【小説】天仕の少年と人間の少女の物語 後編 第十七話 唯一の再会2
第十七話 唯一の再会2
「フェリシア。」
「なあに?アルフォンス。」
「私は、君がこのまま死んでしまったとしても、持てうる力で君を蘇生することもできる。」
私が言った言葉に、彼女はその青い瞳を見開いた。その後、首を傾げて問いかける。
「それは、天仕の力なの?」
「そうだ。」
「その代償は?」
「・・・。」
黙りこくった私を見て、彼女は仕方がないというように、息を吐いた。
「アルフォンス。私は貴方の命と引き換えに、生き永らえたくはないの。」
「・・。」
「貴方も、もし私が自分の命と引き換えに、貴方を生かそうとしても止めるでしょう?」
「だが、私を必要としている人はもう誰もいない。」
私は既に死んだと思われているのだ。彼女が亡くなってしまったら、私に生きている意味はあるのだろうか?
「私が必要としているじゃない。それに、テラスティーネも、カミュスヤーナも。兄様やテオファーヌ様もそうだけど、2人の前に出るのは難しいかしら?」
「・・・。」
「今はテラスティーネやカミュスヤーナの前に出られなくても、いつかはきっと出会えるわ。その時には、死んだ私の話をしてあげて頂戴。私は貴方が寿命を迎えて、いつかまた天で会えるまで待っているから。」
「私は・・。」
何か言いたいが、言葉にならない。本当は一番彼女を失いたくないと思っているのは、私なのだ。でも、彼女の姿を見ていると、胸がいっぱいになってしまい、言葉が出ない。
「貴方を呼び出したのは、私が死ぬ前に貴方に会いたかったからなの。」「フェリシア。」
彼女は私のことを抱きしめて、耳元で囁いた。
「ねぇ。最後に貴方の歌を聴かせて。アルフォンス。」
「・・・どの歌がいい?」
「最初に歌ってくれた歌と、他の誰も知らない恋歌を。」
「本当にすまない。フェリシア。私は何の力にもなれなかった。」
「謝らないで。私は貴方が側にいてくれただけでよかったの。・・ありがとう。アルフォンス。」
彼女の耳元で、私は2曲を続けて歌う。
抱きしめている彼女の腕の力がなくなって、彼女の呼吸音や鼓動が弱々しくなっていくのを感じながら。私は歌い続けた。
せめて、天に向かう彼女が、寒いとか、怖いとか、思わないように。
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