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otspace0715
昼の月
駐車場の脇から、粗く舗装された細い裏参道が伸びていた。山の斜面を彫刻刀で水平にするすると彫ったような道で、両脇は木々に覆われ、地面に木漏れ日が落ちていた。鳥の鳴き声がしたが、姿は見えなかった。
空には雲一つなかった。時折涼しい風が吹き抜けて、それほど暑くは感じなかった。
灰色の舗装はひび割れ、隙間から草が生えていた。
小さなアリが舗装の上をどこかに向かって行進していた。顔を寄せると、思っていたよりもずっと広い範囲にアリがうじゃうじゃいた。樹皮だと思ったものは、よく見ると表面がアリに覆われて蠢いていた。
少し眩暈がした。
砂利敷きの開けた場所に出て、赤い鳥居が見えた。縁結びで知られる神社だった。拝殿から鳥居の向こうまでたくさんの人が列を成していた。
回り込んで最後尾にならんだ。参道の両脇には色とりどりの屋台が並んでいた。
子供が駆け回り、老人たちがベンチに座って話し込んでいた。恋人たちは互いに何かを囁きあって、眩しいくらいに人生を謳歌していた。
拝殿へ向かう列は絶えることなく、少しずつ前へ流れていた。
空気がうねっていた。
少し目が回るようだった。
不意に視線を感じて、斜め後方を見上げた。澄んだ空に透き通った白い月が浮かんでいた。一瞬それが巨大な眼に見えた。
月は、眩暈を覚えただろうか。
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