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坂の途中で

夢を叶えた瞬間が、
転がり落ちるスタートだったとあとで気付くことがある。

勢いよく登って、
有頂天になっていたら、
足場はほんの少ししかなくて、
急な下り坂を転がり落ちていく。

頭から、
肩から、
横なのか縦なのかわからないが、
自分の力ではどうしようもない勢いがつく。

そのとき見たものは、
死の瞬間に見るといわれている走馬灯のようなものなのだろう。

過去を振り返り、
想い出に浸っているうちは、
まだ転がり落ちている最中ということか。

生きていれば、
自分の歩く道は、
上りにしろ下りにしろ、
坂ばかりだということに気づく。
でもそれは自分だけではない。
誰もが皆、
同じような場所を歩んでいる。

平らな道などほとんどない。
舗装された道は幻想だ。
真っ直ぐなアスファルトの道は、
人が作ったもの。
自分の歩く道は、
自ら作っていくしかない。

もしまだ想い出に浸っているなら、
それは転がり落ちている最中ということ。
でも、目指すものを見つけたとき、
人はそれを自力で止め、
また前を向いて、
夢を語り始める。

傷は恥じるものではない。
それは経験だから。
痛みを忘れる必要はない。
それは生きているということだから。
痛みが和らいだら、また目の前の坂を昇っていけばいい。

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