけでは「誰が、どのような場面で利用するとよいサービスなのか」が分かりません。
例えば、お客様がAIに尋ねる内容は、単純な店名検索だけではありません。
「初めてでも相談しやすいところは?」
「子どもと一緒に行けるお店は?」
「土日に対応してくれる会社は?」
「予算を抑えながらお願いできるサービスは?」
「短期間で利用したい場合はどこがいい?」
このように、地域、悩み、予算、経験、利用条件などを組み合わせて相談します。
そのため、記事の中には「おすすめです」と書くだけでなく、次のような情報が必要です。
どのような悩みを持つ人に向いているのか
初めての人でも利用できるのか
どのような条件に対応できるのか
他の選択肢と比べて何が違うのか
反対に、どのような人には向いていないのか
向いている人だけでなく、向いていない人や対応できないことまで書く。
一見すると不利に感じるかもしれませんが、対象を明確にすることで、読者は自分に合うかどうかを判断しやすくなります。
すべての人におすすめできるサービスは、ほとんどありません。
誰に合うのかが明確だからこそ、その条件に合う人へおすすめできるのです。
理由3 「選ばれる理由」を裏づける事実がない
三つ目の理由は、良さを裏づける具体的な事実が掲載されていないことです。
「経験豊富です」
「多くのお客様に選ばれています」
「専門的な対応ができます」
こうした表現だけでは、どの程度の経験や専門性があるのか分かりません。
判断材料になるのは、例えば次のような情報です。
創業年や事業年数
対応件数や利用者数
保有資格や許認可
具体的な支援実績
商品やサービスを始めた経緯
実際の利用事例
対応の流れ
よくある質問への回答
代表者や担当者の言葉
情報の出典や確認方法
大切なのは、数字を大きく見せることではありません。
事実を、誤解のない形で具体的に伝えることです。
まだ実績が少ない場合でも、どのような考えでサービスを提供しているのか、どの工程を丁寧に行っているのか、どの範囲まで対応できるのかは説明できます。
AIに評価してもらうために実績を盛るのではなく、人が安心して選べる事実を整理する。
その積み重ねが、結果としてAIにとっても理解しやすい情報になります。
記事を大量に投稿すれば解決するのか
「それなら、AIを使って記事を毎日投稿すればいいのでは?」
そう考える方もいるかもしれません。
しかし、記事の本数だけを増やしても、基本情報が曖昧なままでは意味がありません。
会社名や料金が記事によって違う。
どの記事にも似たような宣伝文句しか書かれていない。
実際の取材や確認をせず、一般論だけで作られている。
このような記事が増えると、お客様を迷わせる原因になります。
Googleも、生成AIを利用して、ユーザーへの価値を加えないページを大量に作る行為は、スパムポリシーに抵触する可能性があると説明しています。
AIを使うこと自体が問題なのではありません。
事実確認、独自情報、具体性、読者への価値があるかどうかが重要です。
僕たちが目指すのは、記事数を増やすことではなく、その企業や店舗について判断できる情報を一つずつ増やすことです。
AIの時代だからこそ、原点回帰
AIの台頭によって、これまで専門的な知識や多くの時間が必要だった文章や資料を、誰でも短時間で作れるようになりました。
使い方次第では、80点、90点、場合によっては100点と呼べるような成果物を作ることもできます。
これは、とても便利で嬉しい変化です。
一方で、その進化のスピードに、少し恐ろしさを感じることもあります。
誰もが一定水準以上のものを作れるようになれば、表面的な技術や見せ方だけでは、違いを生み出しにくくなるからです。
AIは、情報を整理し、文章にして、仕事のスピードを大きく上げてくれます。
しかし、その企業が積み重ねてきた経験や、お客様と向き合ってきた時間まで、代わりに作ってくれるわけではありません。
だからこそ、今必要なのは原点回帰だと僕は考えています。
目の前のお客様に真摯に向き合うこと。
商品やサービスを少しずつ改善すること。
間違いがあれば認めて、正しい情報へ修正すること。
目の前にある課題を、一つずつ淡々とクリアしていくこと。
成長や信頼を得るための、本当の意味での近道は存在しません。
これは、AIO対策も同じです。
AIにおすすめされるための魔法を探すのではなく、日々の事業で積み重ねてきた事実を整理し、誇張せず、正しく発信し続ける。
その積み重ねが、やがてお客様にも、検索エンジンにも、AIにも伝わっていくのだと思います。
AIを使って近道を探すのではなく、AIの力を借りながら、進むべき道を一歩ずつ歩いていく。
技術がどれだけ進化しても、最後に問われるのは「真摯に向き合い続けているか」なのではないでしょうか。
