短編【朝顔と紅葉と桜】小説
ナはタイをあらわすってゆうけど、そのコトバはオレにはあてはまらない。
オレの知り合いがいうには長谷川とゆう、みょうじは、スマートでシュッとしているイメージがあって、賢一とゆうナマエは、アタマが良さそうなイメージがあるらしい。
長谷川賢一。
自分の名まえだから、そう言われても、ぜんぜんピンとこない。
実さいのオレは、まぎゃくで、ずんぐりとしているし、ようりょうもわるい。
そんなもんだから、もちろん女がいたコトなんてない。
オレの知り合いが、この知り合いと言うのは、さっきの知り合いとは別の知り合いなんだけど、そいつが『出会いけいアプリ』で女とヤったと自まんしていた。
オレはそいつにたのんで、そのアプリにオレのコトを登ろくしてもらった。
ガラケーではダメだと言うので月ぷでスマホを買った。
三ヶ月たっても女から連らくはなかった。
話がちがうじゃないかと知り合いをといつめたら、バカだなあお前、自分のかお写真を使うからだよと言われたが、よその人の写真を使うなんて、そんなサギみたいなコトはオレにはできない。
ところが、それから二ヶ月ご。
女から連らくがあった。
浅河尾紅葉という名前の女だった。
オレはうちょう天になった。
オレはうれしくなって、なん度も浅河尾紅葉の名前をかいた。
字をかくのがにが手で、かん字もよくしらないオレだけど浅河尾紅葉という名前はとてもきれいだと思った。
だから、なん度もなん度もかいた。
嬉しくなったオレは知り合いに話したが知り合いは、笑ってこう言った。
浅河尾紅葉なんて、そんな名前の女がいるわけがない。
それはサクラだと笑って言った。
待ち合わせの場所に行ったら本当に浅河尾紅葉はいた。
浅河尾紅葉は名前のとおりきれいな人だった。
待ち合わせの時間に一時間も遅れてしまったけど、浅河尾紅葉は笑ってゆるしてくれた。
どうしてオレなんかと会うきになったのかと聞いたら名前がステキだったからと浅河尾紅葉は言って笑った。
一度目のデートのときは食事をオゴってもらった。
だから、次のデートでごち走すると約束をした。
一週間ごのデートのときは二時間も遅刻した。
また、笑って許してくれると思ったけど浅河尾紅葉は笑っていなかった。
俺は行きつけの店のラーメンを奢ってやったけど浅河尾紅葉はそこでも笑っていなかった。
三度目のデートの時も時間におくれてしまった。
その日はパチンコで大まけをしてしまったから、金をかして欲しいとたのんだら、浅河尾紅葉は途中でかえってしまった。
四度目のデートの時は浅河尾紅葉は来てはくれなかった。
その事を話したら俺の知り合いは、やっぱり笑ってサクラだったんだよと言った。
だけど俺はアレがサクラで良かったと思っている。
本当に付きあう事になってしまったら今の俺には荷が重い。
最初は一発させてくれる女が欲しくて始めた出会い系アプリだったけど、正直、セックスはどうでも良くなっていた。
あんなものは風俗の姉ちゃんにお任せした方が幾分、具合がいい。
そんな事よりも女と一緒にデートの真似事をする方が楽しかった。
浅河尾紅葉。
あの女に出会って難しい漢字も書けるようになった。
それから俺は出会い系アプリにどっぷりはまった。
色んな女と出会って色んな女な名前を漢字で書いた。
そのお陰で書ける漢字も次々と増えていった。
だけど浅河尾紅葉ほど綺麗な名前を持つ女に出会う事はなかった。
とにかく色んな女と出会って色んな話をするのが楽しくて楽しくて仕方がなかった。
俺は色んな女の話を聞く度に賢くなって行く気がした。
気の所為かも知れないけれど。
俺は本気でそう思っている。
⇩⇩別の視点の物語⇩⇩
