WOMAN AI AWARD ソーシャル・インパクト賞をいただきました——スピーチ全文と、その裏側
ご報告します。
WOMAN AI AWARD ソーシャル・インパクト賞をいただきました。
最新の生成AIを、紙やマンガというアナログな形で校内に広げてきた取り組みを、評価していただきました。
授賞式で、一分間のスピーチの機会をいただきました。 何を話すか、ずいぶん迷いました。迷った末に話したのが、これです。
ありがとうございます。 正直に言うと、この場所に立つまでに、壁にぶつかって、否定されて、孤独になって、そんな時間がありました。 たぶん、口に出さないだけで、同じ思いを抱えた人も多いのではないでしょうか。 私より凄い教員は、たくさんいます。 でも、その素晴らしさは、身近な人、匿名の人々の優しさにより私がこの場に立たなければ、伝えられませんでした。 緊張して足が震えているんですけど…。だからIT・AIに明るいこの世界に向かって、教員も、教育業界も、凄いぞ。そして、あったかいぞ。と言いたい。 最後に。 私がいちばん伝えたいのは、たぶんこの受賞を知らない、SNSの向こう側にいる人たちです。 紙の前にいる、私がずっと向き合ってきた人たち。 あなたに届けたくて、私はここにいます。 ありがとうございました。
この講評でいただいた「対話」を、私は物語のかたちでも書いてきました。
→『ただ帰るということ』(全5話・マガジン)
講評でも、何度も対話を重ねてきたことを、取り上げていただきました。
結局、大事なのはそこなのだと。
その言葉が、いちばん嬉しかったかもしれません。
派手な成果ではなく、地道に続けてきた対話そのものを見てもらえたことが。
少しだけ、裏側の話をさせてください。
投票期間中、公式アカウントが、匿名のメッセージを紹介してくれたことがありました。
「最新の生成AIを紙やマンガというアナログな形で校内に広げ、心理的な壁を越えた発想が見事です」
マンガ。アナログ。校内。 ——それ、私のことだ、と分かった瞬間、思わず笑ってしまいました。マンガ⁉と。
でも、笑ったあとに、じんと来ました。 顔も名前も知らない誰かが、私のやってきたことを、ちゃんと見て、言葉にして、置いていってくれた。
私がこの数年やってきたのは、たぶんその逆方向のことです。 デジタルの最先端を、紙に刷って、マンガに描いて、Xを見ない人たちの机まで運ぶこと。 届いたかどうかは、いつも分かりません。それでも置き続けてきました。
だから、顔も知らない誰かの言葉に支えられてこの賞をもらったことが、できすぎなくらい、腑に落ちています。
もう少しだけ、正直な話を。
私はこれまで、表立って何かを受け取ることが、ほとんどありませんでした。 裏側でそっと「おかげさまで」と言われることは、何度もありました。それは嬉しかった。 でも表では、静かな距離を感じることも多かった。
目立つのが好きな人だと、思われていたかもしれません。 それが、悲しくもあり、息苦しくもありました。
本当は、怖かったのです。 ただ、前に出ないと届けられない場所があることを、知っていました。 だから、怖くても、平気なふりをして立っていただけです。
ほしかったのは、拍手ではなかった気がします。 ただ、対等に、仲間に入れてほしかった。それだけだったように思います。
今回、思いがけずこんな大きな表舞台に立つことになって、いろんなものが見えました。 温かいものも、そうでないものも。
それでも、この葛藤は無駄ではなかったと思っています。 表に立つ人の孤独も、立たない人の孤独も、少しだけ分かるようになったからです。
スピーチで「口に出さないだけで、同じ思いを抱えた人も多いのではないでしょうか」と話したのは、そういうことでした。
この記事も、たぶん、いちばん届けたい人には届きません。 その人たちは、noteもXも見ないからです。
それでも書くのは、いつか紙のかたちで、まわりまわって届くことがあると、知っているからです。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
*物語も書いています。「助けてと言えない人」の話です。↓