AIに伝わる情報は、人にも分かりやすい
ここまでAIOについて説明してきましたが、実際に必要なことはとてもシンプルです。
結論を先に伝える
一つの質問に対して明確に答える
固有名詞や数字を正確に書く
選ばれる理由を事実で説明する
向いている人と向いていない人を明確にする
料金や営業時間などを最新に保つ
公式情報や確認できる根拠を示す
これは、AIのためだけの書き方ではありません。
忙しいお客様が短時間で内容を理解し、自分に合うかどうかを判断するためにも必要な情報です。
AIに理解されやすい記事を作ろうとすると、結果として人にも分かりやすい記事になります。
ここに、AIOへ取り組む大きな意味があると考えています。
やましろLABOが取材を大切にする理由
企業やお店の本当の魅力は、公式サイトだけでは分からないことがあります。
経営者が当たり前だと思っている対応が、実は他社との大きな違いだったりします。
お客様から何度も喜ばれていることを、本人だけが強みだと気づいていない場合もあります。
そのため、やましろLABOでは、事業者へ直接話を聞くことを大切にしています。
サービス内容や料金だけではなく、
「なぜ、この事業を始めたのか」
「どんなお客様の役に立ちたいのか」
「どのような場合は、別の選択肢をすすめるのか」
「お客様から、どんな相談を受けることが多いのか」
まで確認し、記事として整理します。
何でも良く見せるための取材ではありません。
誰に、なぜおすすめできるのかを明確にするための取材です。
よくある質問
Q.対策すれば、必ずAIにおすすめされますか?
いいえ。
検索結果やAIの回答は、質問内容、地域、時期、利用するサービスなどによって変わります。
GoogleとOpenAIも、掲載や上位表示を保証するものではないと説明しています。
AIOは表示を保証するものではなく、AIや検索エンジンが判断できる情報を整え、候補に入る可能性を高めるための継続的な取り組みです。
Q.SEOとAIOは、どちらを優先すればよいですか?
どちらか一方を選ぶものではありません。
検索エンジンがページを発見・理解できる状態を作るSEOの基本は、AI検索においても重要です。
その上で、質問への明確な回答、具体的な事実、対象者、FAQなどを整理することが、AIOにもつながります。
AIOはSEOを捨てて始める新しい対策ではなく、SEOを土台として情報の伝わり方を広げる取り組みです。
Q.AEO・LLMO・GEOを、別々に対策する必要がありますか?
基本的には、別々に考える必要はありません。
正確な情報、分かりやすい回答、具体的な根拠、最新情報など、必要な土台は共通しています。
まずは、自社の商品やサービスについて、人とAIのどちらにも判断できる情報を整えることが優先です。
Q.SNSだけ更新していれば十分ですか?
SNSも大切な情報発信の場所です。
ただし、重要な情報が過去の投稿や画像の中に分散すると、お客様が必要な情報を探しにくくなります。
営業時間、料金、サービス内容などは、公式サイトや紹介記事などにも文章で整理し、最新情報を確認できる状態にすることをおすすめします。
Q.一度記事を書けば終わりですか?
営業時間、料金、サービス内容、実績などが変わった場合は更新が必要です。
公開時点で正確な記事でも、情報が古くなれば、判断材料としての信頼性が下がります。
定期的に内容を確認し、現在の事実と一致させることが大切です。
まとめ
AEO、LLMO、GEO、AIOは、目的や対象とする範囲によって呼び方が異なります。
しかし、すべてに共通するのは、人とAIが判断できる、正確で分かりやすい情報を整えることです。
そして、良い商品やサービスを提供しているだけでは、その魅力がAIへ自動的に伝わるわけではありません。
AIにおすすめされにくい主な理由は、次の3つです。
基本情報が見つからない、または一致していない
誰に向いているサービスなのか分からない
選ばれる理由を裏づける事実がない
AIOで最初に取り組むべきことは、AIを意識した難しいテクニックではありません。
自分たちは何者なのか。
誰の、どのような悩みに対応できるのか。
なぜ、その人におすすめできるのか。
それを、誇張せず、具体的な事実として公開することです。
本当に良い企業やお店が、情報不足だけを理由に選択肢から外れてしまう。
僕は、それがとてももったいないと思っています。
人にもAIにも正しく伝わる情報を積み重ねることで、必要としている人と、信頼できる企業やお店が出会える環境をつくる。
やましろLABOは、そのための記事を発信していきます。
前回の記事では、やましろLABOの目的や編集長の経歴について紹介しています。
【自己紹介】やましろLABOとは|企業・お店の「選ばれる理由」を人とAIに届けるメディア
