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カード

配られたカードによって人生は変わる。
それはポーカーの世界だけの話だ。
ハートが多ければ愛に恵まれて暮らせるだろう。
ただ優しさは時に裏切る。
ダイヤのペアは富を求める。
ただ得たものを自分だけのものにすれば、敵を作るだろう。
クローバーなら広い心で人を引き寄せる。
ただ自分の意志を失って、さまようことにもなるだろう。
スペードのペアがあれば権力を得るために戦う。
ただ戦い続けた剣が折れたとき、無力さを痛感するだろう。

だれのところにもエースやキングが配られるわけじゃない。
その大きさによって、人生が決まってしまうなら、喜ぶか諦めるかの二択しかなくなる。
世界はきれいなストーリーで動いてはいない。
自分にとっての勝利を奪い合う戦いだ。
どんな幸せを得たいかで、カードの使い方を変えたものが勝つ。

夢が叶うか叶わないかは、手札では決まらない。
世界的に成功した実業家も、そのアイデアを買ってくれた人がいたからこそ、富を得た。
作品が評価された芸術家は、自身は日が当たらなくても、死後評価され作品が永遠の命を吹き込んだ。
無理なことと、馬鹿にされた野球選手は今、歓声の中に立つ。
友や恋人に恵まれた小さな幸せを得るのも、名もなき勝者といえるだろう。

ただ切るだけでは、カードが手元になくなり、勝負ができなくなる。
自分の手札の色や数だけでなく、何枚なのかをつかんでおくことだ。
寂しくても役割を終えたカードだと手放し、誘いに乗らず切り札は手元へ残す。

スペード。
クローバー。
ハート。
ダイヤ。
カードの色や数字を嘆くより、その手札を使ってどんな勝負をするかだ。
運は巡り、無敵のジョーカーを手にすることもあるだろう。
ジョーカーはどの色にも染まらず、枠に収まることがない。
迷惑な道化のようだと笑われる個性は、見方を変えれば最強の才能かもしれない。
見つけてくれる人がいれば、すべてひっくり返り、大逆転が起こせる。
自分を見つめることが、カードを活かすことだ。

巡ってくるかどうかは、最期までわからない。
たとえ巡ってこなくても、最期まで勝負をし続けることが、生きるということだ。

一度しかないから一生なのではない。
たったひとり、唯一無二の人生だから、一生と呼ぶ。

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