自叙架空#134
ある日スティーブン・スピルバーグ監督からフリーメールが届いた
来年クランクインする予定の映画で、純愛活劇SFロードムービーを撮ることが決まったので、その四番手役として出演してくれないかという監督直々の出演依頼メールで、出演が承諾なら、ギャラは二千万払うので、映画の初期登録費として今月中に二百万円を下記の口座に振り込んで欲しいという内容だった
私に俳優の仕事の依頼がくるのは実に二年ぶりで、最後に出演した映画は、総制作費が八百万円の邦画で、私の役は、セリフのない『主人公の彼女の兄の職場の同僚の兄』といったストーリーの鍵を握る主役級の重要人物の役を任されており、いくらハリウッド映画とはいえ、初めから四番手だと分かっている役の依頼を受けるわけにはいかないと思い、私はその旨を五千字ほどの文面にまとめて丁重に断りの返信メールを送った
コウ
